
キッズのみんな、こんにちは。サイエンステラーの大村正樹です。今週も東京浜松町にある秘密の科学研究所シークレットラボからお送りします「大村正樹のサイエンスキッズ」。さぁ、先週もお伝えしましたけれど、みんな、漫画とかアニメ好き? ちなみに、僕は「あしたのジョー」に夢中になりました。「あしたのジョー」はいわゆるスポーツ物なんで、現実問題あり得る話だよね。ところが漫画の世界には「こんなの、ないよね」というのが結構あるよね。それを科学で体験できる、そんなイベントが今、未来館で行われています。お知らせの後、サイコーが登場しま〜す。

今週のサイコーも日本科学未来館の科学コミュニケーター、本田隆行さんです。こんにちは。
こんにちは。

現在、未来館では企画展『科学で体験するマンガ展〜時を超える夢のヒーロー〜』が10月の15日まで開催されています。
はい。

「怪物くん」や「鉄腕アトム」、「ドラえもん」「ひみつのアッコちゃん」。古いものから今まだ放送されているものも含めて、様々な作品の世界を科学技術を用いて再現しているということです。今週はアッコちゃんの話もさることながら、やっぱり鉄腕アトムですね、手塚治虫さんの。
不朽の名作ですね。

アトムの連載って、もう50年も前ですって!
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そうです。もう半世紀前ですね。

アトムは2003年に誕生する予定だったので、今から9年ぐらい前にアトムの誕生祭があって、すごい日本中盛り上がったんですよ。
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ありました。ちょうどアトムが小学校入学の時にも何かありましたね。

そうそうそう。1回そういうムーブメントがついて、まだアトムは9歳ということですよね。
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そのぐらいだと思います。

でも50年前に手塚治虫さんはアトムの世界を描いていた…。
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そうなんです。50年前の手塚治虫さんが「50年後にこうなるんじゃないかな」ということを考えながら描いた漫画ですよね。

実際、鉄腕アトムはまだ生まれてませんけどねぇ。
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ええ。

アトムって何やるんでしたっけ? 力が強くて“科学の子”なんですよね。
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ええ。

妹がいるんですよね。
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そうです。

そう、100万馬力だっ!
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ええ、100万馬力。

100万馬力、鉄腕アトム。「鉄腕アトム」の企画展では、どんな体験ができるんでしょうか?
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「鉄腕アトム」ですが、やはり鉄腕アトムがなぜ誕生したのか? アトムは知っていても、アトムがなぜ誕生したかを知ってる人は、実はそんなにまだ多くないんじゃないですか。

でもアトム誕生のシーンは漫画で見たことあります。
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覚えていますか?

ピカって目が何か…光るやつですよね。
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そのシーンを実際に再現しています。

へぇ〜、いいですねぇ。
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動画で足にはロケットエンジンがついてて、最後に心が入ってみたいな…。

そう、心が入る。そうそうそう。
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それを実際に再現し、みんなの前でアトムができていく瞬間を見ることができる。

ほぉ〜。「アトムの名前を呼んで起こしてあげて」ってパンフレットに書いてあります。
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そうなんです。最後にみんなの応援も込みで動いていく。

その音声を認識して、最後に心が宿ってアトムが覚醒する。
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元気にシューと飛んで行くんですが、ここではプロジェクションマッピングという技術を使って、みんなの前にアトムが誕生する瞬間を見せています。

へぇ〜。プロジェクションマッピング! 地図?
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プロジェクションをマッピングするんですが、プロジェクターを使ったことがありますかね。 スクリーンなどにうつす、あのスクリーンは平面ですよね。

はい。
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今それを例えば形のあるビルだったりマネキンだったり、立体の物にプロジェクターを使ってうつし出すことで、いろんなものを立体的にうつすことができる技術があるんです。これをプロジェクションマッピングといいます。

うつすのは、普通だいたい白いスクリーンにうつしますよね。それを立体的なものに投影するんですか?
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そうなんです。つくる時に立体がどういう形をしているとか、どこに影があるかまで計算してつくらないといけないので少し普通とは違うつくり方をします。

やっぱり立体感のある?
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そうですね。ビルはいつも同じなんだけど、そのビルが全然違うように見えたり…。アートの世界でもけっこう活躍している技術だったりします。

ほぉ〜、なるほど。「ひみつのアッコちゃん」展。
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はい、出ました!

僕は男なのですが「ひみつのアッコちゃん」は、見てました。
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見てました?

見ますよ〜!
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アハハハハ。

あの三兄弟、知っていますか?
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ええ…。

あれは、サリーだった?
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サリーちゃんじゃないですか。

そうか…。コンパクトのやつですね? “テクマクマヤコン”ですよね!
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はい、鏡で変身する。

見てましたよ。僕は「ひみつのアッコちゃん」と「魔法使いサリー」、両方見てました。
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なるほど。私も「ひみつのアッコちゃん」は妹がいたので知っているんですけれど。

ええ。
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「ひみつのアッコちゃん」といえば、鏡で?

なりたいものに変身する。
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そうなんです。ここでも実際に鏡に向かって呪文を唱えて変身するという体験ができます。

いいですね! でもね、今でこそコスプレなんて言葉がありますけど、「ひみつのアッコちゃん」ってその“はしり”じゃないですか?
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もしかして、そうかもしれないですね。

40年近く前に…。
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なりたい自分になれる。

ということですよね。
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そうなんです。

先取りしてたんですねぇ。
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ここでは、さすがにいろんなものの中でもみんなの夢だろうというものを絞って、ウエイトレスさんや警察官、魔法使いとかお姫さま、バレリーナみたいなものになれるという。鏡に向かって“テクマクマヤコン”と唱えると、自分の顔がキラキラッと変わって見える。

これは、お父さんもそういう願望があったら行ってもいいんですか?
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そうですね。お父さんがバレリーナをやっても大丈夫です(笑)。

いいんですかぁ(笑)。わかりました。好きな方はぜひ行ってみてください、お父さん。
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これもちゃんと技術が使われてまして。

どんなのですか、それは?
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鏡に自分の顔をうつしますね。顔をちゃんと認識する。それから声、「バレリーナになあれ!」といったら、バレリーナという声をちゃんと認識してうつし出すという顔画像認識と声の認識を使っています。

なるほどね。これはいいですね、本当に。
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なかなか夢があるでしょ。

どうですか、ウエイトレスさんや警察官、魔法使い、お姫さま、バレリーナ−人気があるのは何ですか?
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やっぱり年齢だったり性別、それこそお父さんもいますけど、いろいろ変わります。

そうですか。
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みんな、けっこう好きに呪文を唱えてます。

へぇ〜。いいですね。「サイボーグ009」、これ石ノ森章太郎さんですよね。
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そうです。

仮面ライダーの?
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ええ。

だから、仮面ライダーよりもっと若い世代ですか?
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どうなんですかねぇ。009もこの5つの漫画と同じような時代なので。

じゃあ、昔ですね。
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アッコちゃんと同じ世代の漫画です。

何ができるんですか?
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「サイボーグ009」は、名前からしてサイボーグですよね。人間の能力を超えた力を身につけたヒーローたちが悪と立ち向かうような漫画です。ここでは、その人間の力を超えた能力を体験することができます。

いいですねぇ! いやぁ、アトムの上空1,000メートルもさることながら、これもいいですね。どんなことができるんですか?
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例えば物がすごく速く動いていると、なかなか人間の目で追えないですね。

はい。
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あるゴーグルを使うとすごい速く動いているものでも、まるで止まって見える。

すばらしい! カッコいいですねぇ。
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ストップモーションゴーグルというゴーグルがあって、それをかけることでとても速く動いてる物を止まってるように見ることができる。

それがあれば、ドッチボールでも当たることがないですね。
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もしかして球の回転まで見える(笑)。

ですねぇ。野球だったら、いつでもホームランを打てそうな感じがします。
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これは実際にスポーツ観戦だったり、動体視力を高めたような感覚になるということで使われています。

えぇ〜!ストップモーションゴーグルの写真が目の前にありますが、普通のメガネですよね。
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そうなんです。

じゃあ、表でもかけたらストップモーションできるということですか?
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電気を使っているので(笑)。

やっぱり未来館内で?
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未来館内ですね。高速のシャッターが入ってるんですが、シャッターを開けたり閉めたりすることでうまくタイミングを合わせて物がまるで止まっているように見える。CMで、車のタイヤが止まっているように見えるのがありますね。

はい。
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あれと同じような原理です。

はぁ〜、なるほど。これは、実際の画面上は飛んでくる球がストップして見えたり体験できるんですか?
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敵がすごく高速でグワーッと動いているのが、パッと止まってるように見える。

へぇ〜、いいですねぇ!
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でも、やっぱりゴーグルをはずすと、すごく速く動いているんですよ。

へぇ〜!
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止まってるわけじゃない。

ほぉ〜、なるほど。イメージできました。これは10月15日までで、入場料はどういう形になりますか?
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入場料は、企画展と未来館常設展の全部を見ることができるものが大人1,300円、18歳以下の方だと700円になります。科学で体験するマンガ展のみご見学されたい方は大人が1,000円、18歳以下の方が600円になります。

わかりました。もう時間ですか。今週のサイコーは日本科学未来館の科学コミュニケーター、本田隆行さんでした。ありがとうございました。
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ありがとうございました。

いやぁ、アトムをつくった手塚治虫さん、今にして思うと、漫画の世界の方々の先を見る目はすごいですね、。それでは、また来週も夕方5時半に会いましょう。キッズのみんなも楽しい週末を。バイバ〜イ!