
キッズのみんな、こんにちは〜!
こんにちは〜!

はい。ということで、元気なキッズたちの声ですが、僕は今どこにいると思いますか?−何と何とシークレットラボを飛び出しまして、東北地方。岩手県釜石市という三陸海岸の町に来ています。シープラザ釜石というところです。近くに地図がある人は、ぜひ東北・岩手県の地図を見てみてください。岩手県の南東部にある港町です。今日はたくさんのキッズが遊びに来てくれてまして、出張授業ということです。この後、サイコーの登場で〜す。

みんな、ちょっと大きな声で「サイコー!」と呼んでください。せいの〜!
サイコー!

はい、今日のサイコーの登場です。
(拍手と登場の音楽♪)

こんにちは。さぁ、お座りください。今日のサイコーは、東京大学大気海洋研究所の佐藤克文先生です。大槌町、知ってるかな? 佐藤先生、大槌町に研究室があるんですよ。そして、海の生き物の研究をされている東京大学の先生です。ということで、先生は東大の先生なんですよね。
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はい、そうです。

東京大学行きたい人?−おっ、3人いる。東大へ行きたいキッズが3人いますねぇ。どれぐらい勉強したら東大へ行けますか?
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一生懸命勉強してください。待ってます。

一生懸命勉強したら(笑)、佐藤先生に会えます。佐藤先生は海の生き物の研究をしてるんですが、「バイオロギング」ということですね。ちょっと詳しく教えてください。
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はい。ここにいくつか機械を持ってきてます。こういうちっちゃな機械を動物の体につけて、海の中でどういうふうに動いているかを調べる研究のことです。

わかる? お父さんがタバコを吸う子だったら分かるかもしれないけれど、タバコを半分に切ったようなもの、すごいちっちゃい筒状のものがあります。こういうのを生き物につけて、生き物がどんな動きをするかデータをとって調べる研究。
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そうです。

みんなもお母さんにこういうのを背中にペタッと貼られたら、どこへ行ってるかがすぐわかる。そういうことですよね。
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そうですね。

ちなみにこのバイオロギングの機械は、何て呼ぶのですか?
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データロガーです。

データロガー。この小型の記録計を使っていろいろなことを調べていらっしゃる佐藤先生ですが、何がわかるんですか?
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例えばこの機械、ちっちゃなプロペラがついてます。これによってウミガメが水の中をどれぐらいの速さで泳いでいるかがわかります。

これ、わかるかなぁ。懐中電灯の小さい、ペンライトのようなものがあります。これスマップのコンサートとかで振る人がいますけど、ペンライトのようなものの先に扇風機みたいなのがついてる。これで海の生き物の速度がわかる。
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そうですね。泳ぐ速さがわかります。

ほぉ〜。じゃあ、例えばみんな、イルカとペンギン知ってる? どっちが速いか知ってる? イルカとペンギンが泳ぎっこ、競泳したらどっちが速いか? イルカのほうが速いと思う人?
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はい。

イルカのほうが速いと思う人は2割ぐらい。ペンギンのほうが速いと思う人?
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はい。

ほとんどの人がペンギンだ。さぁ先生、答えは?
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同じです。

イルカもペンギンも速度は同じ。それがこのデータロガーでわかったわけですね。
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そうですね。

何キロぐらいですか?
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1秒間に2メートル。時速にすると7.2キロ。

時速7.2キロって、みんなカケッコしたらもっと速く走れるよ。
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そうですね。

イルカやペンギンよりも、みんなのほうが足速いかも、ということですね。
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ちょっと大人が早歩きするぐらいの速さですかねぇ。

ほぉ〜。
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これで移動してることがわかりました。

はい。イメージわいたかな? イルカやペンギン、時速7.2キロ。そのほか、クジラなどはどうですか?
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クジラ、例えばこのステージぐらいの大きさがあるクジラも同じような速さで泳いでたんですね。

時速7.2キロ?
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はい。

大人の早足と同じぐらい。
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そうですね。

じゃあ、海の生き物で最もスピードが速いのは何ですか?
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瞬間的な速度でいえば、シャチとか速いですね。

シャチ。
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だけど、ふだんここからここまで移動したいというような時、あるいは水面からエサのある深さまで潜っていく時などは、どんな動物も同じような速さで泳いでいたんです。

だいたい7.2キロ?
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そうですね。

ほぉ〜。ダッシュで走ればシャチは速いけれど、基本的にだいたい7.2キロ。
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はい。

魚の群れもそうですか?
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魚がちょっと違うんです。

違う。
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はい。魚はいろんな魚がいて、シャチやペンギンよりも遅いものもいれば同じぐらいのものもいる。やっぱり魚っていろいろな形の魚がいますよね。

はい。
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魚はけっこうバラバラだったんですねぇ。

『ファインディング・ニモ』を観ていたらいろんな生き物が出てきて、速いものもあれば、ゆっくりしたものもいる。海流に乗ってウミガメもものすごいスピードで泳いだりしたじゃないですか。
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そうですね。

潮の流れもやはり影響はあるんですか?
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そうですね、潮の流れをうまく利用してる可能性がありますね。

そうですか。今日この出張授業の場所には、三陸の海で見つけた本物のウミガメが来てくれました。ウミガメ見たことないんだよね、みんな。
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はい。

じゃあ、ぜひ見てください。本物のウミガメ、オープンです! これ、後でたっぷり見てもらいますけど今、先生の助手くんがウミガメを見せます。
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うわぁ。

見せるのは、たぶん甲羅のほうを見せたほうがいいですね、お腹を見せても生々しいだけなので。あまり長く持てるものじゃないんですか?
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助手くん:いや、持てます。

持てる。じゃあ、ちょっと集まったキッズに…。うわっ(笑)。
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わぁ〜!

先生、ちょっとキッズたち、ウミガメを初めて見てますけれど。
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触ってみてください。

触っても大丈夫ですか?
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大丈夫ですよ。

ショック死しないですか、ウミガメちゃん。
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大丈夫です。

大丈夫?
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足の付け根とか触ってみてください。柔らかいよ。

足の付け根、柔らかいって。わっ、プニョプニョだぁ。
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口の周りは気をつけてね。

かみつくよ。口はかみつくよ〜。
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うわぁ!

先生、このウミガメはどこにいたんですか?
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これは、船越の定置網でつかまったものです。

網にかかってきた。
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はい。

これ、網にひっかかってきて、種類は何というウミガメですか?
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これはアオウミガメというカメです。

アオウミガメ。せい息しているのは?
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産卵場は、小笠原や沖縄のような熱帯地方にあります。

だけど、三陸にいたんですね。
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そうなんです。

迷ってきたんですか?
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今調べているところで産卵場がどこにあるかはよく調べられてるんですが、産まれた子ガメがどこに泳いでいって、どこで大きくなるかは全然わかってないんですね。

ほぉ〜。
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私が岩手県に来てから、こういうアカウミガメやアオウミガメの小さな個体がいっぱいとれることがわかりました。この三陸で大きく育っているという可能性が出てきたんですね。

そうですか。ウミガメはいったん海を北上して、そこで大きくなってまた南のほうに戻るという。
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そうですね。何年ぐらいかけて大人になるかはわからないんですが、大人になったら南のほうに戻る。それまでこの辺りの海でエサを食べて大きくなっているような感じなんです。

そうか。みんな、ウミガメさんって大きくなったら、絶対授業で習います。その時に「私たちの海がウミガメを育てたのよ」っておぼえてください。ウミガメが産まれるのは、もっと南の海だそうです。だけど育つのは、この釜石や三陸の海です。おぼえてね!先生、ちなみにオスメスあるんですよね。
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はい。

みんな、「今のウミガメはオスかメスか?」クイズを出します。オスだと思う人、手をあげてください。−オスという人は2割ぐらい。メスだと思う人は手をあげてください。−ほとんどの人がメス。それはお腹がツルンとしてたからですかねぇ。
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どうですかねぇ。

どちらですか?。
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わかりません。

わからない。
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答えはわかりませんのです。

えっ、ウミガメはオスメスわからないんですか?
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もうちょっと大きくなって、オスだと尻尾が伸びてきます。メスだと尻尾が短いまま。

ほぉ〜。
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大人のサイズになるとわかるんですが、この大きさの時のウミガメはオスかメスか、外から見ただけではわからない。

50センチもあれば十分大きいと思ったら、まだ子どもなんですね。
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チビですね。

チビ! ウミガメは最大何センチぐらいいくんですか?
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甲羅の長さが1メートルぐらいになります、アオウミガメは。このケースに入らないぐらいの大きさになります。

そうですか。ということで出張授業の前半、ここでいったん終了です。先生、どうもありがとうございました。
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どうもありがとうございました。

出張授業、ウミガメも登場してみんな楽しかったかな?
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は〜い。

ありがとうね。本物のウミガメも見てもらいました。いろいろなお話も聞きました。次回もここ釜石からお送りしたいと思います。それでは、来週も夕方5時半に会いましょう。今日は釜石のキッズたちとさよならだ。じゃあね、バイバ〜イ!
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バイバ〜イ!