
キッズのみんな、こんにちは。サイエンステラーの大村正樹です。今週も東京浜松町にある秘密の科学研究所シークレットラボからお送りします「大村正樹のサイエンスキッズ」。さぁ、今日もキッズからの質問にこたえてもらいます。科学ジャーナリストの寺門和夫さんがもうスタンバイしてるんですけれど、またまた面白い質問が来てますよ〜。お知らせの後です。

今週のサイコーもキッズの質問にこたえてくれます、科学ジャーナリストの寺門和夫さんです。こんにちは。
こんにちは。

千葉県のカリナちゃん、12歳からいただいてます。「世界の人口は増えているんですよね。そうなると、いつか地球が人でいっぱいになる日が来ると思います。月に人間が住むようになる時代は来ますか?住めるようにするにはどんなことが必要ですか?何人ぐらいが住めますか? 火星やスペースコロニーはどうですか?」。これ、僕の子どもの頃40年近く前からずっといわれているんですが、日本は人口はゆるやかに減少してるんですよね。
そうですね。

でも世界では増えている?
ええ、世界では増えている。それから、やはりいろいろな環境の問題があって、だんだん人間が住める場所が将来少なくなってくるということもあります。

なるほど。最終的には地球って何人ぐらいまで住めるんでしょうか?
ちょっとそこまで詳しい数字はわかりませんけれど、おそらく今のままの人口の増え方でいうと今世紀末、ですから後どのぐらいでしょうか…。

あと88年ですか。
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それくらいの間に今のまま人口が増え続けると、かなり厳しくなって環境が悪化するといわれてますね。

えぇ〜、そうなんですか! じゃあ、今12歳のカリナちゃんが100歳になる頃は地球が危ないという。
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危ないというよりは、たくさん人口が増えてしまって生活するのが大変だったり、資源や食糧の問題があったりして住みづらくなるというんでしょうか。

そうですか。じゃあ、そこで注目ですね。「月に人間が住むようになる時代が来るのか? 火星やスペースコロニーはどうですか?」という。これ現実問題、どうですか?
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いずれやっぱり人間は地球を出て、宇宙なりほかの天体へ行って住むことになるんじゃないかと多くの人が考えていますよね。

ほぉ〜。ただ環境ですよねぇ。
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そうですね。結局、人間というのは地球上で育ったので空気も必要だし、水も必要ですね。それから重力もできれば地球と同じくらいあったほうがいい。いろいろなことがあるので、基本的には地球の環境を宇宙に持っていかないといずれにしても住むことはできないわけです。

はい。
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ですから例えば一番近い天体は月ですから、月面に巨大なドームをつくったり地下の都市をつくって住むこともできると思いますけれど、それは完全に密閉して空気がもれないようにして生活する。それからあとは月には畑も森林もないので、食べ物も全部自給自足しなければいけない。

はい。
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つまり月面の巨大都市の中には、そういった森や畑もつくらなければいけない。ですからいってみれば、地球の環境の一部をそのまま持っていくという形でほかの天体に住むことになるでしょうね。

何か寺門さんがいうと、にわかに現実味を帯びてくる感じですけれど。ただ観光で月に行くのはいいかもしれないですが、住むとなるといろいろ大変だと思いますよ。
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そうですね。あまり今、巨大な数の人間が月に行くことは考えられてないですね。

はい。
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やっぱり月というのは重力が6分の1で、ちょっとはねても浮いちゃうぐらいですね。それから実は月の一日は、いってみれば1ヵ月近いわけですね。

はい。
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2週間が昼で2週間が夜という環境ですから、あまり住んでて楽しくなるような雰囲気ではない。

フフフフフフ。ですよねぇ。
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ということなので、どちらかというと火星とか−火星だと割と地球の環境に近いし、薄いけれども大気があって太陽が照ってるということになりますね。

でも気温は低いって聞きますよ。
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低いです。やっぱり火星で住む場合にも、巨大なドームをつくったりしなければいけないですね。それは同じです。

そうか。東京都のカズヤ君、12歳。「僕の血液型はB型です。お姉ちゃんはA型。よくお姉ちゃんに『私はA型だから思いやりがあるけど、あんたB型だから自分勝手』とバカにされます。人の性格と血液型って本当に関係あるんですか? そもそも何で血液型には種類があるんですか? みんなが同じ血液型だともめないと思います」。おっしゃる通り!
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ほんとですね。

B型のカズヤ君、「だからB型だよね」とよくいわれますものねぇ。
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はい。

僕、O型なんで。だけど僕の奥さんはB型で、よくカズヤ君と同じことをいってました(笑)。寺門さんは?
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僕はちなみにAB型です。

何ていわれました?
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ええと、僕はやっぱり「多重人格」とかよくいわれるんですけれど…。

ハハハハハ。
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たぶんおそらくA型やB型の人も同じような性格を持ってると思いますね。

ですよね。
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たぶんそれは血液型とは関係ないと思います。

何年か前にサイコーで「血液型と人の行動には全く関連性がない」と言ってくれた人がいたんですよ。それでそんな気もしたんですけど、でもキッズたちは血液型の占いとか気にしてますよね。
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そうですね。

でもどうなんですか?
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まず血液型と性格の関係についていうと、たぶんこれは関係ないと思います。

ない。
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それはどうしてかというと、血液型の種類は言ってみれば人間の血液の中にある赤血球の表面についたちっちゃなもののタイプが違うだけなんですね。

ほぉ〜。
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ですからそれがある人の性格全体に影響を与えることは、基本的にはあり得ないと思います。

だいたい4種類しか血液型がないのに、人間の性格が4種類に分類されること自体ナンセンスで。
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そうですね。ただし、日本では血液型の性格判断が非常にはやっていて、まぁいろいろな話がありますね。このタイプだとこうだと。結局そういう話を聞かされると、だんだんそういうふうに信じてしまって、例えば自分は血液型がA型だから人からいわれたA型が自分の性格だと思い込んでしまうようなところがありますね。

はぁ〜。
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そういうふうに人間の性格をあるパターンに当てはめようと思う働きというんでしょうか、それが結局血液型が性格と関係があるという話にだんだんつながっていくんだろうと思いますけれど。

なるほど。
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たぶんかなりの部分は自己暗示みたいなもので、と僕は思ってます。

カズヤ君もお姉ちゃんに「あんた、自分勝手」といわれたら、「マイペースなんだ」とちょっと言葉を変えるといいかもしれないけどね(笑)。でもこの質問にある通り「何で血液型に種類があるのか? みんなが同じ血液型だといい」って。僕もそう思うんだけど、何でですか?
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そうですが、これは遺伝子で決まってることなんですね。今、人間の遺伝子っていろいろなことがわかってきている。細かいところでやっぱり一人一人違っているということがわかってきて、僕が今お話しているタイプでいうと、4種類遺伝子によってちょっと違いが出てくる。

ふ〜ん。
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ただ血液型はこのABO型だけではなくて、Rhのプラスとかマイナスがあります。

はい。
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これは2種類しかないわけですが、遺伝子によって決まっています。

はい。
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実はABO型とかRhマイナスというのは、性格とは関係ないけれど輸血の時は非常に大事ですよね。そういった面では医学的にも大事ですけれど。

そうですよ。
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ですから、きちんと調べることはもちろん必要です。

僕の友だちにRhマイナスの人がいて、首から金属のプレートをさげてます。
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はい。最近はそれほど厳しくなくなったかもしれませんが昔は輸血が大変だったので、4つの血液型の中ではAB型が一番少ない。

はい。
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ですからAB型のRhマイナスの人は、輸血の時に非常に大変なんです。だから事故とか起こった時は大変なので、よくそういうことをしてた人がいましたね。

時間ですね。またキッズの質問が来たら、寺門さんお願いします。
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はい、わかりました。

今週のサイコーは、科学ジャーナリストの寺門和夫さんでした。ありがとうございました。
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どうも失礼しました。

だいたい本当に血液型で人間の性格が4種類に分類なんかされないんですよ。もし血液型のことで困ってたら、「そんなことはないんだ」と言い返してあげましょう。それでは、素敵な週末をお過ごしください。また来週も夕方5時半ね。バイバ〜イ!