
キッズのみんな、こんにちは。サイエンステラーの大村正樹です。今週も東京浜松町にある秘密の科学研究所シークレットラボからお送りします「大村正樹のサイエンスキッズ」。今日はみどりの日ということで、先週ゴールデンウィーク前半でしょ。今週はもう後半で、何か終わっちゃうとさびしくないですか?宿題とかあるのかな?元気に過ごしてるんだったら、いいや。今回もカメを取り上げます。カメ以外に動物が与えてくれる癒しみたいなものも、サイコーに聞いてみたいと思います。お知らせの後。

今週のサイコーも元役者さんですが今はカメに最も詳しくなっているという、どうぶつエッセイストのだっくす小峰さんです。こんにちは。
どうも、よろしくお願いしま〜す。

先週はカメを飼うことのすばらしさをチラッとうかがって、「カメ、いいじゃん」と思いました。
ええ。

一般的に学校の教室でカメを飼っているクラス、多いですよね。
そうですね。

カメの動きを見ながら甲羅を触ったり、「ここ、やわらかいぞ」とか「ここ、かたいぞ」とか。頭を引っ込めたら「こわがってるんだなぁ」とか。手足を引っ込めるのは、カメは寝てる時なのか、こわがってる時なのか、どっちですか?
むしろ緊張した時です。

えっ!
びっくりした時とか身を守ろうとしてシュッと中に入るわけですね。

じゃあ、寝てる時は逆に…。
ダラーッと。

手足は出てる?
出てます。

睡眠中は手足が出て、緊張している時に身を守るために引っ込めている。
そうですね。

ほぉ〜。
太古の昔からカメは甲羅があって、ほとんど進化はしていないといわれているんですけれど「なぜ甲羅があるのか?」よくよく考えてみると、どう考えても身を守るためですよね。

ええ。
つまりカメというのは「僕にあまり近寄らないでくれ」、「僕をほっといてくれ」と。こういうところから甲羅ができていて、むしろおとなしい動物なんですね。

ほぉ〜。
なかには凶暴性を持った割とすぐかみついてくるカミツキガメとか、そういうタイプもいますけれど、基本的におとなしい。それが、甲羅が象徴しているところですね。

ほぉ〜。
ただ、よく僕が質問されることで「うちのカメちゃん、お行儀が悪いのよ」という。例えばリクガメを飼ってます。リクガメは常にトコトコトコトコ歩きながらご飯を食べて、ご飯を食べながらウンチをしておしっこをして、また戻ってきてトコトコ食べている。グルグルグルグル、全然落ち着いてご飯を食べない。

ええ。
人間から見たら明らかにお行儀が悪いですよね。でも、ちょっとよく考えてください。自然界にリクガメがいた時、同じところで葉っぱを食べちゃったら、もうエサがなくなりますよね。だから、ちょっと食べては歩き、ちょっと食べては歩きをするわけです。

はい。
その途中にウンチをします。ウンチの中には草の種が入っている。おしっこをします。水をまいているんですね。またグルーッと回って来た時には、草がはえている。そうやって地球の環境と常に一緒に生きているわけですよ。だから行儀が悪いと思う人間が間違っているのであって、それが本当の生き物の姿ではないかと僕は思ったりするんですね。

もっともですよ。そうですよね。
だから、それを見て行儀が悪いと思うこと自体が「僕ら人間はこれでよかったのかな?」とか考えてしまう。カメ1匹見ていると、何か人生が深くなっていくという。

いやぁ…。最近ペットセラピーとか医療の分野でもペットによって癒される、治る病気もあるじゃないですか。
はい。

カメはどうですか?
カメは、「見ていると心が落ち着くから」といって飼っている方がけっこう多いですね。

ワンちゃんやネコちゃんなどもそうですよね。
はい。

意外なところではどういう?
意外なところでは、やっぱりヘビ。

いや、あり得ないでしょ。
ハハハハハ。

全くあり得ないでしょ(笑)。
いや、ちょっとヘビの専門店をお手伝いしていたことがあるんですが、実際に僕もその時はいろいろあって精神的に落ち込んでいた時期だったんです。ヘビが自分に巻きついてきてジーッとこっちを見るんですね。そういう時って、すごく癒されていくと感じるんです。これはヘビが嫌いな人からすると「大丈夫?」と見えるかもしれないけれど、実際にヘビに触ってみてヘビの気持ちよさ、心地よさを感じるとやっぱり好きになる皆さんが多くて…。

ヌルヌルしてる。
そのイメージお持ちでしょ?

はい。
そうじゃないんです。むしろヘビって筋肉の固まりで、筋肉の固まりをロウでコーティングしたような感じでとっても肌触りがいい。だから女性の方とか触ってみると、「もう価値観が変わった」といってヘビを買って帰られる人も多いですね。

恍惚(こうこつ)の表情で語る様は何かこう、相当ヘビに癒されたという実体験にともなってますね。
癒されましたね。

私は全く理解できません!
はい。

ハハハハハハ。
時間をかけて…、今年ヘビ年ですし(笑)。

そうなんですよ。やっぱりトラウマとか、その動物へのファーストタッチの印象があって。小峰さんは、ヘビがかみつくものとか毒があるものというイメージがないですよね。
はい。

僕は、毒なんですよ。ボーイスカウトで一緒に歩いていた男の子がマムシにかまれたというのが僕の原体験なんです。
あぁ、はいはい。

そこから、ヘビがダメなんです。
かまれた方は、どうしてもひいてしまう方が多いですよね。でも、ヘビが嫌いな方のほとんどがかまれたことはなくて、単にイメージで嫌という方が多いじゃないですか。

はい。
だから、そういう方は触ってみるとけっこう…。日本では昔からヘビに畏敬の念みたいなものがあって、神社のしめ縄もヘビの交尾シーンを元につくられたものであったり、あとは擬宝珠(ぎぼし)などもヘビのトグロをイメージしてつくられたものだったりしているようですから。

ほぉ〜。やっぱりエッセイを書いたりされている方は、知識が深いですねぇ。
ありがとうございます。

あと、熱帯魚に癒される方もいますよねぇ。
そうですね。

あれはどういう心理ですか?
やっぱり何といっても、水は見ているだけで落ち着くじゃないですか。

はぁ〜。
僕も熱帯魚が好きですが、家がマンションの10階のため、水で何かあった時は大変なことになるので、水のものはやらないようにしているんですけれど。

水も含めてセットで環境を楽しむ。それで癒されるということ。
そうですね。今は、は虫類の専門誌などもいろいろ出ていて、僕は『ハープライフ』というは虫類の情報誌にエッセイを書かせていただいてるんですが、そういう中でも癒される部分を感じてくださる方がけっこう多いみたいですね。

ほぉ〜。
でも、本当にヘビでも、毒のあるヘビの飼育はされないほうが絶対いいと思います。

そうですよ。
ああいう本当に恐ろしい動物はイベントとかで見ていただいて、「それを飼おう」と考えないほうがいいと思いますね。

わかりました。「ちょっとヘビとの距離つめようかな」という気に今日なってきました。
つめていただいて(笑)、帰りには1匹。

首に巻いて帰っちゃおうかな(笑)、枕代わりに。ちょっと思い切って飛び込むのも必要かもしれませんねぇ。
ヘビ年ですから、ぜひとも!

いやぁ、おもしろかった。
ありがとうございます。

すごく変な話ですが、ふだんサイコーといってそのジャンルの権威の方をお呼びしてかなりレベルの高いトークをしているんですよ。
はい。

いわゆる好きな動物のことをここまで語る方はなかなかいらっしゃらなくて。
そうですか。今度はサイコーのもっと権威のしゃべりのほうで(笑)。

ぜひ遊びに来てください。
お願いします。

今週のサイコーは、どうぶつエッセイストのだっくす小峰さんでした。どうもありがとうございました。
どうもありがとうございました。

それでは、ゴールデンウィークもあとわずかですから、みなさん、また学校に行く準備もちゃんとしてね。じゃあね!