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「DNAと性格の関係」(2)
コーチャー/中原英臣(なかはらひでおみ)さん(新渡戸文化短期大学学長、医学博士)
大村正樹&中原英臣

大村正樹

キッズのみんな、こんにちは。サイエンステラーの大村正樹です。今週も東京浜松町にある秘密の科学研究所シークレットラボからお送りします「大村正樹のサイエンスキッズ」。さぁ、今回も“人の性格はDNAで決まっている”というテーマをお送りします。DNA、デオキシリボ核酸−ちょっと難しいんだけれど人間の体の全ての細胞の中にあって、両親のそれぞれの遺伝子情報みたいなものをみんな受け継いでるんですよ。その遺伝子情報、DNAを調べればいろんなこと、性格までわかっちゃうというお話なんですね。お知らせの後、サイコーの登場です。


大村正樹

今週のサイコーもDNAにお詳しい、医学博士で新渡戸文化短期大学学長の中原英臣先生です。こんにちは。

よろしくお願いいたします。


大村正樹

日本人の性格はDNAで分析すると4つの性格に分けられると、前回うかがいました。楽観的で新奇型のひと言でいえば天真爛漫な人、何かアメリカ人っぽい人ね。それから慎重で新奇型、とても慎重だけど自己中心的な、世界の中心は自分みたいな人。これは日本人の4割が当てはまるそうです。3つめは楽観的で地道に努力するタイプ、これは1割ぐらい日本人にいるそうで、中原先生はここに当てはまるそうです。周囲のみんなを調整するタイプの人ということですね。それから4つめが慎重で地道型。着実に結果を出す人で、これは3割ぐらいだそうです。みんなはどこに当てはまるでしょうか?中原先生は、『人の性格はDNAで決まっている』という本を出されています。この4つのタイプに裏タイプというものがあるそうですね。

はい。裏というのはおかしくて、性格は表裏一体でしょ。


大村正樹

ええ。

例えば、猪突猛進(ちょとつもうしん)タイプがいます。でも、よくいえば積極的で何にでも取り組む人でしょ。


大村正樹

はい。

あるいは慎重といえばすごくいいけれど、裏返すと臆病ということになるでしょ。


大村正樹

はい。

だから性格というのは面白くて、裏表があるんですよ。裏タイプというより、ただみなさんにお話しする時はいいことをたくさんいうほうがいいでしょ。


大村正樹

ええ。

でもここでいうと、例えば先ほどの楽観・新奇型は猪突猛進タイプということになります。


大村正樹

天真爛漫な人っていうのは、逆に猪突猛進的で一点しか見えなくなっちゃう(笑)。

そうです。積極的に行動して柔軟な挑戦的なタイプであることはいいですけれど、周りが見えなくなったり独走してしまったりすることもあるわけですね。


大村正樹

はい。

それから慎重・新奇型はアクセルとブレーキの両方あるんですが、その代わりストレスもたまりやすいでしょ。


大村正樹

日本人の4割。

はい。


大村正樹

アクセルとブレーキをあわせ持つということは、けっこう気を遣ってるということですか?

はい。


大村正樹

“世界の中心は自分”的な人だっているけどその反面、実はけっこう臆病だったりするということですか?

はい。慎重な部分がね。慎重といえばいいけれど、神経質だったりすることもあるわけでしょ。


大村正樹

はい。

でもできる限り性格は、前向きにいいほうにとっていったほうがいいですよ。私はそう思っています。


大村正樹

そうですか。ちなみに先生は、日本人の1割に値する楽観・地道型という。これは、周囲のみんなを調整することができるタイプ。

はい。


大村正樹

ただ裏的な表現をすると、けっこうマイペースということですね。

そうですよね。


大村正樹

なるほど。先生、実際マイペースですか?

マイペースですよ、私は(笑)。


大村正樹

そうですか(笑)。

慎重・地道型というのは着実に結果を出す人でいい面ですが、ある面は完璧主義なんです。だから付き合うのはちょっと大変ですよ。


大村正樹

じゃあ、日本人の3割が完璧主義ということですね。

だから日本は世界でいろんなものをつくったり、“クールジャパン”じゃないけれど、やっぱりどこか日本は完璧にやるでしょ。一番有名なのは列車のダイヤですよ。


外国人が一番びっくりするのは、1分も狂わないで電車が来る。完璧主義でしょ。われわれはそういう特性を持っている民族だと思いますよ。


大村正樹

なるほど。確かにそうですよね。海外へ行くと列車の時刻ってかなりルーズですよね。

30分ぐらい遅れても何とも思ってないでしょ。


大村正樹

はい。逆に乗るほうも乗るほうで、3分電車が遅れたらイライラしますもんね。

日本だったらね(笑)。


大村正樹

ええ、なるほど。このDNAの研究はたぶん昔からあったと思うんですよ。僕が子どもの頃から、らせん状になった暗号が…。

はい(笑)。


大村正樹

よくわからなかったんですが、たぶん誰もが学習してると思うんですよね。例えば警察の捜査でも今は役立っているじゃないですか?

役立っていますよ。


大村正樹

DNA鑑定というものが生まれたから、時効みたいなものもなくなったわけですよね、凶悪事件の。

はい。


大村正樹

だからいろんな国のルールも変えるぐらいになったわけで、今後DNAって僕ら人間にどう活かされていきますかねぇ。

もうすでに、ありとあらゆる分野で入ってきているでしょ。


大村正樹

はい。

極めて面白い話をしますと、例えばDNAを調べると歴史のいろんなことがわかるんですよ。


大村正樹

ほぉ〜。

ニコライ二世というロマノフ王朝の最後の皇帝がいますよね。実は共産革命で一家全員が処刑されたことになっていまして、ところが「実は、私はニコライ二世の娘だ」とアナスタシアという女性がニューヨークに現れて映画にもなったんです。『追想』という映画は、アナスタシアさんの話なんですよ。


大村正樹

はい。

これはソ連が崩壊してロシアになって、「DNAで調べよう」と日本に来たんです。簡単にいうと、ニコライ二世の骨はわかってるわけです。そこからDNAをとる。それと同時に日本に何を求めていたかというと、ニコライ二世は皇太子時代に日本に来て警察官に襲われているんですよ。


大村正樹

へぇ〜。

大津事件という。


大村正樹

滋賀県?

滋賀県です。その時に日本刀で切りつけられて、血に染まったシャツやハンカチがあるんです。その血液からDNAをとるということでロシアから研究者が来て、結局は古くて使えなかったんですけどね。


大村正樹

ええ。

ロシアの学者さんってすごくて、ロシアの王朝はイギリスの王朝と親戚ですから、今のエリザベス女王のご主人の血液をいただいて調べたら、結局99.9999の確率で「これはニコライ二世の骨である」ということがわかって、結局全員が処刑された。アナスタシアさんはにせ者だったということがわかった。


大村正樹

へぇ〜。それは何年前の話ですか?

これは10年ぐらい前です。


大村正樹

最近じゃないですか!?

6年前にここでお話させていただいた「日本人はどこから来たのか?」もDNAでわかるわけですね。


もういろんなことに使われていますよ。もうひと言えば、iPS細胞はネズミの実験ではうまくいってるんですよ。例えば、iPS細胞を使って、インスリンをつくる細胞をつくる。それをネズミに移植するとネズミの糖尿病が治る…。


大村正樹

ほぉ〜。いやぁ、面白かったなぁ。もう時間ですね。先生、また遊びに来てください。

いつでも喜んでうかがいます。


大村正樹

6年ぶりのご登場で、まだ番組続いてるんですよ。

すごいですね! 長寿番組ですね。


大村正樹

また、ぜひよろしくお願いします。

はい、ありがとうございます。


大村正樹

今週のサイコーは、医学博士で新渡戸文化短期大学学長の中原英臣先生でした。


大村正樹

ちょっと大人の話だけれど、競馬とかパチンコとかギャンブルがあるじゃない。そういうのが好きなキッズたちのお父さんもいるかもしれないけれど、もしかして慎重で地道型のタイプだったりすると絶対ギャンブルはダメっていうことだよね(笑)。だからお父さんがすごく楽観的で天真爛漫な人だったら、多少ギャンブルで負けても笑っていられるけれど、DNA鑑定して全然逆だったら、ギャンブル向いてないのかなという人もいるかもしれないねぇ。みんなもちょっとDNAに関心を持ってくれたかな?とても楽しくDNAを学習することができました。それでは、また来週も夕方5時半に会いましょう。キッズのみんなも楽しい週末を。バイバ〜イ!