過去の放送分
過去の放送分 過去の放送分
「サッカーがうまくなる科学」(2)
コーチャー/浅井武(あさいたけし)さん(筑波大学体育系教授)
浅井武

大村正樹

キッズのみんな、こんにちは〜。

 こんにちは〜。


大村正樹

今週も元気だねぇ〜。さぁ、シークレットラボ、今日は公開しています。会場には100人を超えるちびっ子たち、そしてお父さん、お母さんにもお越しいただきました。みんな、拍手〜!

 (拍手)


大村正樹

百数十人の拍手でございます。サイエンスキッズ史上最大の方々に集まっていただきました。今回も「サッカーがうまくなる科学」ということですが、みんな不思議だと思わない?カーブするボール、あれはどうやったらうまく蹴れるんだろうか?このあたりをサイコーに聞いてみたいと思います。お知らせの後。


大村正樹

続きましては、バナナシュートって知ってる、みんな?

 知らな〜い。


大村正樹

バナナシュートに興味がある人? あるよね、みんな。バナナシュートってクルクルクルって回る回転するボール。

 あぁ。


大村正樹

スピードじゃなくて、ボールの回転の話。今日は、浅井武先生が軽いビーチボールを用意してくれたんです。先生はほんとにプロだから、びっくりするようなバナナを打ってくれます。ちょっとみんな、びっくりしてね。じゃあ、浅井先生、バナナを打ってもらいましょう。

 ハハハ。じゃあ、カーブキックですね。


大村正樹

行くよ、カーブしますよ。お父さんお母さんのところまで飛ぶかもしれませんが、おそろしく柔らかいボールなので大丈夫です。キャッチしてあげてください。ゆっくり、ふわっと上げますので。

最初は何の説明もなく、さっきのスイングと同じ形ですね。しっかりバックスイングして蹴る。ちょっとインパクトだけ変えるんです。ですから、こういう感じですね。
(蹴る音)


大村正樹

あぁ、ナイスキャッチですね、お母さん。

 (拍手)


大村正樹

ナイスキャッチです。今、カーブしたのが、わかりましたか?

 うん。


 わかった。


大村正樹

すごいね。今ちゃんと子どもたちは先生が打った弾道を、天の川を指差すようにピューッと指差してくれました。

ハハハハ。


大村正樹

たぶん今日集まっているキッズも、ラジオの前のキッズも練習してる子はいっぱいいると思います。

ほとんどみんな、練習してると思いますね。


大村正樹

ええ。よりうまくなるコツを今日は教えていただけるということで。

はい。カーブキックといいますと、ボールに回転をかけることが大事です。それはみんなわかっていて、とにかく横回転をかければ回るということで野球のカーブとかテニスのスライスサーブと全く同じです。サッカーの場合は、ボールがちょっと重たいしサイズが大きいので、ただ単に横をこするだけではボールは回転するんですけど、スピードが上がらない。


大村正樹

ええ。

そうするとボールは曲がるんですがふわっとしたボールで、僕がさっきやったみたいにゆるいボールで行って、結局、枠に行った頃にはゴールキーパーに追いつかれて取られてしまうことになる。


大村正樹

ゆるいボールだったらボールをこする程度で行けるけれど、それではプロでは通用しないということですね。

はい。実際の試合でプロがねらっているのは、速くて曲げるということですね。速くて曲げるためには、スピードボールを蹴ること。さっきやったインステップの強いボールと同じで、速いスイングでボールをミートして、なおボールにスピンをかける。


大村正樹

つまり中村俊輔選手のフリーキックはとてもゆる〜く見えるけれど、実際は相当の勢いがある、パワーがある。

けっこう速いですよ。けっこう速い。


大村正樹

けっこう速いんですか!

速いです。


大村正樹

前回聞いた時はシュートで速いボールは120キロぐらいでしたが、中村俊輔選手のふわっとしたフリーキックで何キロぐらいですか?

まぁ110キロ100キロ、それぐらい出ていますね。


大村正樹

けっこう出ているんですね!

出ています、出ています。


大村正樹

はぁ〜! じゃあ、力のあるふわっとしたボールの蹴り方のコツを教えてください。

2つあって、足の外側アウトサイドで蹴る時は、とにかくインステップと同じようなスイングをしてボールの中心より少しずらして蹴る。ちょっとだけずらせば、ボールのスピードが上がったまま曲がって飛ぶんですね。


大村正樹

カーブ回転をすると、右足で蹴る人は足の内側で蹴るイメージですか?

それもありますし、ロベルト・カルロスみたいにアウトで蹴るパターンもあるんですね。


大村正樹

へぇ〜。

アウトで蹴る場合は、重心よりもちょっとだけずらしてミートすればかなり速いボールで回っていく。


大村正樹

こするんじゃなくて重心、ボールのセンターよりも右左どちらかにずらして強い蹴り方をするとカーブシュートがかかるということですか?

どうしても回転を意識しすぎると、誰でもそうですが横をこすって回転はするんだけどゆるいボールになるんですね。


大村正樹

はい。

試合ではそれが通用しないんで、なるべく中心に近いところで少しだけずらしてドーンと強いボールを蹴って、なおスピンをかければ自然とボールは回っていく。


大村正樹

ほぉ〜。

そうすると速くて曲がるボールが生まれるんですね。


大村正樹

じゃあ、前回聞いたようにもう足をV字型に曲げて強いボールをストンと打つイメージで、打つポイントを右左どちらかにずらしてシュートをかける。

それが1つのやり方。あともう1つは、さっきいわれたように、インフロントですね。インサイドに近いインフロントで蹴るような場合は、ずらして蹴るのももちろんあるんですが、別のいい方をしますと、インパクトする面の方向とスイングの方向を少しだけずらしてあげる。


大村正樹

はい。

ですからインサイドは90度なので、インパクトする面がまっすぐですね。そのまま蹴ってしまえばインサイドキックで強いボールを蹴れないんですが、少し斜めにしてあげて面をやや左側、それでスイングする方向はそのまままっすぐ向けてあげる。そうすると、インパクト面とスイング面が角度を持つのでボールの中心を蹴っても、黙っていてもスピンが生まれて回転していく。


大村正樹

あらかじめ足を斜めにしてボールの中心を蹴ると、自然とカーブがかかる。

そうですね。ちょうどゴルフのロフト角をつけるようなイメージで、それを横につくるような感じ。


大村正樹

はい。

それをすれば横をこすらなくても強いボールが、インステップキックと同じスイングで蹴れるので速くて曲がるボールが生まれるんですね。


大村正樹

会場で「僕がカーブボールを蹴るぞ!」という人いる?

 は〜い!


大村正樹

おっ、一番ちっちゃいぞ〜(笑)。おいで!

会場:(拍手)


大村正樹

何歳ですか?

 …(しぐさ?)


大村正樹

3歳でカーブボールを蹴ります。どこから来たの?

 神奈川県。


大村正樹

おぉ、よくいえるねぇ。もっといえる? 何市ですか?

 神奈川県。


会場:フフフ。


大村正樹

いいねぇ(笑)。さらに、その後は?

 神奈川県。


会場:フフフ(拍手)。


大村正樹

はい。神奈川には、「神奈川県神奈川県神奈川県」という住所があります(笑)。3歳、お名前は?

 ワクイエイタ。


大村正樹

はい、エイタ君。エイタ君はサッカーやる?

 公園で。


大村正樹

やってる、そうかぁ。好きな選手は?

 …サッカー。


大村正樹

サッカーだねぇ。

会場:フフフ。


大村正樹

じゃあエイタ君、来てごらん。ボールを蹴る練習をしようか。みんなが見てる中で、ボールなくなっちゃったけどボールがあると思って、エイタ君のカッコいい蹴るところを見たいなぁ。よし、行け!

 (蹴る音)


会場:フフフ。


大村正樹

仮面ライダー風だねぇ。もう1回行こうか。行けっ!

 (蹴る音)


大村正樹

エイタ君がもしカーブボールを蹴れたら、みなさん拍手をお願いします。いいよ、もう1回行ってごらん。

会場:フフフ。


大村正樹

エイタ君、助走しよう。走ってタッタッタッタッ、ポンって。行こう!

 (蹴る音)


大村正樹

おぉ〜〜!

会場:(拍手)


大村正樹

ちょっと先生、まだ3歳だから。しかし、いいキックでしたね。

そうそう。フォワードスイングの勢いはありましたね。


大村正樹

よかった。エイタ君、サッカー選手になれるよ。よかった!今日はおねえちゃんと来たの?

 うん。


大村正樹

そう、わかった。ありがとう! エイタ君でした。

会場:(拍手)


大村正樹

ワクイエイタ君、ありがとう!

会場:(拍手)


大村正樹

最後に、集まってくれたキッズたちにスポーツの喜びとかスポーツの科学に関してひと言ありますか?

そうですね。スポーツは、自分の可能性を非常に広げてくれます。生活の中はわからないけれど、スポーツは1回成功してれば99回失敗でもいいですよね。1勝99敗でも全然問題ない。1つ面白いことがあったらそれで楽しめるので、ぜひ生活の中にスポーツを取り入れて欲しいなと思います。


大村正樹

はい、わかりましたか?じゃあ、時間になりました。最後、浅井先生を拍手でお送りしましょう。それから「ありがとうございました!」もいってみようか。大村さんが声をかけますので、まず「ありがとうございました」からいこうか。それでは、今週のサイコーは筑波大学の浅井武先生でした。ありがとうございました。

 ありがとうございました〜!


どうもありがとうございました。


 (拍手)


大村正樹

あっ、女の子がいる。どうだったですか、お名前は?

 え〜と、フルヤハルカです。


大村正樹

ハルカちゃん、何先生ですか?

 6年生です。


大村正樹

サッカーやっているの?

 サッカークラブでやっています。


大村正樹

今日はどうですか?

 今日はすごいためになったと思うので、クラブでもたくさん使ってみたいと思います。


大村正樹

そうですか。いや、うれしいなぁ!みなさんもどうだったでしょうか? 公開録音はこれでおしまいでございます。楽しかったですか?みんな、楽しかった?楽しかった人は拍手。

 (拍手)


大村正樹

ありがとう、ありがとう、ありがとう!喜んでもらったみたいですねぇ。大人の方、楽しかったら拍手。

会場:(拍手)


大村正樹

はい、ありがとうございます。また来年もこうやって公開収録ができるといいなと思っています。それでは、また来週からは通常放送に戻ります。来週も夕方5時半に会いましょう。今日も会場のみんなと「さよなら」です。それじゃ、みんなバイバ〜イ!

 バイバ〜イ!!