今週も、女優の波乃久理子さんにお話を伺いました。

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クボジュンさん「お父様は波乃さんに365日中、364日は優しくて褒められて育ったと先週おっしゃっていましたよね。」

波乃さん「世の中に出たら褒められない娘だって分かっていたんじゃないですか(笑) あんだけ愛情かけられて育てられたから、嫉妬とか無いんですよね。 父は弟には本当に厳しかったです。よく曲がらなかったなぁと思いますよ。父に直接聞きませんでしたけど、やはり"勘三郎"の名を継がせるには厳しくしないとなんでしょう。」

クボジュンさん「女優さんとしての波乃さんのお姿をお父様もご覧になりに来ていたんですか?」

波乃さん「もう来ない日ないですよ!その当時、演舞場と歌舞伎座でしょ?自分の芝居が終わったら顔も落とさないで私の舞台を見に来る。良いときは外に出て拍手しちゃうの。恥ずかしくて涙が出ちゃう~!」

クボジュンさん「えっ、でも嬉しい気持ちは?」

波乃さん「いえいえ、自分が悪いって分かってますもの。みんなの前で「こんなに良い女優いないだろう?」って。父の前だもの、褒めないわけにいかないじゃないですか。みんな苦笑ですよ。」

クボジュンさん「反対にお母様は?」

波乃さん「それはもう厳しかったですよ。芝居に対して鬼でしたね。「お金がないのは恥ずかしくないけど、芸がないのは恥ずかしい」って泣くんですよ。本当に怖かった。」

クボジュンさん「具体的にこうしろというお母様からのアドバイスもあるんですか?」

波乃さん「もちろんもちろん!舞台稽古も来ますし、筆記してね。弟も、母に見せるために生きてきたって言ってましたもん。」

クボジュンさん「うわーっ!」

波乃さん「今でも覚えてますよ。早ごしらえの途中の2~3分の時に舞台裏に来てね、泣きながら怒ってましたもん。「切符代とお弁当をつけてお返しする!あんたの借金にするわよ!」って。」

クボジュンさん「はぁ~、だからこそその厳しさがきっと生きているんですね。」

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歌舞伎や舞台を見る見方が変わるようなお話、たくさん伺いました。波乃さんありがとうございました!

【本日の1曲目】 しなやかに歌って /山口百恵
【波乃久里子さん 選曲】 嘘は罪 /パット・ブーン 

今回は「父はチャップリンを尊敬してましてね、アメリカンナイズだったんです。それで、私にもバレエやピアノを習わせてくれました。この曲も昔は弾けていたんですよ。今は全然ですけど(笑)」と、波乃さんがお気に入りの一曲を選曲してくださいました。

【久保純子 My Sweet Home】 2016年9月25日 16:56