3月25日に行われた第516回文化放送番組審議会についてご報告いたします。
議題は、毎週土曜日の深夜、日曜の朝4時から5時に放送している「恋せよ!オトナ オトナ世代応援ラジオ」です。50歳以上の人口が5割を超えたと言われる日本。そんな50代・60代以降の「オトナ世代」に向けて、エールと日常生活のヒントや潤いを届け、前向きに元気になってもらおうと数々の著書等でメッセージを送る、精神科医の和田秀樹さんがパーソナリティを務める番組です。今回は1月25日(土)の放送回を取り上げました。
審議委員の意見の概要
マスコミへの登場機会の多い和田秀樹さんの番組ということで、興味深く聴きました。私は少し上の世代ですが、「オトナ世代」へ向けた番組内容に該当する点も多く、応援されたという気持ちになりました。ただ、「オトナ世代」を対象とし主題にすることはいいのですが、「オトナ」らしい視点があまり発揮されていないようにも感じました。この番組でしか味わえない空気、といったものが必要でしょう。よりよい番組にするための、これからの課題だと思います。
気になったのが番組のタイトルです。「オトナ世代」のカタカナで書かれた「オトナ」というのを明確に番組のテーマとして前に押しているようですが、十分大人の人たちになぜ「オトナ」と呼ぶのかがよくわかりませんでした。他の番組でもよく思うのですが、タイトルはそのコンテンツに直結するものなので、タイトル選びの際にはもう少しよく考えた方がいいのではないでしょうか。
和田さんと水谷アナウンサーの声の違いがいいバランスで、適度にやり取りがあって、聴き取りやすさがありました。曲をフルコーラスで聴けるのも新たな発見があり、面白く感じました。一番面白かったのは「クリニック通信」のコーナーで、少しぐらい和田さんの尖った考えを言う、そしてさらりと医療の話をされるのはいいのではないかと思います。ここにもっと時間を割いた方が番組の特徴が出るのではないかと感じました。
今年、5人に1人が75歳以上の後期高齢者になる中で、最近の文化放送はそこに向けて舵を切り、真剣に人口問題に対応する番組制作や編成を考えていることに対して、エールを送りたいと思います。あと和田さんの語尾に「さ」を付ける言葉遣いは、多すぎると耳障りだと感じる人もいるので、少し改めると聴きやすくなると思います。
和田さんは多芸多才の人でどんな話題を投げても打ち返してくる。従って番組の内容も非常に多岐にわたり飽きません。また、1時間の中で音楽を4曲入れるのもバランスが良く、そしてフルコーラスでかけるのが嬉しかった。
文化放送番組審議委員は、委員長・弘兼憲史氏、副委員長・加藤タキ氏、そして松永真理氏、荒川洋治氏、福本容子氏の5名です。
2025年4月21日
文化放送番組審議会事務局