中国で6中総会が開幕。日本は中国とどう向きあえば良いのか? ~講談社・特別編集委員の近藤大介氏と言論NPO代表の工藤泰志氏が解説

中国で6中総会が開幕。日本は中国とどう向きあえば良いのか? ~講談社・特別編集委員の近藤大介氏と言論NPO代表の工藤泰志氏が解説

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中国共産党の第19期中央委員会第6回総会(略して6中総会)が8日、北京で始まった。結党100年を迎えた共産党の歴史を総括する歴史決議案が審議され、最終日の11日に採択される見通しだ。過去にこの「歴史決議」を主導した指導者は、建国の父・毛沢東(1945年)と改革開放路線を推進した鄧小平(1981年)の2人だけ。長期政権を睨む国家主席、習近平総書記の権威を更に高める布石になると見られる。

15時台のコーナーでは中国問題のスペシャリストで現代ビジネスや週刊現代ほかでおなじみの講談社・特別編集委員、近藤大介氏が生出演し「6中総会とは何か?」「歴史決議を主導する習近平総書記の狙いは?」について解説してくれた。

6中総会とは?
中国共産党は言うまでもなく中国全体を支配している1党独裁体制の政党だが、5年に一度、最高意思決定機関としての党大会を開いている。これは西暦の末尾が2の年と7の年に開かれるようになっており、次の党大会は来年2022年の秋に20回目が開かれる予定だ。
党大会と党大会の間の5年間に7回ほど、全体会議と呼ばれる幹部たちだけによる重要会議が開かれ、党トップの重要方針や人事案を了承する。今開かれているのが6回目の会議ということで『中央委員会第6回全体会議』と呼ばれるというわけだ。4日間開かれるこの会議に出席するのは、9514万人の共産党の中から選ばれた204人の中央委員と172人の補欠委員、さらに軍の幹部や地方組織のトップらエリート中のエリート達である。

歴史決議案とは何か?
全体会議では事前に話し合うテーマを決めるのだが、6中総会のテーマは習近平総書記が「歴史」にしようと決め、彼自身が草稿を作った。その題名が『中国共産党中央委員会の党の100年奮闘の重要な成就と歴史経験に関する決議』。これを略して『歴史決議』と言っている。
この内容は大きく2つある。1つは今年7月1日に結党100周年を迎えた中国共産党が、この100年間、いかに中国共産党が国内で正しいことを行ってきたか、そしてその結果、中国国民がどれだけ幸せになったのかということを振り返ること。
そして2つめは、第1の100年から次の第2の100年を引き継いだ習近平の指導は正しいということ。つまり、第1の100年は毛沢東氏が始めて発展させ、それを引き継いだ第2の100年は習近平総書記が率いていくということを改めて確認するという作業。

「歴史決議に関して習近平は毛沢東、鄧小平に続く3番目」と日本のメディアは紹介しているが、これは誤り。なぜなら習近平は毛沢東時代の1945年4月20日に採択された『中国共産党の若干の歴史問題に関する決議』を模倣してやっているから。一方、鄧小平がやったことは、文化大革命が10年続いて中国国内が大混乱した際に、これを改めて経済発展を優先させようとした。習近平がやっているのは鄧小平的なものではなく毛沢東的なもの。毛沢東路線の肯定と毛に逆らった人を否定していくという方向になると思う。

では、この歴史決議を行うことで、習近平体制は盤石になるのか?

盤石にしようとしているのだと思う。習近平にとって「歴史決議」が最終的な目標ではない。最終目標は、来年秋に行われる20回目の共産党大会で「党主席」のポストを獲ることだと思う。毛沢東は、歴史決議の3日後に主席のポストに就き、死ぬまでこのポストを手放さなかった。この主席というポストが中国をダメにしたのだということで、1982年に鄧小平が主席ポストを廃止したのだが、このポストを復活させて毛沢東以来の共産党主席になろうとしているのが習近平。主席になれば、毛沢東氏のように死ぬまでトップにいられるからだ。

これからの日中関係はどう向き合えばいいのか?
中国を2面的に見る必要があると思う。中国は「社会主義市場経済」という体制。
「社会主義」という面では習近平総書記がこれまで述べたようなことを必死にやっている。一方、「市場経済」の面では、例えば今週、阿里巴巴集団(アリババ)などのネット通販会社が行っている『独身の日(W11)』という爆買いのイベントやAIを使った新たなビジネスの展開がある。「社会主義」と「市場経済」この両面を見ていかねかればいけないと思う。

16時台は、世界の主なシンクタンクや知識層と連携し、民主主義や将来の課題に立ち向かう「言論の舞台」を提供してきた非営利シンクタンク・言論NPO代表の工藤泰志氏がリモートで出演し、日本の対中政策について次のように分析した。

習近平総書記は先日の岸田総理との電話会談でもあったように、日本との間に新時代を作りたいと言っている。それに対して日本がどう答えるかだが、日本政府はこの問題に関してきちっとした議論をまだ行っていない。台湾を含めた安全保障上の問題だけは議論されているが日中関係をどうするのかという議論はない。人権担当補佐官に中谷元氏を起用したことは、彼が新疆ウイグル自治区について強く発言していたことから考えると、中国側への強いメッセージだと思う。その一方、日中議員連盟会長の林芳正氏を外務大臣に起用するということでバランスを取っている。言いたいことはきちっと言うが、協力できるところは模索していこうという路線を日本が敷いているのだと思う。

隣国、中国について、我々は冷静な分析と的確な対応が求められる。岸田新政権の対中政策についても注目してゆきたい。

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