2022年の日本と世界の経済はどのように推移する? 気鋭の経済評論家、加谷珪一氏が今年の経済を予測!!

2022年の日本と世界の経済はどのように推移する? 気鋭の経済評論家、加谷珪一氏が今年の経済を予測!!

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今年初めの証券取引(大発会)を迎えた4日の東京株式市場の日経平均株価の終値は、
去年末に比べ510円8銭高の2万9301円79銭だった。大発会で値上がりするのは4年ぶりのことだ。

また年明け今日の東京外国為替市場の円相場は、ドルに対して値下がりし、一時1ドル=115円台後半で取引され、2017年1月以来、およそ5年ぶりの円安ドル高水準となった。
新型コロナウイルスの収束の見通しのつかない中、世界的な物価高やガソリン価格の上昇などで日本の景気の先行きは不透明な状態が続いている。SAKIDORIでもおなじみの経済評論家、加谷珪一氏がスタジオ出演し、コメンテーターの小西克哉氏、斉藤キャスターらとともに今年の経済を占った。

今年の日本経済の見通しについて加谷氏は、前半はコロナからの回復期待が大きく、それなりの成長が見込めるとした上で、「日本は諸外国と比べると相当出遅れているため、その差がどれくらい縮まるのかが最大の関心事だ」と述べた。

またGDP(国内総生産)の上昇率が実質で3.2%とする見通しを先月23日の臨時閣議で了承したことについて加谷氏は「3.2%という数字はかなり高い数字だ。実はこれにはからくりがあって、去年7~9月期のGDPがものすごく落ち込み、主要国では日本だけがマイナスだった。それからすると10~12月期の数字もよくないと思われる。つまり落ち込んだ分の反動で3.2%という数字はよく見えるが、ようやくゼロベースの戻りつつあるくらいに考えておいた方がいい」と辛口のコメントを述べた。

岸田総理が「賃上げなど、人への投資を強化して分厚い中間層を復活させたい」と述べたことについて加谷氏は、賃金に目を向けたことは評価できるとしながらも「賃金を上げることは簡単なことではない。これまで岸田政権が表明してきた『賃上げ税制』レベルの政策では実現は難しいと思うのが率直な感想だ。一度賃金を上げると下げられないため、企業としては慎重にならざるを得ない。つまりその慎重さを超えるだけのインセンティブがないと実現には結びつかないと思う。最終的には企業が儲からなければ賃上げは出来ないので、どうやって企業が儲けられるような体制を作っていくかがカギとなる。同時に、儲けるための仕掛けを考えるために、企業のトップにも頑張ってもらわないといけない」と述べた。

今後の新型コロナウイルスの感染状況と日本経済の動向については、もちろん第6波は警戒しなければならないとしながらも「世界的にはそろそろコロナは収束するのではないかという期待感が、かなり出ている。今の感染状況を警戒しつつも、企業は先行投資が必要なので、収束後はどうするのかということに目を向けていかなければいけないフェーズに入っていると思う」と解説した。

また膨大な感染者数を出しながらも経済優先政策にシフトしている諸外国については「ワクチン接種を行ったので、これ以上手を打つことはないというスタンス。なので、感染者は増えているが医療崩壊さえしなければ経済を回していこうという考えの国が多いと思う。日本に比べ医療体制が分厚いこともあり、まだ余裕があると思われる」と解説した。

ここで火曜コメンテーターの国際ジャーナリスト小西克哉氏から、今年の日本株の動きの予測について質問が飛ぶと加谷氏は、オミクロン株の動向次第だとした上で「コロナ後の景気回復期待があるので、基本的には経済は伸びていくはず。よって株も期待できるというのが基本的な観測だ。ただ日本では経済構造が『輸出主導型』から『国内消費型』に変わっているのに、社会全体が追いついていないのが現状。昔のように円安になったからといって株が上がる状況ではない。つまりプラス成長で株は上がりそうだが、諸外国と比較するとパフォーマンスは低いと考える。最近は外国人投資家が日本株をスルーして中国や東南アジアなど成長が著しい国に投資している。このため国内投資家が株を買わないと、なかなか株が上がらない」と日本の現状について分析した。

続いて小西氏が「円安は今後も続くか?」という質問をした。これに対し加谷氏は「昔の円安は単純にドルとの相対的な価値の違いで決まっていたが、最近の円安は、日本の国力低下に伴う『日本売り』、つまり通貨の売却が行われているためだという見方が出てきている。もしそうだとすると、この傾向は長く続く可能性があり、断定は出来ないが、円高に戻ることはないかもしれない。相場関係者は1ドル=115円から120円になるだろうと言っている」という予測を述べた。

これを受けて小西氏が「今の日本はコストインフレ(原材料費などの急激な上昇により引き起こされる物価上昇現象)だが、これはますます拍車がかかるということか?」と質問。これに加谷氏は「日本はエネルギーに始まり食品や日用品に至るまで輸入に頼っているので、円安が続くとますます物価が上がってしまい、その場合、賃金が上がらないと消費が冷え込んでしまう。内需経済を活発にして購買力を増やしていかないと、今の円安には対応できない。おそらく岸田政権はそこを考えて賃上げを言っているのだと思う」と述べた。

続けて小西氏が「例えば牛丼のように様々なものが、コスト高で価格が上がっているにもかかわらず、日本はデフレで給料は上がらない。このまま日本はインフレにはならないのか?」と質問。これに対し加谷氏は「日本の場合、消費者の購買力が弱かったせいで、仕入れの物価が上がっても企業は頑張って価格を上げなかった。企業物価指数(原材料など企業間で売買される物品の価格変動を示す指標。従来の卸売物価指数)を見ると、10%くらい上がっている。ここまでくると企業は耐えられない。つまり今年は夏前から値上げラッシュになるのではないかと見ている」と述べた。

加谷氏がこのように指摘した翌日の1月5日。東京をはじめ全国で新型コロナウイルスの感染者が激増し、第6波の襲来が現実のものとなってしまった。しかし、そのような中でも、コロナ収束後にどのような経済構造を構築するのか、どのような日本社会を作るのか、足元を見ながらも常に先を見据える力を今養うべき時なのかもしれない。今年も「経済」から目が離せない。

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