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diary

2007年10月22日 当たり前の秋

百貨店は、すでにお歳暮・おせち商戦に突入したという。街中では赤い幟に「年賀状」という文字が目につくようになった。京都では金木犀の香り漂う中、第68回菊花賞もすんだ。
皐月賞は「最も速い馬が勝ち」東京優駿(日本ダービー)が「最も運がある馬が勝ち」、そして菊花賞は3000メートルという距離から「最も強い馬が勝つ」といわれる。今年の菊花賞は、ダービー2着馬「アサクサキングス」が栄冠に輝いた。好きな街・浅草が入っている名の馬が勝ち、何だか嬉しい。
日本シリーズは、27日から日本ハムと中日という去年と同じカードで行われる。いよいよ秋本番、2007年のまとめに入った感がある。

土曜日、久しぶりに浅川を散策した。途中の山越えでは、この秋初めて白い息が出た。口からの白い息は気温10度以下、鼻からになると6度以下の証拠。前日の雨で、確かに山道はヒンヤリしていた。
そしてもう一つ、山の中では実る秋の音も耳にした。その音は・・・「コツン」、「カサッ」、「パサッ」。「サワサワ~」のあとに忙しく聞こえてくる。ドングリの落下音だ。ドングリの形も色々あって、日本には約20種あるという。裏山には球形のクヌギや、長楕円形のミズナラ・コナラのドングリをよく目にする。その数たるや星の数ほど。秋の結実とその実が木から離れ、大地と触れる音を聴き感動した。「これからどの位の芽が出て、成木となっていくのだろう・・・」そんなことを考えながら川原に出た。

この季節、様々な色彩が私を楽しませてくれる。浅川の土手には黄色の花をつけたセイタカアワダチソウが群れをなし、浅瀬には白鷺が10羽ほどいた。その洗練された形状や佇まいに思わず見とれる。夏とは違う深い青さを見せ始めた水面。さらに水とは異なる青みを増した空。その空で真っ白な飛行機雲があっという間に箒で掃かれたように拡散していくシーンは、何とも神秘的。
土手には、さらにもう一つ生成り色のススキの穂が風に揺れていた。鏡はなかったけれど、私の表情はきっと優しかったに違いない。
仕事や時間に追われ、ぎすぎすした気持ちになりがちな毎日。ついつい自分本位に偏ってしまう。そんな心を癒し、さりげなく穏やかにしてくれるものはなかなかない。自然に改めて感謝。

人として、当たり前のことが出来にくくなってきた昨今、当たり前にみえる自然を当たり前のまま次の世代に残していかなければならないと強く感じる。

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当たり前の秋

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当たり前の秋

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当たり前の秋・・いつまでも