浜美枝のいつかあなたと

毎週日曜日
 9時30分~10時00分
Mr Naomasa Terashima Today Picture Diary

寺島尚正 今日の絵日記

2018年8月13日 余りにも涼やかな

今年も我が家で白い百合が咲いた。
八王子に越して来て20年。
初めは庭にたった一本だった百合が
今は家を囲むように14本。
晩秋に、茶色く乾燥した茎先の穂から
小さな種が風に舞う。
風に乗った分身が着地し、春にひっそりと芽を出し
緑の背の高い茎がのびる。
そして、8月に、白くて細い金管楽器の様な花を開く。
百合には幾つも種類があり
去年まではタカサゴ百合だと考えていた。
そかし、どうも、テッポウユリの様だ。
テッポウユリとタカサゴユリ、何が違うのか。
見分ける箇所は、花びらに筋が入っているかいないか。
入っていれば「タカサゴユリ」、入っていなければ「テッポウユリ」。
まずはその箇所が見分けるポイントのよう。
ただし、例外もある。ウーム、紛らわしい。
ユリが注目される理由は、この花が可憐であることもあるが、
他に比較対照となったタカサゴユリが
外来植物であることもその存在を知らしめている原因。
タカサゴユリは1923年あたりに日本へ輸入され、
高速道路の法面などでよく見かけられる。
在来種のユリと競合、あるいは交雑し、日本固有のユリが減る恐れが。
しかも、花が綺麗であるために、なかなか駆除されないという。
帰化してしまう外来植物の多さに驚くばかりである。
ひと月遅れのお盆。
余りにも涼やかな白いユリを見ていると、
先祖の霊へ、現世の我々には聞こえない
導きの調べを奏でているのだ、そんな気がした。
余りにも涼やかな
余りにも涼やかな
盆の空
盆の空

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