浜美枝のいつかあなたと

毎週日曜日
 9時30分~10時00分
Mr Naomasa Terashima Today Picture Diary

寺島尚正 今日の絵日記

2018年9月3日 自然の恵み

気がつけば、秋刀魚の水揚げが好調となっていて驚いている。
外食チェーンの中には秋刀魚定食の値下げを検討する動きが出ているという。
秋刀魚といえば、ここ数年不漁にあえぎ、
去年の漁獲量は実に半世紀ぶりの水準に低迷した。
秋刀魚の不漁が続いているのはどうしてなのか。
専門家は様々な理由があるといった。
まず、水温など海の環境が変化したため稚魚の生育が悪く、
資源量が減少したと見られること。
次に秋刀魚の漁場が沖合に移動した。
沿岸を中心に漁獲してきた日本の漁船が
取りに行きづらくなった。
さらに、中国や台湾などがここ数年北海道や三陸沖の"公海"に
巨大な漁船を出して大量に漁獲していること。
秋刀魚は夏から秋にかけて三陸沖の公海海域を通って
日本の沿岸に近づいてくる。
日本からすると先取りされている格好だ。
なぜ、日本の漁師は公海に漁に行かないのか。
それは日本の漁業者は規模が小さいところが多いから。
漁船自体が小さい上、公海まで行くと重油などの燃料費が
負担になり、本格的に乗り出すのが難しいのが現状だ。
そして、今年は・・・。
7月10日、今シーズントップをきって
北海道釧路港に秋刀魚が水揚げされた。
水揚げ量は合わせて700キロと去年のおよそ3分の1。
水揚げが少ない分、価格は高騰し、
これまでで最も高値となった。
今年も高いのか・・・と思いきや、
一転して、北海道根室市では今シーズン、秋刀魚の水揚げが好調となった。
地元の鮮魚店では、小ぶりのものを無料で提供するところも出ていると聞く。
秋刀魚の水揚げが好調な理由について
専門家は、8月下旬に北海道付近を通過した低気圧の影響で、
北海道周辺の海水温が低くなり、
秋刀魚が北海道東沖に来やすい状況なのではないか、と分析している。
今後の見通しについては、気象条件によって変わることもあるが、
水温が低い状態が続けば、サンマの漁場が増えることもとしている。
海水をかき混ぜると言えば
非常に強い台風21号は、日本の南の海上を北北西へ進んでいる。
4日火曜日には勢力を維持したまま西日本から東海にかなり接近
上陸するおそれがある。
4日は西日本や東日本の太平洋側で急激に風が強まり、
猛烈な風が吹いて海は猛烈なしけとなる見込み。
さらに5日水曜日には、北日本でも大荒れとなる見込みだ。
台風の海水をかき回す役割は有り難いが
地上を風雨でずたずたにすることを、私たちは望まない。
準備や行動できることは極力して
あとは被害が最小であることを祈るばかりだ。
ゲーテは自然をこう記した。
「私たちは自然の中で生活しながら、しかも自然を知らない。
自然は絶え間なく私たちと話していて、
しかも私たちにその秘密をあかさない。
私たちはたえず自然にはたらきかけるが、自然をどうする力もない。」

自然は今も昔も変わらない。
自然の恵み
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