浜美枝のいつかあなたと

毎週日曜日
 9時30分~10時00分
Mr Naomasa Terashima Today Picture Diary

寺島尚正 今日の絵日記

2018年11月26日 佇む

1年ぶりに河口湖に行った。
夕方湖畔に到着した。
ススキが夕陽の淡い光を受け
穂の部分が清らかに輝いている。
「きれいだなあ・・」
湖面から吹く冷たい風も気にならない。
暫く見とれていた。
風で穂が揺れる。
「シャワシャワ」
スパークリングワインをグラスに注ぐ時
細かい泡がたてる音と同じだ。
八王子でも見かける「ススキ」
ススキは秋を象徴する植物としてよく登場する。
十五夜の飾り、花鳥画や、蒔絵などの秋草紋様、
演歌の世界にも登場する。
改めてどんな植物なのだろう・・。
調べてみると
ススキは芒、薄、と書く。
尾花ともいい秋の七草の一つ。
茅(萱)と呼ばれる有用植物の主要な一種。
平地からやや高い山までの、
高原、草原、道端、空き地に広く見られる植物。
日当たりのよい場所に群生して、さまざまな植物が生える礎となる。
多数の茎が群がって大きな株となり、頑丈な根を多数周囲に伸ばす。
穂は長さ15cm強。穂の銀色に光る毛は芒(のぎ)と呼ばれる部分。
これが風に乗ってタネが飛んでいく。
冬は地上部が枯れる。
かつては屋根をふく材料としても重要であり、
そのため、人里近くには必ず萱場(かやば)と呼ばれる
ススキを採集するための場所があった。
今ではススキで屋根をふくことがほとんどなくなった。
葉の縁は鋭く、触ったまま手を動かすと皮膚を切ってしまう。
また、花粉症のアレルゲン植物の一つなので、イネ科植物のアレルギーをもち、
秋に症状が出る人は栽培を避ける。
植物遷移から見れば、ススキ草原は草原としてはほぼ最後の段階に当たる。
ススキは株が大きくなるには時間がかかるので、
初期の草原では姿が見られないが、次第に背が高くなり、
全体を覆うようになる。ススキ草原を放置すれば、アカマツなどの先駆者的な樹木が侵入して、
次第に森林へと変化していく。
萱場の場合、草刈りや火入れを定期的に行うことで、
ススキ草原の状態を維持していたものである。
風情というより、住むために必要だったのだ。
現代は、というと
花粉症のアレルゲン植物の一つなので、
イネ科植物のアレルギーをもち、秋に症状が出る人は栽培を避けるとある。
時代と共に、ヒトも変遷しているのだろうか。
水鳥が飛び立った。
佇む
佇む
時が止まる
時が止まる
晩秋の日
晩秋の日

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