浜美枝のいつかあなたと

毎週日曜日
 9時30分~10時00分
Mr Naomasa Terashima Today Picture Diary

寺島尚正 今日の絵日記

2019年3月4日 本陣宿泊

東日本大震災から8年。
今年も宮城県気仙沼市を中心に岩手県陸前高田、大船渡など
取材してきた。
東北新幹線一ノ関から大船渡線に乗り換え1時間20分
勾配のきつい所では車両床下のディーゼルエンジンが唸りを上げて進む。
車外に目をやれば、所々雪が残っている。
毎年この時期にお邪魔して9回目。
午後6時前、気仙沼に着き、
お世話になっている宿「大鍋屋」についてびっくり!
この1年で増築し、大提灯が下がる立派な玄関が出来ていた。
8年前は、津波の傷跡に言葉が出なかった。
今はかさ上げも大分進み、
仮設で作った復興屋台村の代わる商店街が、
これまた去年は出来ていなかったコンクリート2階建てが
優しい白熱球の色を纏いながら迎えてくれている。
地元で商売をしている男性に話を聞いた。
「ハード面は、8年という月日の中で着々と出来ています。
1年前には無かったものが結構できているでしょう?
自動車専用道路も相次いで開通していますよ。」
関係者の話通り
東日本大震災の津波で大きな被害を受けた釜石市と内陸を結ぶ
自動車専用道路が3日、11キロの区間で開通した。
震災から8年を前に被災地では道路が相次いで開通し、
物流や企業の動きが活発になり、復興への後押しにつながりそうだ。
東日本大震災の復興支援道路として整備が進む「釜石自動車道」は
岩手県釜石市と花巻市を結ぶ総延長およそ80キロの自動車専用道路。
このうち、遠野インターチェンジと遠野住田インターチェンジの
11キロの区間が開通。
今回の開通で、復興が進む沿岸の被災地と工業が盛んな内陸部が
1本の自動車専用道路で結ばれることになり、
花巻市と釜石市の間の所要時間は1時間25分となり11分短縮。
また、最後に残る釜石市内の6キロの区間も今月9日に開通し、
沿岸部を南北に通る「三陸沿岸道路」とも結ばれることになる。
道路の開通で利便性が大きく高まることになり、
すでに釜石市の港では去年のコンテナの取り扱いが前の年の2倍に
急増しているほか、沿線では企業が拠点を設ける動きが出始めているという。
道路の開通で、経済の活性化が復興の後押しにつながると期待が高まっている。
関係者は話を続けた
「仮設だった飲食店も落ち着いて、観光客もいらっしゃいます。
ただ・・。
気がかりなのが、人の戻りです。
被災して外に出た人や、気仙沼は大学がありませんから
一旦他に行った若い人たちに、もっと戻ってきて欲しいのです。
そのためには、産業含めさらに魅力を発信していかないと。
復興需要も収束に向かっています。相変わらず踏ん張り時が続きます」
この8年、戻ってきたもの、置き去りにしたものがある。
時の流れは万能ではない。
大島行きフェリー航跡の波が商店街の明かりで細かく煌めいている。
「気仙沼が息をしている」
そう感じた。
本陣宿泊
本陣宿泊
気仙沼の夜
気仙沼の夜
かさ上げ中
かさ上げ中

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