浜美枝のいつかあなたと

毎週日曜日
 9時30分~10時00分
Mr Naomasa Terashima Today Picture Diary

寺島尚正 今日の絵日記

2019年4月15日 カキツバタ?

史上初めて震度7を2度観測した熊本地震から3年がたつ。
熊本県では2016年4月14日夜に発生した「前震」と
16日未明の「本震」で計50人が建物の下敷きになるなどして亡くなった。
改めて、熊本地震から学ぶことを整理しておきたい。
先ず、熊本は「大きな地震が起こらない」と言われてきた場所だった。
そこで震度7が立て続けに2回起きた。
「巨大地震は、日本全国どこでも起き得る」ということだ。
続いて余震の異常な回数
熊本地震の震度1以上の余震は、たった2週間で1000回を超えた。
この余震の多さは今までの地震では経験がなく、
新潟中越地震でも1000回を超えるのに1年かかったそうだ。
本震と余震をボクシングに例えると、必殺のKOパンチを1ラウンドに2回も浴びせられ、12ラウンド分のジ
ャブを1ラウンドでもらった試合と例える人もいる。
加えて、活断層が熊本、県をまたがり長い距離で活動したこと。
今回の地震は、熊本県と大分県の活断層が動いた。
この長さは新潟地震や阪神大震災とは全く異なる活断層の連続した活動だった。
その結果、2度の本震と短期間に集中的に発生した余震で、
最初の本震で耐えられた建物も壊れる。
余震があまりに多すぎて、避難所やグラウンド、車の中で寝泊まりしたひとが多かった。
車中泊を選んだ理由は、家が損壊したからということだけではなくて、
揺れに対する恐怖心もあった。揺れを恐れて、天井がある所で寝るのが怖くて、建物自体に入れなくなった人が
少なくなかった。
また、いったんは避難所に入っても、
やはり精神的に怖いという方もいたし、小さな子供がいて、
夜泣きをしたり、ぐずったりして他の人に迷惑をかけるのではないかと
気兼ねしたり、認知症の親が昼夜かかわらず、
ずっと動いて他の人たちに迷惑をかけてしまうということで、
避難所で過ごすことをあきらめて車中泊を選ぶ方々もいたという。
しかし、狭い車中で過ごすと、エコノミークラス症候群などの心配がある。
避難生活などに伴う「震災関連死」は熊本県215人、大分県3人で、
犠牲者は16年6月の豪雨災害で亡くなった5人と合わせ273人に上る。
熊本、大分両県で20万棟以上の住宅が損壊し、避難者は一時19万人を超えた。仮住まいで生活する人は今年3月
末時点でまだ1万6519人いる。
住まい再建の取り組みが何よりも急がれている。
仮設住宅で誰にもみとられず死亡したとみられる「孤独死」は28人に上る。
阪神大震災や東日本大震災でも多発した孤独死を今回も防げていないという
現実をしっかりと見て、見守りや支援の在り方を考えなければならない。
被災経験を踏まえ、私達も想定外の災害に備えなければならない。
熊本地震でもいっぱいになった避難所があったが、
首都直下地震が起こった際には、首都圏ではマンションで暮らしている人も多くいて、その人口の多さからも絶
対的に避難所に入りきらないということが言われている。
特に高層階の人は、精神的な不安から自室にいられないという方もいるはず。
そういった方々をどうするかという問題が出てくる。
首都直下地震の起きる確率は30年で7今一度、1人1人が備えをチェックする機会として活用したい。
カキツバタ?
カキツバタ?

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