浜美枝のいつかあなたと

毎週日曜日
 10時30分〜11時00分
Mr Naomasa Terashima Today Picture Diary

寺島尚正 今日の絵日記

2020年1月13日 助っ人

1月10日金曜日の夜、「2度とゴメンな体験」を
30年ぶりに味わってしまった。
年末年始、部屋の整理が出来ずにいた。
次の仕事までの3時間を利用し、
夕方から片付けを始めたのである。
今回は「いつか使うだろうという品を思い切って捨てる」こと。
この作業には「踏ん切り」に時間がかかる。
高さ30センチの折り畳み椅子に腰かけ、
猫背になりながら選り分けた。
「自分の右に残すもの、左は捨てるもの」
左右に体を捻る行為で腰痛防止も考慮した。
「漸く部屋がさっぱりしたな」
そう感じるまでに2時間が経っていた。
室内着が埃で白くなっている。
「風呂に入り、さっぱりしてから仕事に行こう」
風呂場に向かってゆっくり立ち上がった際、
腰に鈍い痛み。
「魔女の一撃?いや30年前に味わった腰の痛みよりは軽い」
あの時は腰から「ボコ!」と音がした感覚で動けなくなった。
今回は、鈍痛はあるがまだ動ける。
病院はもうやっていない時間。
仕事もあるので鍼灸院に行く時間も厳しい。
先ずは、風呂に入って考えよう。
風呂で腰を動かし、痛みを堪えて左右に捻った。
固まった筋肉をゆっくりほぐす。
風呂から出るなりパソコンに向かった。
キーボードで「ギックリ腰」と打つ。
『ぎっくり腰は、若い人も運動習慣のある人もなる可能性があります。』
そもそもぎっくり腰とはどんなものか?
『ぎっくり腰の正式名称は「急性腰痛症」。
欧米では「魔女の一撃」と呼ばれており、
突然想像もしない激痛がやってくることを
「魔女がやってきた」と比喩するようになったことが由来。
そう例えられるほどの激痛は、
重度になるとその場で立てなくなったり
寝返りができなくなったりするレベルです』
原因は?
『骨のゆがみ・腰の筋肉の脆弱化・過度なスポーツによる筋肉負荷など
多岐にわたります。
腰に異常なストレスがかかっているときに発症。
つまり運動を十分にしていても、
腰に負担が蓄積されるとぎっくり腰になる可能性があります。』
どれくらいで治るのか?
『個人差はありますが、
痛くて日常生活がままならない期間はだいたい3日。
その後は痛いけれどもなんとか生活できる日々が続き、
完治するのは発症10日目以降です』
フムフム、肝心なのはここから。
ぎっくり腰になったらまず初めに何をすればいいか?
『早急に近くの治療施設に行くこと。
ぎっくり腰になって、すぐは痛いながらも意外と動けてしまうので、
甘く考えてしまいがち。
しかし、初日にちゃんと処置をしないと、
痛みの原因である炎症物質がどんどん拡大していってしまう。
動ける初日のうちに専門機関に行って治療をうけることが、
あとあとの痛みを抑える最善策です』
それが無理なんだってば。縋る気持ちで続きを見る。
『もしも休日や深夜などの病院が閉まっているときに
ぎっくり腰になってしまった場合は、
ご自宅で絶対安静にして患部を氷のうなどで冷やす。
一般的には腰を痛めてから48時間は
炎症物質が出続けるといわれています。
この炎症物質は冷やすことである程度抑えられるので、
ぎっくり腰の初期段階は患部を冷やすことに徹する。
発症してから48時間を目安に、
強烈な痛みが和らいできたら冷やすことをやめても良いでしょう。』
わ!温めてしまった!
慌てて保冷剤を冷凍庫から出し、腰に当てる。
『なお、痛みのピークは初日ではなく2日目というのが定説。
初日が痛くないからといって、冷やすことをサボらないように。』
ご丁寧にこんな質問も目に留まった。
入浴しても問題はないか?
『炎症物質は冷やすと収まりますが、
温めると逆に広がってしまうという特徴があります。
入浴はぎっくり腰初期段階ではNG。
浴槽につかることはもっての他です。
全身の体温が上がると必然的に腰も温まり、
炎症物質が広がる。
清潔感が気になる人は、さっとシャワーを浴びる程度にすること。
一般的に筋肉の痛みは温めるとやわらぐといいますが、
それはあくまで慢性的な凝りに対して。
「なんだかダルいなぁ」という痛みの緩和には効果的ですが、
ぎっくり腰は凝りではなく急性の炎症なので必ず冷やすことです。』
自分の体にリセットボタンがあれば押したかった。
どういった治療が効果的か?
『痛みを少しでも抑えたいのであれば「RICE(ライス)処置」を。
RICE処置とは、スポーツの現場で起こったけがの損害を
最小限にするために施す応急処置のこと。
それぞれの処置の頭文字をとって「RICE」と呼びます。
R: Rest(安静)
I: Icing(冷却)
C: Compresshion(圧迫)
E: Elevation(挙上)
R・I・Cはこれまでご説明した
「安静」「冷却」「コルセットで圧迫」が相当します。
ここで新しく登場するE: Elevation(挙上)とは、
患部を心臓より高く上げること。
患部を高い位置に持っていくことで、
重力で炎症物質をコントロールする。
ぎっくり腰の場合は足の下に枕や座布団を入れてあげると良いでしょう。』
その日、痛みに耐えながら何とか体も動いた。
ドラッグストアで、痛み止めとコルセットを購入し、
アイシングしながら早めに横になることにした。
久しぶりに7時間半睡眠をとった翌朝、目覚めて驚愕。
体が固まってしまい寝床から起き上がれない。
うつ伏せでも横向きに体を変化させても、
どうやっても「痛み」が邪魔をする。
痛みを感じると力も抜けてしまう。
痛みの恐怖と闘いながら20分かけて寝床から起き、
再びパソコンに。
前日とは別のサイトを見るといきなり質問が。
『自分がぎっくり腰になってしまったとき、
早く治すために「やってはいけない」ことは次のうち、どれか。
1 普段のように動く
2 痛み止めの薬を飲む
3 安静にする
正解は、3安静』
「え?と思われた方も多いかもしれません。
腰が痛いときには「大事をとって安静にする」ほうが
良いイメージがあります。
しかし、いま腰痛の常識は大きく変わっているのです。」
本当ですかあ!?
現在の日本の腰痛治療の指針となるガイドラインにも、
「安静は必ずしも有効な治療法とはいえない」と明記されている。
なぜ、安静にしていると治りが悪くなってしまうのか?
日常生活で歩いたり立ったりするだけでも、
私たちの体は重力に対抗して姿勢を保つために
筋肉を働かせている。
「無重力で生活した宇宙飛行士は筋肉が衰えてしまう」
という話を聞いたことがある方もいると思うが、
それは重力の負荷がなくなるため。
ベッドでじっとしていると同じことが起きて、
腰を支える筋肉が衰えて痛みが起きやすくなる。
また血液の流れが悪くなって
「痛み物質」がとどまりやすくもなる。
さらに近年の研究では、
半年以上にわたって腰痛に悩む人の脳を調べたところ、
痛みの処理に関わる部分の働きが衰え、
通常の人よりも痛みを
「感じやすくなる」ケースがあることもわかっている。
なぜなのか。
ひとつの要因は、痛みに対する「恐怖心」。
「あんな痛みはもう二度とごめんだ」という恐怖心を覚え、
腰を安静に保っておこうという意識が生まれる。
すると痛みが治りにくくなる。
そうしているうちに
「この痛みはずっと続いてしまうのではないか」
と恐怖心が増し、さらに動くことに消極的になる...。
こうした悪循環が続くうちに、
脳が痛みをコントロールする仕組みにまで影響が及んでしまうのではないか?
と考えられている。
現在では、ぎっくり腰になったときには安静にするのではなく、
早めに痛み止めやシップなどで痛みを抑えたうえで、
できる範囲で普段と変わらない生活をするよう心がけることが
推奨されるようになっている。
お願いだ、2度目のリセットボタンを押させてくれ!
勿論、個人差はある。
ぎっくり腰のすぐ後に激しい運動をしたり、
重いものを持ち上げたりすることは症状を悪化させるリスクになるだろう。
安静が必要なケースが全くないわけではない。
ぎっくり腰は命に関わる病気ではないが、
一度なってしまうとしばらく激痛と付き合うことになる。
こまめに骨格を矯正したり筋肉負荷をほぐしたりして予防に努めねば。
「腰」は体(月)の「要」だということを、痛感!。
他人事とは思わずに、日頃から腰を労ってあげて欲しい。
この痛みは、もうごめんだ。
同時にこの「痛み」は日頃忘れている「何か」を教えてくれた。
助っ人
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