浜美枝のいつかあなたと

毎週日曜日
 9時30分~10時00分
Mr Naomasa Terashima Today Picture Diary

寺島尚正 今日の絵日記

2020年7月6日 雨後の立ち姿

東京、5日の新たな新型コロナウイルス感染者は111人確認された。
都内で1日の感染の確認が100人以上となるのは4日連続だ。
西村経済再生担当大臣は「のどの違和感や
味覚・嗅覚の異常を感じる方は早めに相談していただき、
県をまたいでの移動も控えていただきたい」と呼びかけた。
私達は新型コロナウイルス感染拡大に注意を払っているだけで大変なのに、
災害は容赦なく降りかかってくる。
記録的な大雨で川の氾濫や土砂崩れが相次いだ熊本県では、
球磨川など2つの川の11か所で氾濫したほか、人吉市では球磨川の堤防が決壊し、
いずれも広い範囲が水につかった。5日午後4時時点で、これまでに18人が死亡し、
16人が心肺停止、14人が行方不明となっている。
亡くなった方に哀悼の意を表するとともに、被害を受けた方々に心からお見舞い申し上げる。
球磨川の氾濫で被害を受けた熊本県の人吉市や球磨村などについて、
国土地理院が浸水の深さを推定したところ、
最も深いところで8メートルから9メートルほどに達しているとした。
JR人吉駅周辺にも浸水が広がっていて、深さも1メートルから2メートルほどに達しているとみられる。
大雨のため断水の被害も広がっている。熊本県
などによると、人吉市では水道局の施設が浸水していることなどから、断水が発生しているという。
気象庁は、4日午前5時前、熊本県と鹿児島県に大雨特別警報を発表していた。
大雨特別警報は、5段階の警戒レベルのうち、最も高いレベル5にあたる情報で、
最大級の警戒が必要な際出される。
しかし、大雨の特別警報には2つ課題があるといわれる。
1つは重大な災害につながる大雨でも発表されないケースがあることだ。
例えば、39人が犠牲になった平成25年の伊豆大島の土砂災害、
77人が犠牲になった平成26年の広島市の土砂災害では特別警報は発表されていない。
14の府県で200人を超える死者を出した2年前の西日本豪雨でも、
愛媛県では肱川の氾濫など大きな被害が出た7月7日の時点で、
特別警報は発表されていなかった。なぜか。
それは特別警報が府県単位など、ある程度の広がりがある地域で、
大規模な災害の恐れがあるときに発表されるから。
重大な災害につながる大雨でも狭い範囲だと判断された場合は発表されないケースもあるのだ。
もう1つの課題は平成29年の「九州北部豪雨」のようなケース。
気象庁は午後5時50分ごろに福岡県に、午後8時前に大分県に大雨特別警報を発表したが、
実は発表した時点で、すでに各地で川の氾濫や浸水の被害が広がっていた。
特別警報が発表された段階で状況が悪化し、危険な状態に陥っているケースもあるのだ。
特別警報は最も高い「レベル5」。この前に4つの段階がある。
レベル1とレベル2は、数日以内に大雨が予想される段階や大雨の注意報が出される段階。
レベル3は大雨の「警報」が出される。
自治体の「避難準備の情報」もこの段階で出され、「高齢者などの早めの避難」が必要。
レベル4は、土砂災害の危険性が非常に高くなり、「土砂災害警戒情報」が発表される。
各市町村はこうした情報が出た段階で、「避難指示」や「避難勧告」を発表する。
注意が必要なのは「レベル5」、つまり特別警報の発表される段階は、
すでに災害が発生している状況であるとされていること。
つまり、警報などの情報が発表された「レベル3」や「レベル4」の段階から
早めに安全な場所に避難しておくことが身を守る上で最も重要なのだ。
決して他人事と思わず情報から正しく行動に移していきたい。
そんな時、ラジオを傍において欲しい。
きっと役に立つ。立葵や百日紅が花をつけている。本格的な夏もそう遠くない。

雨後の立ち姿
雨後の立ち姿
百日紅が咲いたら
百日紅が咲いたら

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