過去の放送分
過去の放送分 過去の放送分 2007 2月10日 放送分
「プロの自然案内人」(1)
コーチャー/佐々木洋さん(プロナチュラリスト)
大村正樹&佐々木洋
大村正樹
プロナチュラリストって、わかりやすくいうとどんな職業ですか?
  佐々木洋 そうですね。簡単に言えば、プロの自然案内人です。いろいろな所でいろいろな人達にいろいろな方法で自然を案内する、という職業ですね。要は、自然とか今でいえば環境問題に詳しいということです。
  大村正樹
2040年には北極の氷がなくなっちゃうって言われていますが、
さしあたって何をやればいいんですか?
  佐々木洋 そうですね。身近な所で環境の変化をしっかり見るっていうことが大事なんですよ。例えば、この時期、咲いてないはずの花が咲いてる。あるいは、前見たことのないような鳥がいる。とにかく自分の家の周りとか、学校とか、そういう所で環境の変化を、毎年のように毎日のように見ていくということ。これがやっぱりいろんな問題解決につながってくと思いますね。
例えば、お母さんとかお父さんとかおじいちゃんとかおばあちゃんに、「昔こんな花咲いてた?」とか、「昔はこんな虫いた?」なんて聞いてみるといいですよね。そうすると、同じ町に住んでたはずなのに全然違うということもわかると思うんですよ。
大村正樹
暦の上ではもう春なんだよ?知ってた?
今、東京に春はきてるんですか。
  佐々木洋 いや、もう確実にきてますよ。今ちょっと歩いてここのスタジオに入ってきたんですけどね、もう小さな花がぽつぽつ咲いてるんですよ。タンポポだけでなくて、例えば、オオエネノフグリなんて皆さん聞いたことあると思うんですけど、まだ満開ではないけれども、ぽつぽつぽつと春が咲き始めてますね。最近はね、温暖化っていうのがすすんでるじゃないですか。ですから昔よりも、花が咲く時期が早くなってる。これは間違いないですね。別に冬に咲いてるんじゃなくて春の花の一種ですから、チラっと見えたらじゃあ春なんだなって感じるのも大事ですね。
 
カブトムシ
クワガタムシ
大村正樹
植物以外に春を感じる方法はあるんですか。
  佐々木洋 てんとう虫ってみなさんよく知ってると思うんですけど、てんとう虫は大人で越冬してるんですね。山中で。でも寒い時は隠れてるんですよ。ところが、だんだん春が近づいてきて、太陽が照ってたりすると少しお散歩に出てくるんですよ。例えば、木の皮の裏側とかそういう所から出てきて。だから今まで見えなかったのに、いきなり飛んできて服に止まったりとかします。あるいは木の幹をとことこなんて歩いてるのを見て、「ああ、春が近づいたな」なんてことはてんとう虫からわかりますよね。
大村正樹
てんとう虫。えっ、てんとう虫って夏じゃないんですか。
佐々木洋 てんとう虫はね、ほとんど一年中成虫がいるんですよ。真冬でも、お正月でもクリスマスでも成虫でいるんですよね。ほら、隠れてるからわからないけど。
大村正樹
今てんとう虫って、東京都内にいます?
佐々木洋 いっぱいいますよ。このスタジオのある浜松町にもいっぱいいますよ。本当に街路樹をよく見るとくっついてたりとかしますよ。それからあとは例えば、ビルの塀だとか壁だとか、そういう所も日がよく照ってる所にいくとくっついてます。一年中。どんな大都会でもいますね。それで、春になると行動が活発化してくるんです。じっとしていたのが散歩に出るみたいな感じで歩き出すんですよ。だから僕はてんとう虫の散歩を見ると、「あ、春が近いな」とか「春だな」って思うんですよ。
  大村正樹
今年はまだ見てないですか?
  佐々木洋 今年はもういっぱい見ました。今年はちょっと暖かめですよね。全国的に。だからお散歩も早めですよね。冬眠していた虫が出てくるのも、だいたい今頃からですね。
  大村正樹
冬眠する虫って、例えばどんなものがあるんですか。
  佐々木洋 冬眠って言ってもまあ石の下なんかでじっとしてるだけなんですけど。まあ大人で冬眠しているという意味だと思うんですけどね。
その場合でいうと、例えば、チョウチョの一部、トンボの一部、それからカメムシ、てんとう虫、クワガタ、結構多いんですよ。チョチョは幼虫でいるものもあるんですけど、例えば、シジミチョウなんていう小さな仲間だったりとか、それからタテハチョウなんていう羽のまわりがギザギザのタイプのやつとかのほとんどは、大人で越冬してるんですよ。
もう羽がついてるのに、冬を越すんですね。あっ、ちなみに、シジミチョウというのは、シジミの貝みたいな形をしているのでシジミチョウっていうんですよ。
  大村正樹
チョウチョって、
1シーズンだけで死んじゃうんじゃないんですか?
  佐々木洋 何回か1年に産まれて死ぬわけですね。だから冬担当の個体がいるわけなんですよ。まあ、冬は隠れてじっとしているけれども、お天気がいいと飛び回るわけですね。だから、クマのようにじっとしてるというよりも、天気によっては出歩いてるというような。チョウチョも春が近づいて暖かくなると、飛び立つということなんです。
  大村正樹
カブトムシとかはどうやって冬を越すんですか?
  佐々木洋 カブトムシは幼虫ですね。他にカマキリとか一部の昆虫は、卵とか幼虫で越冬しますね。でも、意外と大人でいるのが多くて、真冬に成虫が見られない昆虫の方が種類的には少ないんですよね。クワガタも成虫のまま、冬を越します。
  大村正樹
家で飼うクワガタは、越冬することは可能ですよね。
繁殖しなければ。だけど自然のクワガタも冬を越してるんですか?
  佐々木洋 コクワガタとかオオクワガタとか半分くらいの種類は木のすきまなんかで冬を越してるんですよ。今23区内とか都内の学校で、よく見たら校舎の裏側に冬眠してるチョウチョがいたりとか、するかもわからないんですね。てんとう虫がいるかもわからないってことなんです。だから早春のね、春の始めの虫探しっていうのはすごく面白いですね。ちょっと見つける難易度が高いんですけど。面白いですよ。
ナナホシテントウ
ルーペくん
大村正樹
例えば、ラジオ聞いてるキッズが
どこに行ったらこう春と出会ったりできるんですか?
  佐々木洋 そうですね。まあ基本的には緑があればどこでもいいと思うんですけど、おすすめはね、河川敷。近くに大きな川があったら、まあ水には気をつけてほしいんですけど、そういう河川敷の原っぱみたいな所。鳥がいっぱいいますから、鳥たちのラブラブカップルが見られるかもしれませんね。それから、林があったらちょっと入ってみると、いろんなものが見られるんですよね。もしかしたら、クワガタが越冬していたものが出てきて、まさに今年初クワガタを見ることができるかもしれません。
なんでちゃん
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