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過去の放送分 過去の放送分 2007 4月7日 放送分
「皮膚感覚」
コーチャー/山口創(はじめ)さん(臨床心理学・身体心理学)
大村正樹&山口創(はじめ)
大村正樹
臨床心理学ってなんですか?
  山口創(はじめ) 臨床心理学っていうのは人の心をカウンセリングして治すという医学なんですね。よく心に問題を持ったりストレスを受けたりしますけども、それをカウンセリングしながら発散させていくと。そういうのを研究する学問なんです。
大村正樹
じゃあ先生に怒られて悩んじゃったキッズとかが先生の所に相談にきたりするんですか?
  山口創(はじめ) そうですね。例えば、「学校の先生に怒られました」って、きますね。 よくスクールカウンセラーなんかでもしてますけど。
大村正樹
いわゆる、スクールカウンセラーのオジサンが今日はシークレット・ラボにきてくれたってことですね。じゃあ、身体心理学ってなんですか?
山口創(はじめ) それはですね、体と心の関係を追究する学問なんですね。で、人というのは心と体がひとつになっていますから、そのつながりを見ていこう、というちょっと難しい学問なんですね。
大村正樹
ほぉ〜。
じゃあ悩んでる時はかけっこが遅いとか、そういうことですか?
  山口創(はじめ) あっ、それもあります。心が病んでると、体も最大限の力を発揮できないということもありますね。ですから、100%の力を出すときは体だけじゃなくて心も元気じゃなくちゃいけないっていうことですね。
大村正樹
なるほど。じゃあ今日はまず、「痛み」に関しての話からうかがいたいと思います。例えば、手をつねると痛い、ワキの下をもむとくすぐったい、スネとか打つとめちゃくちゃ痛いとかってありますよね?これ、なんで体の部位によって痛みが違うんですか?
山口創(はじめ) 特にですね、スネは腓骨(ひこつ)という骨が皮膚の表面あたりまできてまして、 皮膚からその骨にガンっと刺激がくるわけなんですね。そうすると骨自体は痛くないんですけれども、骨を覆っている骨膜というのがありまして、その中にいろんな神経が入っていまして、そこが痛むんですね。
大村正樹
あっ、そっか。スネじゃなくてむこうズネか!いわゆるヒザ小僧から足の間の、前向きの硬い所ですね。ここは筋肉ある人もいるけれど、すぐ骨が触れますよね?で、骨触って、この皮と骨の間に神経がいっぱい通ってるんですか?
山口創(はじめ) もう脂肪がほとんどなくてすぐ骨です。触ってみるとすぐわかりますけど、ですからそこをぶつけると、まさに骨がガンっとぶつけることになってしまいますので、それで痛いんですね。
大村正樹
そうか。じゃあ肉があるところはあまり痛くないかというと、でもつねると痛いじゃないですか!太ももの裏側とか肉あるけど、お尻とか痛いですよね?それなりに。
山口創(はじめ) ええ。それちょっとまた別の痛みなんですけどね、例えばつねった時の痛みというのは、太い神経を通じてすぐに脳に感知するんですね。
骨折
 
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大村正樹
脳に!やっぱり脳が関係あるんですか、やっぱ痛みっていうのは!
  山口創(はじめ) ええ。よく誤解しますけども、つねってる所に痛みがあると勘違いしますけども、そういうことじゃないんですよ。そこから脳へ伝わって初めて痛みとして感知してるんですよね。ですからその神経の通り方によって、2種類の痛みが出てくることになります。で、さっき言ったように、つねった時の痛みはファーストペインという名前がついています。
大村正樹
これは日本語にすると?「最初の痛み」っていうことですか?
  山口創(はじめ) そうですね。最初の痛み。これは何かにぶつけたりつねったりした時に直接脳に、早い神経を通って痛みが伝達されるわけですね。脳に「痛いよー!」っていって、で、僕たちが「あ、痛い」って思うわけですね。体が痛いことを感じるのを脳に教えてあげて、脳が「痛いよー」って。
大村正樹
はぁ〜。
今きました!ファーストペイン!今つねってる!あー!痛い!
  山口創(はじめ) (笑)。そうするとすぐ逃れたくなりますよね?
大村正樹
はい。手を離しましたー!
  山口創(はじめ) (笑)。そういう役割を持っている感覚なんですね。
大村正樹
でもまだジワジワと痛み残ってますよ。
  山口創(はじめ) はい。それはですね、セカンドペインっていうんです。「2番目の痛み」ですね。これはですね、その組織が壊れてしまったために、その場所から発痛物質という物質が出てくるんですね。痛みを発する物質が、わりとゆっくりしたペースで脳に届くんですね。
大村正樹
あっ!えっ!今、僕、今腕つねって、最初痛くて手を離したら、まだじんわり痛いのは、えー、セカンドペインというもので、組織壊しちゃったんですか!自分で今!壊れた組織はもう戻らないんですか?
山口創(はじめ) いえ、あのまあ、修復しますけども、その間ずっと発痛物質が出ているんですね。痛みがおさまったら治ったと考えればいいんですね。痛みっていうのは警告信号なんですね。
大村正樹
痛みがあるときはまだ無理しちゃいけないよっていう。だから足首とかねんざしたあとで、固定とかして試合とか出ちゃうキッズいるかもしれないけど、痛みがある時はやっぱり無理しちゃいけないってこと。
山口創(はじめ) その通りですね。余計その場所を悪くしちゃいますからね。
大村正樹
へぇ〜。ちょっとみんな!どう?痛み!今ラジオの前でみんな痛くない所を1個挙げてみよう!耳たぶ痛くないですねー!あっ!ちょっと!手を伸ばしてみて!ヒジの部分で外側のシワシワになってるところあるじゃない?みんな!そこを思いっきりつねって!痛くないですね!みんなどう?今、最も体でつねってみて痛くないところを発見しました!ええ、あの、サイエンステラーとして今責任を持って!
山口創(はじめ) (笑)。
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大村正樹
多分、今全てのキッズはヒジの後の皮膚の柔らかい所が、なんていうの?この皮膚があまってる部分?ここ痛くない!これはなんで痛くないんですか?
山口創(はじめ) これはですね、おそらくその痛点という、痛みを感じる点があるじゃないですか?それがあまり分布していないんですよね。全くではないんですけども、痛みを感じる部分が少ないんです。例えばナイフで切ったりしたら痛いと思いますね。
大村正樹
あっ!でもこのヒジからちょっとなんていうの、ワキの下にかけて!みんな!ちょっとずつつねってくとワキの下とヒジの、いわゆるウデの内側ね!これ痛いですねーーーー!!!うわぁ!!!痛いわーーーーーーー!!!これヒジの痛くない所から10センチしか離れてないのにめちゃくちゃ、ちょっとやっただけで痛い!駄目だ!みんな、傷が残らない程度にいろいろ自分の体つねったりしてみてね。
山口創(はじめ) (笑)。
大村正樹
で、よくほら、「痛いの痛いの飛んでけ〜」っていうじゃないですか。あれは効果あるんですか?
  山口創(はじめ) あれは効果抜群ですね。
大村正樹
本当ですか!?またまたまた〜。
え?どうしてですか?あれはおまじないですよ?
  山口創(はじめ) (笑)。本当ですよ。特に小さい子供ほど効果ありますね。まあ、一種のおまじない的な要素もあるんですけど、実際痛いところをすぐさすりますよね、自分でも。さするっていうことは、触る感覚、触覚の刺激を与えてることになるんですね。そうするとですね、痛みの感覚をブロックしちゃう効果があるんですよね、さすってあげると。
大村正樹
へぇ〜。
  山口創(はじめ) で、まずひとつがそういう痛みをブロックする効果ですね。で、もうひとつが、例えば痛みがあるときっていうのは、人はすごく不安になったり、恐怖を感じたりします。「この傷大丈夫かな?」という風に不安になります。その不安を、例えばやさしいお母さん、お父さんになでてもらうとすごく安心できますよね。そういうスキンシップで安心するっていう効果がもう一つあるんですね。
大村正樹
心の問題というのも、痛みを和らげるのには重要な要素なんですか?
  山口創(はじめ) とても重要ですね。同じ傷でも痛みを軽く感じたり重く感じたりするっていうのは心の影響なんですね。
大村正樹
でも僕インフルエンザ毎年うちますけど、「痛くない痛くない」と思いながらも痛いですよ。いつも。心では「痛くない」と思ってるんですけど、やっぱ痛いですもん。気持ちが足らんのですかね。
山口創(はじめ) そうですね。たとえば気をそらすとか、さされる所を見ないふうにするだけでかなり痛さは違いますよ。
大村正樹
あっ!見ちゃいますー!あー、そうですか!注射の時見ないで別のこと考えればいいんですね。
  山口創(はじめ) (笑)。そうするとやっぱ痛みは和らぐんですね。気持ちの問題で、気持ちがすごく大事ですね。
大村正樹
へぇ〜。でもやっぱりお母さんがさするのが一番効果的ですかね?今のキッズだったら。
  山口創(はじめ) そうですね。お母さんに優しくさすってもらうとすごく安心すると思います。
切り傷
 
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