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過去の放送分 過去の放送分 2007 5月26日 放送分
「数の声を聞く」
コーチャー/畑村洋太郎さん(畑村創造工学研究所代表)
大村正樹&畑村洋太郎
大村正樹
いや〜。先週おもしろかったので、僕の脳はさえわたっておりました。今日はもっと脳みそをやわらかくしてもらおうかな、と思ってるんですけど、今日のテーマはなんでしょうか。
今日のテーマは「数の声を聞く」です。
大村正樹
数しゃべるんですか?
  もちろん、しゃべります。
大村正樹
しゃべるんですか!?え!?
  みんな数って言ったら、どこか数字として文字で書いてある物を見て、ただの数字で、それが無味乾燥なものだと思ってるんですけど、数自身はいろんな性質があるし、数自身は小さな声で沢山のことを言っています。自分がそれを聞き取るだけの耳を持つようになると、こちらに働きかけている声がとてもよく聞こえます。
大村正樹
興味深いですね〜。例えば?
  「たいした数ではないけれど自分はとても大事な数だよ」と言っている数。例えば、2とか3とか4というような数は、そんな事を小さな声で言っています。それで大きな顔をしていて誰とでも仲よくなれる数。24とか12とかです。
大村正樹
24とか12は仲良くできるんですか?なんでですか?
  みんなと仲良くできるんです。どうしてかというと、ひとつの数がどういう構成要素でできているかなんです。24という数は2×2×2×3なんですよ。12はっていうと、2×2×3なんですね。次に6です。6は2×3ですね。なんだっていいんです。8でもいいし。8だったら2×2×2ですね。人間と人間が仲良くできる時っていうのは、同じような考えとか同じような性質を持ってると仲良くできるんです。例えば、24と12が仲良くできるかって言ったら、24を作り上げている2と2と2と3というのは、12を作っている2と2と3と同じでしょ。だからほとんどこれはお互いが理解できるんですね。だから仲良くできるんですよ。
大村正樹
はぁ〜。じゃあ逆に、11とか13とか17とかはあまり仲良くできませんね。
  全然だめですね。のけものですね。誰とも仲良くできないんですよ。そういうのはね、数学的にいうと素数といいます。
切り株
 
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大村正樹
これ中学校で習いますね。
  習いますよ。その時に、「どれとも共通な因子を持たない数」といいますけど、仲間はずれで誰とも遊んでもらえない、かわいそうな数なんですよね。ですから、数は他と仲良くできるかどうかっていう、とても大事な性質を持ってるんですよ。17という数はね、「僕は図体はでかいけど、誰とも仲良く遊べないんだ。4とか8とか6とかいう数がうらやましいな」って言ってるようにみえるんですよ。
大村正樹
聞こえてきましたね〜。数の声が。
  もっと違うのもあります。7っていう数字は、「3が欲しいな。3と仲良くしたいな」と。足すと10になる。そういう性質があるんですよ。だから同じように考えたら、9という数はどこかに1がいないか、いつもキョロキョロ探してるんです。
大村正樹
それは奇数のような数字で、7とか9は一生懸命10になろうとしてるんですか?
  そうです。それは8でもなんでも、「みんな10になりたい」って思ってるんですよ。数はみんな。だから10を超えて13だったら、「3あまっちゃったな」とか。みんな10を基準に「10になりたい」と思ってるわけ。そうすると、7は「3がいるといいな」って思ってるのね。
大村正樹
今の考え方でみんなもイメージしてもらいたいんですけど、17×19。これ一瞬みんなできないでしょ?みんな。でも今、畑村さんのおっしゃった、19ってやつを僕は20にしたの。するとまず、17×20っていう答。20の0をとって、17×2って簡単だよね。34。これに0足して、17×20は340。で、ここから、かける19が問題だから、一回17を引いてあげればいいんだ。すると答は、わかる?みんな。323ってこと。
まったくその通りです。ですから、今いってるミソは何かっていうと、19という数字をどうみるかなんですよ。学校の先生が教える時っていうのは筆算で、17を書いて下に19って書いて、9と7をかけていくつ、1の位からくりあがって・・・っておしりから計算やらせるでしょ。だから計算はできるんですよ。筆算では。だけど頭の中は空っぽなんですよ。
大村正樹
はい。
  ところが暗算でやろうと思ったら違うんですよ。19に一番近い簡単な数ってなんだろう、って思ったら20なんだから、この際19なんてうるさい事言わないで、20で計算しちゃえばいいじゃないか、って。大体の数がわかる方が先だよ、って、まずそう考えるね。 そして、細かい帳尻を合わせればいいんですよ。
大村正樹
17×19は323だったから、17×18は323からまた17引いてやると、答は306だっていうことですよね。
  でも、そんな難しく考えるのはあまりかしこくないな(笑)。だったら、「18ってなんだろう」って考えたら半分で考えると9×2だね、っていうのに気がつくんですね。9っていうのは10に1足りない数字。この際、9を10にしてやる。18っていうのを考える時に、10で計算しちゃうと。それで1引いて、あとで2倍する。17です。17を10倍すると170。170から17引くと153ですよね。
大村正樹
17×9。
  そう。それをあとは2倍すればいいんですよ。306。だから20というのは10の2倍だなっていうのが頭にあれば、暗算できるんですよ。紙に書かなくても。人間は昔から紙がなくても計算できたんだから。
大村正樹
今日聞いたキッズは紙に書いた方がいいと思う。それでなじんで、これからこの計算方法を役立ててもらいたいなと。
  そうですね。是非、数がすきになってください。
猫数字
 
電卓
 
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