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過去の放送分 過去の放送分 2007 7月7日 放送分
「南極の話」(2)
コーチャー/中山由実さん(朝日新聞記者)
大村正樹&中山由実
大村正樹
さぁ、中山さんは何と南極から君たちのためにおみやげを持ってきてくれました。気になる人?
  はぁい。
大村正樹
おぉ〜そうですか。中山さん、おみやげ。これ何ですか〜。
  実はここにあるんですけれども。
  ペンギン。
大村正樹
ペンギン。ペンギンは持ってきていいんですか?
  そりゃねぇ。私もおみやげに持って帰りたかったけど、ちょっと無理だったんですね。ちょっとひんやりしますね。手をやってると。今日は皆さんに氷山の氷を持ってきました。
大村正樹
席を立って、みんな来て〜。
  すご〜い。
  さわってもいいですよ〜。
  冷たい。冷たい。すげえ冷たい!やばい、凍りそうだ。  
  南極の氷山の氷です。これからちょっと面白い実験をしてみようと思います。ここをよく見ててください。今からこの氷山の氷を水の中に入れてみます。みんな静かにちょっと見ててね。ね、あぶくがまるでソーダみたいに出てるでしょ。そう空気なんです。実は氷山の中に閉じ込められていた空気が今、ジワーッとこっから一斉に出てきてるんです。ほらっ、すごい音がしてるでしょ。  
大村正樹
聞こえる、聞こえる。集中して。
  これが実は何千年も前の、何万年も前の空気なんです。この氷山の氷というのは、どんな味だと思いますか?
  何かアイスみたいな味。
  この海の底で・・・。  
  しょっぱい。  
  しょっぱいと思う?  
  普通の味。  
  普通の味? じゃあ、ちっちゃいの誰か1個なめちゃおう。いいよ、なめて。  
ペンギン
 
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大村正樹
南極の氷なめた。
  塩味する?
  しない。
  しないでしょう。氷山の氷というのは、海に浮かんでいる氷山を削って持ってきたんですけど、実はしょっぱくない。というのは、氷山は海の氷が凍ったのではなく、大陸にドサッと積もっていた雪が氷になって海に出て行ったんです。私はこれが何千年前、何万年も前の空気が出てますよと言いましたよね。というのは、大陸に降った雪と一緒に、その降ったときの空気が氷にギューッと押し込められて、大陸の上に眠っていたのがゆっくりゆっくりゆっくり、ゆっくりゆっくり、ずーっと時間をかけて海まで行って浮かんで氷山になる。だから、何千年も何万年もかかって今、ここに届いているというわけなんです。  
大村正樹
すごいね〜。そうですか。みんなのおじいちゃんよりもっと昔の時代だからね。おじいちゃんより古いもの触ったことないでしょう?
  ひいおばあちゃんに・・・。
大村正樹
ひいおばあちゃんに会ったことある? ひいおばあちゃんよりもっと古いからね〜。触って、触って。さあ、みんな南極の話どうだった?
  面白かった。
大村正樹
明日にでも行ってみたいと思った人?おお、明石小学校5年生19人のうち19人、全員がもう南極に行きたい。行くにはどうすればいいですか、中山先生。
そうですね。観測隊になるのがいいんですけれども、もちろん研究者になるのもいいです。一生懸命勉強して、ペンギンのこと、あるいは空の空気のこと調べるのもいいです。でもね、ちょっと勉強苦手だからなぁという人にもチャンスがあります。
大村正樹
チャンスがあるって。どうすればいいんですか?
  例えば、南極の昭和基地でみんな冬一緒に暮らしていますから、ご飯をつくってくれるコックさんがいます。コックさんになるのもひとつ手がある。お医者さんもいますよね。お医者さんでもいい。それから、電気のお仕事をしてくれる人だっている。雪上車という車の整備をしてくれる人も欲しいなぁ。あそこでは、いろんなお仕事をしている人がいます。やっぱりこれは負けないぞ、という何かひとつ自分の得意なものを見つければ、観測隊になって昭和基地に行けるかも知れないですね。
大村正樹
もうすでにこれは負けないぞというものを持っている人?
  5年生の中では負けないけど。
大村正樹
何負けない?
  あんまり使えない。
授業風景1
 
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大村正樹
何々?
  三線(さんしん)。
大村正樹
沖縄の楽器? 今、ラジオの編集で三線の音色入ったから。それ弾けるの?本当、すごいわ。分かった。三線はどうですか?
  サンシンはみんなの余興にとっても喜ばれると思います。もうひとつ他のお仕事を見つけて、なおかつ三線もできれば、みんなすごく喜んでくれると思うので。
大村正樹
そういうふうに南極に行きたいと思う気持ちがあれば夢は実現するから。勉強したり、いろんな自分の特技を磨くのは大事だと思う。今の段階でどうですかみんな、お父さん、お母さんと1年4ヶ月離れて暮らしても寂しくないという自信がある人?ゼロだねぇ。1人ぐらいかな?
ちょっとあわてて(笑)。
大村正樹
やっぱり寂しいですよね。1年4ヶ月。
  絶対帰れないですからね。
大村正樹
出発したら、1年4ヶ月絶対帰れない。もう今行ったら小6の冬ぐらいまで帰れない。いやでしょ。6年生の冬まで帰れない。いやでしょ。心のトレーニングもしてくださいね。じゃあ、中山先生に質問がある人?
南極で一番よかったことは何ですか?
  あっなるほど。たくさんありすぎて思い出せないんですけど。とってもきれいなオーロラも、とってもきれいなお日様も氷も見ました。一番ふっと思い出すのはやっぱり・・・。今みんなが1クラスいますよね。毎日一緒にこれぐらいの人数で生活をしているわけです。嫌なこともたくさんあるし、ケンカをすることもあります。だけど、すごく困ったときに助けてもらったことが本当に嬉しかった!実は私、大きな雪上車を穴にはめてしまって出られなくなっちゃったときがあるんです。そのとき、みんなが吹雪の中、何時間も何時間も雪を掘って車を立て直すために助けてくれたときに嬉しいなぁって思いました。
南極は家族と離れてみんなが家族みたいに暮らしているところだから、とってもそういうものが、人のために喜んでもらうためにやってあげる、困っている人のためにやってあげるというのが自然に出てくるところで、すごくそういうところでは良かったなぁと思いました。
大村正樹
明石小学校も1クラスだけだから、1年生から6年生までこのメンバーでしょ。これまでケンカしたことないって人いる? 絶対1回はしているわけだよね。それと同じだから、そう考えると、君たちは南極隊員になれるかも知れないよ。そういうひとつのコミュニティの固まりの中で、ずっと6年間一緒というのは、もしかしたら一生の宝物になるかも知れないね。ということで、公開授業そろそろお時間になりました。そういうことで、南極への思いとか高まったと思います。南極が好きになったという人いますか〜?
はぁい。
大村正樹
19人全員、プラス先生もだね。
  よかったぁ(笑)。
授業風景2
 
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