過去の放送分
過去の放送分 過去の放送分 2007 8月4日 放送分
「クワガタ」(1)
コーチャー/阿達直樹さん(大田区立貝塚中学校教師)
大村正樹
夏休み真っ盛りの今回のサイエンスコーチャー略してサイコーは、昆虫博士で大田区立貝塚中学校の先生もしていらっしゃる阿達直樹先生です。先生、昆虫博士と中学校の先生とどちらがメインですか?
  一応、まじめに授業をやっているんですけれど。
大村正樹
中学校の先生なんですね。で、昆虫博士も副業でしてらっしゃるということですか?先生、ご専門は?
    僕は天文が専門です。
大村正樹
ちょっと待ってください!昆虫博士でしょ、先生。昆虫博士なんだけど、天文が専門ですか?何ですか、それ?天文って空の星ですよね。
  そうですね。ただ、天文はちょっと難しいので、学生時代にちょっと落ちこぼれたんですよね。だんだん星から虫に変わってしまったんですけど・・・。
大村正樹
元々は星の専門だったけれど、難しすぎたので昆虫になったということですね。
    そういうことですね(苦笑)。
大村正樹
そのほうがラジオの前のキッズも、天文の話より昆虫の話が聞きやすいかも知れませんから。今日はその話でよろしいですか?
    わかりました。
大村正樹
今、クワガタがすごい子供達の間でブームになっているのは、もちろんご存じですよね。今、世の中にカブトムシとクワガタって、どっちが多くて、何対何ぐらいの割合なんですか?
  正確な数字ははっきり分からないんですけど、大体クワガタのほうが倍ぐらい。多いんです。
大村正樹
多い。じゃあ、何でクワガタのほうが多いのに、高いですよねぇ。
    カブトムシは1種類の数は圧倒的に多くて、あと養殖が簡単なので、あっという間に増えてしまいますから。珍しさと言えば、多くても個々のクワガタの種類のほうが数が少ないということになると思います。
大村正樹
じゃあ、絶滅寸前のクワガタもいるんですか?
    います。沖縄のほうにいるマルバネクワガタという種類です。
 
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大村正樹
リュウキュウコクワガタは知っているんですよ、僕は。マルバネクワガタはどんなクワガタですか?
    普通の樹液にはこなくて地面を歩いている、秋だけに出てくるクワガタです。
大村正樹
地面を歩くクワガタ。ツノが生えたゴキブリみたいな感じですか?
    えぇと、そう言われてみるとそうですね。
大村正樹
えぇぇ(笑)そうなんですか。やっぱりツノはあるんですか?
    ツノは短いです。
大村正樹
短くて地面を歩くクワガタ。へぇ〜。その絶滅寸前って、沖縄のどの辺でしか見られないんですか?
    沖縄の石垣島とか、南西諸島ですね。
大村正樹
沖縄本島とかずっと南。奄美大島にもいる。
    はい、それぞれの島にそれぞれの種類がいるんですけれど、木がどんどん伐採されていましてエサになる、育つ環境がだんだんなくなったので。
大村正樹
何でですか?木がないからですか?
    そうですね。木がどんどん開発でなくなっていって、ちょっと難しい問題があるんですけれど。
大村正樹
環境問題の一環ですよね。そのクワガタの絶対数が少なくなっていることは、もう皆さん専門の先生方はご存じで、それを保護するために何か手は打っているんですか?
  打っている島もあります。請島(ウケジマ)というところです。
大村正樹
請島(ウケジマ)って鹿児島県ですね。
    そこでは、天然記念物で採集禁止にして、マニアが採らないように規制はしています。
大村正樹
じゃあ、請島(ウケジマ)初で、何とか日本のトキのような形で数が増えてくれればというところですかねぇ。
    そうですね。
大村正樹
先生、今日は図鑑か何かお持ちではないですか?ちょっとそのクワガタ見たい。もう一回、名前何でしたっけ?
    マルバネクワガタです。
大村正樹
マルバネクワガタ。覚えといてね。これは昆虫の図鑑に載っていますか?
    最近のものには大体出ていると思います。
大村正樹
そうですか。クワガタを、先生は電子顕微鏡を使って観察されていると聞いたんですけれど、どういうふうに研究されているんですか?
  えーと、実はですね、クワガタも元々大きいので電子顕微鏡でわざわざ見る・・・(苦笑)。
クワガタ
 
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大村正樹
そうですよ。冷静に考えたら肉眼で見えるじゃないですか。電子顕微鏡で何を見てるんですか?
    見るのは幼虫の足とか。
大村正樹
クワガタの幼虫。あの白いヤツの足を見てるんですか? じゃあ、成長してからのクワガタは顕微鏡では見ないんですか?
    まぁ、口を見たりとか、触覚を見たりとかしますけれど。やっぱり面白いのは、幼虫の足だと思います。
大村正樹
幼虫の足のどこに魅力を感じるんですか?
    足にほかの幼虫とケンカしないように、自分の居場所を教えるために音を出す場所がついているんです。
大村正樹
幼虫が!
    はい。足にイボみたいなのがずらっと並んでいるんです。別の足にブラシのような毛がついていて、両方をこすり合わせて音を出すんです。
大村正樹
へぇ〜〜。先生、幼虫に音を出す器官があることが分かったんですが、じゃあ相手の幼虫は耳を持っているということですね。
    耳というか、そうでしょうね。そこまではちょっと分からないんですけれど。
大村正樹
クワガタって大人になると――ちょっと僕も記憶が定かではないんですが、目はポコッとついていて、耳は変わったところについていると言われてますよね。
  はい、前足についているんですけど。
大村正樹
前足ってツノってことですか?
    ツノじゃなくて6本あるうちの・・・。
大村正樹
あっちのほうだ!そうだ、そうだ思い出した。そうですよね。これはラジオの前のキッズはみんな知っているのかなぁ。そうそう、クワガタの耳は前足。よーく見れば分かるわけですね。
  よく見なくても、オレンジ色にはっきりとついていますので。それが耳です。
大村正樹
はぁ〜分かりました。もうちょっとクワガタの話を聞いていいですか?先生、クワガタは8月、東京の人はどの辺へ行けば採れるんですか?
  残念ながら時期的には終わりに。夏休みに入ってしまいますので、暑い時期には虫もちょっと避けるんですね。
大村正樹
手遅れですか。
    ちょっと遅いんです。ですから、もし行くとすると高いところ山のほうへ行ったほうが。
大村正樹
へぇ〜。では、ちょっとお勧めスポットを教えてください。
    具体的な県ですか? それ言っちゃったほうがいいんですか? やっぱり福島県だと思います。福島県の檜枝岐村(ひのえまたむら)というのがあるんですが。
大村正樹
檜枝岐村。相当、山の奥ですよ。地図で調べれば分かる村です。そこに行ったらクワガタに出会える。
    はい。もうクワガタ虫の宝庫ですね。オオクワガタもいるんです。9月ぐらいまでいます。
クワガタ
 
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