過去の放送分
過去の放送分 過去の放送分 2007 8月18日 放送分
「宇宙のクイズ」(1)
コーチャー/中富信夫さん(宇宙工学アナリスト)
大村正樹
さぁ今日は、夏休みクイズ大会ということで、宇宙をテーマにしたクイズを出題しようと思ってます。みんなも一緒にうんと考えながら楽しんでねっ。今週のサイコーは、宇宙工学アナリストの中富信夫さんです。中富さんは、いろいろテレビでもおなじみの先生だけど、いま宇宙の第一人者といってもいいぐらいですよね。いろいろご存じで。
  ちょっと、それは過分な表現です(笑)。
大村正樹
そうですか。これを大人の言葉で謙遜というんだよ。さぁ、今日は宇宙に関するクイズを出してくださるということで。
    はい。
大村正樹
サイエンスキッズ初めての試みです。じゃあ、僕が問題を読み上げるから、みんな聴いてね。早速、第1問「スペースシャトルに乗ることができないのは次のうちどれでしょうか?」。1番から5番まであります。
「1.虫歯が1本ある。2.軽度の近眼でメガネかコンタクトが必要。3.軽度の老眼でメガネが必要。4.身長155センチと小柄」。キッズよりも大きいと思うけど、大人の場合ね。「5.身長187センチと大柄」。虫歯があるか、近眼か老眼か、大きいかちっちゃいか。どう?目が悪いのって影響がありますかねぇ。みんな、どう思う?身長は関係ないでしょう。
う〜ん、目はなぁ。でも宇宙船の中でメガネは危ないかぁ。宇宙遊泳、宇宙船の中でプカプカ浮いてますものねぇ。メガネひっかかったら危ない。僕、ダメじゃん(笑)。うーん、分からない。みんな分かった?答え聞いちゃうぞ〜。それでは、中富さん、正解は?
  虫歯がある人はダメなんです。
大村正樹
え〜、何でですか? 関係ないじゃないですか。
    虫歯は、例えば差し歯でも上からかぶせるのがあって、中にガスが残ることがあるんですね。
大村正樹
虫歯を治した後にガスが入る。
    それは、大体1970年代ぐらい昔、アポロ計画という宇宙飛行士が月に行く計画があって、その頃の基準なんですね。
大村正樹
昔からダメだったんですか。
    今の虫歯の治療方法は完璧、100パーセントはないにしても、ほぼ同じぐらいの状態に治せるんです。だから、今の歯の治療技術から言うと大丈夫なはずなんですね。
大村正樹
だけど、いまだにそう言われているんですか?ルールではそうなんですか。
    ええ。
スペースシャトル
 
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大村正樹
じゃあ、有名な宇宙飛行士の毛利衛さんとか若田さんとか、それからこの間行った野口さんとか、みんな虫歯はないんですか?
    ないですね。昔は虫歯のところを全部とっちゃって、そこに金とかをかぶせることがよくあったんですね。歯の形でつくったものを。そういう治療の仕方をしてなければ、大丈夫な場合はあるんですね。
大村正樹
基本的にはもういいんだけれど、今から40年近く前のルールにしたがって、虫歯の治療の経歴がある人は宇宙飛行士になれないということですね。
  最初に選ばれた時はね。最初に選ぶ時はそうなんです。だから、その頃に歯の治療をした人がいて、ただし、歯の上にかぶせるんじゃなく、そこに差し歯をつけるような方法で治療した人はいますよ。
大村正樹
じゃあキッズ、今のうちに歯は大事にしとこう。あぁ俺はもういけないんだ。ショック!勉強になりました。
さぁ続いて2問目行きま〜す。「宇宙を飛行中に現れる症状で特に宇宙飛行士を悩ませているのはどれでしょうか?」。4つあります。
「1.引力という負荷がないため、筋力が低下すること。」パワーがなくなっちゃうということだね。「2.乗り物酔いのような症状が起こること。3.骨からカルシウムが出てしまい、もろくなること。4.脳への血流量、血の量が減ってしまい貧血を起こすこと」。
引力がないから力がなくなる。酔った状態になる。骨が弱くなる。貧血気味になる。どうだろう?骨からカルシウムはないね。みんな、分かる?乗り物酔いでしょ。宇宙遊泳というか、宇宙空間は無重力ですよね。
  正確に言うと、無重量と言うんです。
大村正樹
無重量と言うんですか。常にフワフワしているわけですよね。
    見かけ上、重さがないようになっている状態です。難しい言葉ですが、その本質と言いますか、人間で言う体重は別にゼロになってないわけです。
大村正樹
そうなんですか。
    ええ。地球が引き戻そうという力がありますね。引力と言いますけれど、それと宇宙船や宇宙飛行士が地球から離れよう、飛び去ろうとする力、それがバランスがとれているわけです。極端に言うと、地球に常に落下をしているわけなんです。
大村正樹
宇宙船は?
    はい。落下してますけれど、地面がどんどんどんどん丸くなっていますから、その繰り返しで地球が回っているわけです。昔のエレベーターで、少し出来の悪いエレベーターですと、降りる時にちょっと体が軽くなる感じがあったでしょ。
大村正樹
僕はあのタイミングでジャンプしますもん。すごい気持ちがいいですよね。
    だから、宇宙というのは、あれがずっと連続していることなんです。
宇宙飛行士
 
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大村正樹
宇宙にいると、エレベーターで下に降りる時のフワッとしている感じなんですか?じゃあ答えは2番ですね。乗り物酔いのような症状が起こること。これが宇宙飛行士を悩ませている。
  そうです。
大村正樹
えっ、ピンポン!?ありがとうございます(拍手)。じゃあみんな、船酔い状態なんですか。
    最初はどんどんどんどん地球に宇宙船は落下しているわけです。シャトルでも何でも。ところが、地球が丸いために、地面がどんどんどんどん離れていくから、それを繰り返して、地球を何周もずっと回っているわけです。
だから、宇宙飛行士自身が、何か自分が落ちていく時の感覚があると言ってますね。浮いているのに。
大村正樹
へぇ〜。宇宙に何日も長いこといらっしゃるわけですよね。その人たちはみんな、一日中、四六時中そういった状態にあるんですか?
    まぁ環境に慣れてくるんですけれど、ふっと休憩に休んだ時に、「あっ! 今おっこっている」と感覚的に感じると言いますね。浮いているんだけど、おっこっているという感じですね。
大村正樹
そういった乗り物酔いにならない訓練をもちろん受けるわけですよね。
    これは地球上の乗り物酔いとはちょっと違うんですよ。
大村正樹
違うんですか。では、宇宙にいた人しか分からない独特の酔い方というものがあるんですか?
    ええ。地球上ですと酔ってきた時は分かりますよね。気持ち悪い感覚が。ちょっときたない話ですけど、吐きそうになるとかありますよね。宇宙ではそういうのはなくて、突然吐いちゃうんですよ。症状もなく。宇宙酔いにかかったかな、という感覚があったと同時ぐらいに吐いちゃうんです。
大村正樹
へぇ〜。最悪ですね、それ。そうですか。勉強になったなぁ。分かりました。中富さん、今ちょうど夏休み真っ盛りです。今の子ども達に宇宙への近道というと何がいいんだろう。アドバイスはありますか?
  空を見て、今見える星座を自分で探すのもありますね。
大村正樹
なかなか東京じゃ見えないですよね。
    本で見て、それを空で見てもなかなか分からない。それを教えてくれるところがあるんです。プラネタリウム。私立とか公立とか、いろいろな会社がやっているものもありますけれど、全国にプラネタリウムがありますから。
大村正樹
なるほど。そこで宇宙へのトビラが待っているということですね。
    そうですね。
大村正樹
今週のサイエンスキッズ、みんな、どうだった?今日のサイコーの中富信夫さんの本が出ています。いま手元にあるんですけれど、講談社ブルーバックスから『クイズ宇宙旅行』というタイトルです。860円。いろいろな問題が書いてあって、意外にこれは自由研究のいい教材になるんじゃないかなと思います。興味あるキッズは、ぜひ本屋さんでチェックしてください。
  ありがとうございました。
星
 
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