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過去の放送分 過去の放送分 2007 9月29日 放送分
「日本人はどこから来たのか?
〜大村正樹の質問に答える」

コーチャー/中原英臣さん(山野美容芸術短期大学教授)
大村正樹&中原英臣
大村正樹
今日は、僕が子どものころから永遠の疑問というか謎と思っていた“日本人はどこから来たのか?”ということで、先生にぜひ伺いたいんですが。たぶんキッズもすごく興味があると思うんです。だって、何で肌の色が違うの? 何で言葉も違うの? 何で日本人は唯一日本語をしゃべるのか? 英語は世界の人でしゃべる人がいるのに…。何で、何でって思うんです。日本人はどこから来たんですか?
“日本人はどこから来たのか?”と言うと、もともと、日本人で一番最初に住んでいた人は、キッズのみんなも知ってると思うけど、縄文人。
大村正樹
縄文時代ね。
  縄文時代、弥生時代って、たぶん小学生でも習っていると思うんですね。そうすると、今日のテーマ、われわれ日本人はひとつだと思ってるけど、実はいま言ったように、縄文人が最初にいまして、次は朝鮮半島、中国大陸からどんどん新しい人が来たわけですね。
大村正樹
韓国とかね。
  そうそう。それが弥生人。その人たちは高度な文明を持っていたんです。ご存じのように、縄文時代の土器と弥生式の土器とか道具が全部違いますよね。やっぱり高度な文化を持っている人たちが強いでしょ、いろいろな意味で。そうすると縄文時代に住んでいた人たちが、だんだんだんだん隅に追いやられていくんですよね、簡単に言うと。そこで当然、縄文人と弥生人が結婚したりして、だんだん混ざっていくわけです。どっかに行っちゃったわけではなくて結婚したりして、でも純粋な人はだんだん隅に追いやられていったんです。それで、江戸時代にシーボルトという人がいます。
大村正樹
博士?
  はい。長崎の出島(でじま)にやってきた。この人はお医者さんですけど非常に変わった人で、日本人はどうも2種類いるんじゃないかと言い出したんです。
大村正樹
詳しく教えてください。
  簡単に言うと、縄文人の名残りを持っている人と弥生人の名残りを持っている人になるんです。
大村正樹
ちょっと待ってください。歴史を習うキッズは6年生だと思うんだけど、もし分からないキッズがいたらお父さん、お母さんに聞いてね。縄文人は、大体今から2500年以上前の時代ですよね。そして弥生人は、今から2500年よりも新しい時代。
新しいですよね。
大村正樹
じゃあ、もともと日本人は縄文人だったけど、中国のほうからやってきた、いわゆる外国人にのっとられようとした。でも結婚したりしてうまく一緒に暮らしていた。つまり、国際結婚をしたということですね。
そういうことです。
大村正樹
日本人は縄文人と弥生人の2種類いるということですか? そして、ハーフもいるということですか?
  まぁ、そういう意味で言えば、縄文人と弥生人のハーフがたくさんいるわけですね。
大村正樹
先生はどっちですか?
  僕はちょっとどっちか分かんないですけどねぇ(笑)。
大村正樹
僕はどっちですか?
  実はこれ、分かる方法があるんですよ。DNAを調べれば分かるんです。
アジア人
 
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大村正樹
高度ですね。
  難しいから今日はそこまで言いませんけれど。体の中に持っているウイルスで、あるウイルスを持っている人、持っているタイプによって、自分の祖先が縄文人に近いか、弥生人に近いか分かるんですよ。
大村正樹
ちょっと待ってください。すごいそれ! 調べてもらうのはお金がかかるんですか?
  ただ、そのウイルスを持ってない人は分かりませんけどね。
大村正樹
なるほど。でもラジオの前のキッズはどうだろう? 縄文人と弥生人、どっちだったらうれしいのかなぁ。これは知らないからいいわけで、結果的に「あなた縄文人です」と言われたらショックかも知れないから、知らないほうがいいかも分かりませんけれど。
そもそも縄文人がどこから来たのかということが一番の問題なんです。やっぱり中国大陸から来た人たちで、弥生人よりもっと前に来た人たちなのか。それとも逆に太平洋のほうから、南方のほうから来たのか?
大村正樹
南のほうから?
  当時は海だったか、あるいはまだ陸続きだったという説もあるんですけれど。
大村正樹
日本は昔、大陸につながっていた。
  大陸というか、南のほうと。そうするとそれを調べようという人が出てきたんです。言葉を比較する。文化を比較する。それから体格を比較する。頭がい骨とかいろいろなことを調べたんですよ。でも結局、最終的に縄文人がどっちから来たか答えが出なかった。2つの説に分かれて、喧々諤々(けんけんがくがく)100年、200年、大ゲンカをしてたんですよ。で、つい15年ぐらい前に答えが出たんです。
大村正樹
15年前に! つい最近じゃないですか。
  これは非常に簡単で、今日のテーマのDNAです。遺伝子、DNAをいま分析できるようになったんです。浦和というところからある時、縄文人の骨が出てきたんです。
大村正樹
埼玉の浦和から。
  はい。それで、そこの骨のDNAをとってきて調べた人がいるんです。そうすると、どうも今ここにいる私たち日本に住んでいる人たちと、実はあまり似てないんです。
大村正樹
浦和で見つかった昔の人は、今の人とちょっと違う。
  もちろん似ているんですけどね。縄文人とはっきり分かっている骨からとってきたDNAは、どうも日本にいま住んでいる私たちとはちょっと違う。そこで、その先生は世界中の人と比較したんですよ。一番似ているのは実はね、どこだと思います?
大村正樹
縄文人と似ているの? えーとね。南の海の日本じゃない人たち?
  そうなんです。
大村正樹
ほんとですか!
  ポリネシアとかフィリピン。それから、インドネシア、パプアニューギニア。今あちらに住んでいるその人たちのほうにDNAが近いんですよ。ということは、もう答えが出たでしょう。
大村正樹
じゃあ、日本は弥生人で大半を占めているということですか?
  日本人はいま言ったように、結婚して混ざってしまっているわけです。そうではなくて純粋な縄文人の骨が出てきたわけですね。その純粋な、まだ混ざる前の、弥生人が来る前の縄文人の骨ですから、このDNAが実は南のほうに住んでいる人のDNAによく似ていることが分かったんです。
黒人
 
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大村正樹
ということは、パプアニューギニアという国が赤道の近くにありますね。インターネットで調べれば、その国に住む人の顔が写っていると思うんです。昔、あの人たちが日本列島にいたということですか!
どんどん来たということですね。
大村正樹
驚きましたねぇ!
  だから、お相撲さんで言うと武蔵丸なんてそっくりだったじゃないですか。
大村正樹
あぁ、あの人ハワイです。
  ハワイですが、パプアニューギニアよりもっとこっちのオセアニアに住んでいる人たちが船に乗ってきたか、あるいは陸続きだったか知りませんけれどやって来たんですよ。
大村正樹
へぇ〜、そうですか。すごい!
  それまでの長年の論争が、DNAを分析したことによって答えが一瞬にして出ちゃったんですよ。
大村正樹
15年前の埼玉の浦和の発見がなければ、縄文人がどういう人なのかは想像でしかなかったわけですね。
  そうです。文化が違う。でも沖縄なんかに行けばパプアニューギニアの風習に似ていることが結構あるじゃないですか。
大村正樹
お祭りとか、あります、あります。仮面をかぶったお祭りがすごく多くて、南側にいる民族たちのお祭りだって言われているわけですよね。
そうですね。でも、そういうことでしか比較できないでしょ。それが本当にそっちの人たちなのかということではないですよね。そのお祭りが伝わってマネをしたと言われたらそれっきり。でも人間の体の中にあるDNAは人間そのものですから、それを比較したらいろいろなことが分かる。歴史も分かってしまったということです。
大村正樹
いやいや、すばらしい先生! 最近のことだけじゃなく、人間のルーツもここまで熱く語ってくださって!!
  僕が見つけたわけじゃないですよ(笑)。見つけた偉い先生がいらっしゃいましてね。
大村正樹
先生、やっぱり物知りだ〜。中原サイコー、最高(サイコウ)でした!
  どうもありがとうございました。
白人
 
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