過去の放送分
過去の放送分 過去の放送分 2007 10月6日 放送分
「秋の星座」
コーチャー/寺門和夫さん(サイエンスウェブ編集長)
大村正樹&寺門和夫
大村正樹
いよいよ番組も去年10月に始まって2年目に突入しました。より分かりやすく、よりキッズたちの興味の深いテーマを中心にお届けしたいと思って張り切ってますよ〜。サイコーは、実は思い起こすと去年の10月からお世話になっているんですねぇ。『サイエンスウェブ』編集長の寺門和夫さんです。よろしくお願いしま〜す。
寺門和夫 どうもこんにちは。
大村正樹
今日のテーマは秋の星座です。今日、僕は娘から星座の本を借りてきたんですけど。夏はさそり座で、冬はオリオン座という星座の代名詞がありますが、秋ってちょっとピンとこないですよね。
寺門和夫 そうなんですね。夏は非常に空がハデで、1等星が3つもあります。はくちょう座とこと座。
大村正樹
ベガ。
  寺門和夫 そうですね。それから、わし座ですね。そして、さそり座のアンタレスもそうですから、4つの1等星が輝いていて天の川が真ん中を流れ、ものすごいきれいな星空です。それに対して秋はちょっと明るい星が少なくて、地味な感じがするのはしょうがないですね。
大村正樹
地味ですか? 専門家の方も地味っておっしゃるんですね。
  寺門和夫 そうですねぇ。明るい星、1等星があまりないですね。
大村正樹
そうか。インパクトの強い星が秋はないんですか。
  寺門和夫 パッと見た時にあれが何座というのが、秋はなかなか分からないです。例えば夏ですと、さっきお話したさそり座が南のほうを見るとS字を描いて大体分かりますね。ところがそういうのが秋の星座の場合、ちょっと分かりづらい。ですから、秋の星座を楽しむ時には多少暗いところへ行って、星座早見がよくありますね。
大村正樹
早見表ですね。
  寺門和夫 そうです。丸い形をした星座盤と見比べながら見てみると、あそこに何があるなぁということで星座を見分けることができると思います。
大村正樹
秋の一番の目印は何ですか?
  寺門和夫 秋はどうやって見つけるかと言うと、まず北極星があり、北極星の近くにWの形をしたカシオペヤ座があります。それからちょうど真上を見ますと、今日お話する中に出てくるペガスス座という星座の四角形が見えます。
大村正樹
じゃあ、このペガススが目印? どんな形ですか?
  寺門和夫 ペガススというのは、翼の生えた馬なんですね。馬の上半身の星座ですが、その胴体のところが四角形をしている。これが真上に見えます。そういうことで秋の星座はちょっと地味ですが、例えば星座の名前として有名なのは、アンドロメダ座が非常に有名ですね。
大村正樹
アンドロメダ座、書いてある。秋の星座のちょうど真上にありますね。
  寺門和夫 この中にアンドロメダ銀河というのがありまして、われわれの住んでいる銀河系と同じようなもうひとつの宇宙が200万光年ぐらい先にあるわけですね。
大村正樹
銀河鉄道999(ぎんがてつどうスリーナイン=アニメ)の終点ですね。
  寺門和夫 そうですね。これは暗いところへ行くと肉眼でも見えるくらいの宇宙です。
星座
 
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大村正樹
アンドロメダ座が?
  寺門和夫 アンドロメダ銀河ですね。はい。そういう有名な星座もあります。それで実は星座というのは、一つひとつ、いろいろな物語とか伝説とか神話を持ってますね。例えば、オリオン座とかさそり座とかみんな持ってるんですが、それは星座にまつわる話なので単独にその星座の話であって、隣の星座と関係のある話ではないことが非常に多いんです。ところが秋の星座の場合、それがひとつの物語になっているんです。
大村正樹
例えば、こと座やさそり座とか星座にまつわる神話ってありますよね。秋はいろいろな星座がごちゃ混ぜになってストーリーができているんですか?
寺門和夫 そうです。まず北のほうにケフェウス座というのがあります。
大村正樹
ケフェウス座あります。何、ケフェウスって?
  寺門和夫 これは今のエチオピアではなく、古代のエチオピア王国という国があったという伝説の国の王様なんですね。
大村正樹
へぇ〜。
  寺門和夫 それで、その奥さんがカシオペヤなんです。
大村正樹
あっ隣だ! ケフェウス座の隣がカシオペヤ座。
  寺門和夫 ええ、カシオペヤは王妃なんです。
大村正樹
カシオペヤは女の星座なんですね。
  寺門和夫 そうです。それで、その二人の娘がアンドロメダなんですね。
大村正樹
ちょうどその真下にアンドロメダがいる。
  寺門和夫 そうです。実はお母さんのカシオペヤが、アンドロメダは非常にきれいな女性なので、自分の娘はとてもきれいで海の神様の妖精よりよっぽどきれいだとみんなに言っているわけですね。
大村正樹
親バカですね〜。
  寺門和夫 そうですね。ところが、海の神様のポセイドンが聞いて怒ってしまいます。それで、怪物をエチオピアの国に送るわけです。
大村正樹
その娘がかわいいから、海の神様のポセイドンが怒って怪物をエチオピアに送るんですか。
  寺門和夫 つまり、海の神様のポセイドンのところにいる妖精、きれいなニンフたちより自分の娘のほうがきれいだって言ったために怒っちゃったわけです。
大村正樹
くだらないヤキモチですねぇ。
  寺門和夫 でも、まぁ、そういう話なので聞いてください。そういうことで、エチオピアの海岸に怪物が現れるようになりました。その怪物は星座としてはくじら座なんです。
大村正樹
くじら座、くじら座。あった! みんなも星座盤を持ってたら、南東の星にくじら座があります。左ななめ下。
  寺門和夫 これが大暴れをするわけです。そこで、困って神様に相談したところ、これは娘のアンドロメダを生け贄に捧げなければいけないということになった。
星座
 
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大村正樹
あぁ、ひどい!
  寺門和夫 アンドロメダ姫は海岸に鎖でしばりつけられて、その怪物の生け贄になってしまうんです。ところが怪物がやってきたとたんに、いま話に出ましたペガススという翼の生えた馬、天馬に乗ってペルセウスという若者がやってくるんです。
大村正樹
ペルセウス、あった! カシオペヤの左側。北東の空にあります。
  寺門和夫 このペルセウスがくじら、怪物を退治してしまうわけです。
大村正樹
よかった!
  寺門和夫 その後、このペルセウスはアンドロメダと結婚するんですね。実はそういうお話があるんです。
大村正樹
すばらしい!
  寺門和夫 ですから秋の星座はバラバラではなくて、ひとつの物語になっているんですね
大村正樹
3分でストーリーが分かりました。
  寺門和夫 分かりました?
大村正樹
ええ。出てきたのは、ケフェウス座とカシオペヤ座とペルセウス座とアンドロメダ。それからくじら座、ペガスス。これで、秋の真上を中心に見える星座たちが今の物語につながってくるわけですか。
寺門和夫 そうです。それからもうちょっと行くと、ヘラクレス座がありませんか?
大村正樹
ヘラクレス座。みんなも持ってたら見てね。あった! 正確にはヘルクレス座だ。北西の空。
  寺門和夫 はい。彼はペルセウスとアンドロメダの孫です。
大村正樹
えっ、ペルセウスとアンドロメダが結婚して、子どもじゃなくて孫なんですね。
  寺門和夫 孫で、彼もいろいろな大冒険をする話が神話の中にあります。ですから、この辺の話はずーっとつながっている話で、秋の星座はそういうふうに見るととても面白いですね。
大村正樹
今の話はキッズたちが分からなくても、お父さんお母さんが整理して子どもたちに話してあげるとロマンチックですねぇ。
寺門和夫 そうですね。星座早見を見ながら、ここにアンドロメダがある。ここにペルセウスがあると教えてあげると、たぶん子どもたちも星座を身近に感じられるんじゃないかと思いますね。
大村正樹
いやぁロマンチックでした。寺門さん、ロマンチストですねぇ。
  寺門和夫 いや。星をやっている人たちはみんなそうですよ。
星座
 
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