過去の放送分
過去の放送分 過去の放送分 2007 11月17日 放送分
「月の話」(1)
コーチャー/長谷川洋一さん(有人宇宙システム株式会社)
大村正樹&長谷川洋一
大村正樹
みんな知ってるかな? 実は今年の9月に、日本からロケットが打ち上げられて「かぐや」という衛星が月に行ったの。今日はものすごく身近だけど、月のお話。そして衛星「かぐや」の話を聞いていきたいと思います。9月に日本で打ち上げられたH-II A。エイチツーじゃないですね。エイチニエーロケット。月に打ち上げられたのが「かぐや」。「かぐや姫」ですよね。
そう、その「かぐや」です。
大村正樹
もう2ヶ月経ってますから、今頃は月にいるわけですか?
  月の周りをグルグル回って。着陸はしないんですが、面白いんですよ。それが子どもを2つ生んだんです。
大村正樹
「かぐや」が? だって、かぐや姫は月に帰って独身のままのはずですよ。
  それが変なんです。子どもの名前が「おきな」と「おうな」と言うんです。つまり、おじいちゃんとおばあちゃん。
大村正樹
これは日本人が名付けてますね。
  そうです(笑)。「かぐや」は日本のロケットだからいいんです。
大村正樹
おじいちゃんとおばあちゃんを生んで、宇宙では「かぐや」と「おきな」と「おうな」が月の周りを3つクルクル回っている。それぞれ目的があるんですか?
そうです。「おきな」と「おうな」はすごく小さい50キロぐらいの重さ。ちょうどおじいちゃん、おばあちゃんと同じぐらいですかね。
大村正樹
体重50キロの衛星ですか。
  「かぐや」のほうは秘密ですが3000キログラムありまして。
大村正樹
娘のほうが大きくなっちゃって、3トン。3トンと50キロのおじいちゃん、おばあちゃんの衛星がいま月の周りを3人で仲良くクルクル回っている。天体望遠鏡で見えるんですか?
見えませんね、きっと。
大村正樹
クルクル回って何やってるんですか?
  月と地球を見て、観測しています。実は地球を写真に撮る、ハイビジョンで撮るというのが今回の「かぐや」の目玉になっているんです。
大村正樹
世界初ですか? うわ〜、すごい!! 日本が?
  そうです! これが実は世界初です。
大村正樹
でも、何となく地球は青いとか、雲があるとか見えますけれど、月のほうから見えることによって新たな発見の予測は立つんですか?
  これは大変たくさんあると思います。
月
 
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大村正樹
例えば?
  今、キッズのみんなが見る図鑑に載っている地球の写真、これは何と1970何年かにアポロが撮った写真なんですね。つまり、30年以上も地球の青い丸い写真がなかったんです。これはびっくりですよね。
大村正樹
えっ、1970何年? ちなみにアポロは69年に。
  69年に11号です。
大村正樹
その後70年代に撮った写真が、未だに百科事典とか教科書に載っている写真なんですか? それしかないんですか?
  そうです。青くて丸い地球の写真はそれしかないんです。みんな、嘘だって言うでしょう。「ひまわり」の天気予報の写真があるじゃんって言うでしょう。ところが、あれは本当の写真じゃないんですね。あれは赤外線とか人間の目に見えない光を集めて、それをコンピューターで画(え)にしているんです。ですから、本当に人間が見たのと同じような写真やムービーは、今度の「かぐや」がほとんど初めてなんです。
大村正樹
すばらしい!! じゃあ、世界的にも「かぐや」の活躍は期待されているんですか?
  そうです。「かぐや」の画(え)は世界中に使われるでしょうね。これから青い地球の写真を見たら、日本の「かぐや」が撮ったんだぞ〜と思っていいと思います。
大村正樹
今まで僕も含めてキッズたちは、アメリカが30年以上前に撮った地球の写真で勉強してたということですか?
  そうです、そうです。
大村正樹
これが純国産になる。うわ〜!すばらしい!!(拍手)
  パチパチパチ(拍手)
大村正樹
みんな分かった? ということは、いま世界にある月の写真は、それしかなかったんですか?
  月から見た地球の写真ですね。遠くから見た地球の写真は、ほとんどアポロのしかないんですね。
大村正樹
すごい! じゃあ、それは今から30何年前の70年代で、38年前にアームストロング船長が人類として初めて月に立ったのは有名じゃないですか。「かぐや」は月の周りを回っているだけですよね? 日本人は月に立てないんですか?
そんなことは決してないです! でも、まずは月の周りを回って、どこに降りたらいいかなぁということを「かぐや」が詳しく調べているんです。
大村正樹
下見に行ってるんですか?
  そう下見です。遠足の時、先生が下見に行くじゃないですか。
大村正樹
やがてはキッズが大人になって行ける!
  そうです! 一段と月が近くなりますね。月の距離は38万4400キロですけれど、身近になるということです。
大村正樹
おお〜! 具体的にいつ頃になりそうですか?
  それが、日本だけで行けるかどうかは分かりません。たぶん世界で仲良くロケットを作ってみんなで行くことになると思います。おそらく2018年ぐらいから、月にまた人間が歩き始めるんじゃないかと。
大村正樹
10年後じゃないですか。ラジオを聴いているキッズが成人式を迎える頃ということですか?
  そうなりますねぇ。勉強してれば行ける可能性があります。月に行って、この番組にぜひ出て「月に行ったらこうだったよ」とやって欲しいですね。
地球
 
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大村正樹
その時は、僕はもう50才だから番組を降りていると思いますけれども。やってたらスゴイですよ。やってたら、この今の録音をもう一度10年後に流したいなぁ。辞める宣言しておいてまだやってやがったみたいな。
アッハハハ(笑)。
大村正樹
そうですか。すごい基本的なことですけれど、1969年にアポロが月に着陸して、アメリカ人が人類として月に足跡を残したことは有名ですよね。あれ以来、何人ぐらいの人が月に行っているんですか?
アメリカのアポロで12人行きましたけれど、その後は行っていません。
大村正樹
何でですか?
  これが不思議なんですねぇ。月はあんなに近いのにもっともっと調べなかったのかは、世界中が不思議です。みんな火星を調べたり、木星、土星、天王星、海王星と探査機を飛ばしてますけれど、月にはそんなにたくさん探査機、宇宙船を飛ばして調べてないんですね。ましてや、人が行っているのはその後は宇宙ステーションやスペースシャトルですから、高さ400キロぐらいまでしか行ってない。
大村正樹
思いっきり遠いか、思いっきり近いか。まぁ宇宙は遠いですけど。じゃあスペースシャトルの地球の周辺と、それから月を突き抜けて火星よりも遠くへということなんですね。月をないがしろにしているのが世界的な動きなんですね。
はい。そうですね、世界中が。
大村正樹
いかんなぁ。もっと月に関する魅惑あふれる話は何かないですか?
  たくさんありますねぇ。月の不思議、たくさんたくさんあります。例えば、お月さん何であんなに大きく見えるんだろう。
大村正樹
見える、見える。
  大きく見えますよね、すごく。
大村正樹
天気いい日など大きく見えます。
  ところがびっくり。キッズのみんなが5円玉を持って腕をいっぱい伸ばすんです。 5円玉の穴ってちっちゃいですよね。その中にお月さんが全部入っちゃうんですよ。
大村正樹
えっ、うそ〜!? だって月は大きいじゃないですか。
  不思議ですよねぇ。大きく見えますよねぇ。
大村正樹
ちょっとみんな、表へ出て月が見えたら手をいっぱいに伸ばして、5円玉の穴の中に月が入るかどうか確認。長谷川さんが正しいことを言っているかどうか。
盆のように大きくはないと思いますね。
大村正樹
5円玉の穴よりもちっちゃい月。
  そう歌わなきゃいけませんよね。
大村正樹
でも、そんなことを歌ったら引っぱたかれますよ。ハハハ(笑)。
  引っぱたかれますね。それよりも何よりも、何で月があそこにあるんだろう、どうやってできたのかが、世界中の科学が集まってもまだ分かってないんですね。
大村正樹
そうか、地球のすぐ近くに何で月があるかは、世界の人が集まってもまだ解明されてない。
  全然分かってないです。
月面
 
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