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過去の放送分 過去の放送分 2008 1月12日 放送分
「冒険の話」
コーチャー/高野孝子さん(冒険家、環境教育活動家)
大村正樹&高野孝子
大村正樹
今日のサイコーは冒険家であって、環境教育活動家の高野孝子さんです。こんばんは。“タカタカ”さんですね。
  はい。小さい頃よくいじめられました。やっぱり“タカタカ”とか言われて(笑)。
大村正樹
ですよね。一度聞いたら忘れられないですね、高野孝子。お父さんお母さんにどうしてこんな名前つけたのか聞かなかったですか?
  聞きました、やっぱり。おじいちゃんがつけたんだって。おじいちゃんが直接答えたんじゃなかったと思うんですが、名前しか考えなかった。親孝行な子になるように。
大村正樹
なるほど。僕の名前の場合は“オオムラオオキ”とかになるわけでしょ。だから“オオムラオオキ”と言ったら、「何で?」と思うもんなぁ。ということで、高野さんは冒険家ということなんですね?
そういうふうに言う人もいます。
大村正樹
今日は「サイエンスキッズ」ではなくて「アドベンチャーキッズ」ということで、ちょっと冒険話を。あちこち行かれているんですか?
あちこち行ってますね。うーん、極地と言われている所がけっこう多いんですけれど。
大村正樹
北極、南極?
  北極、南極。あとマダガスカルとかアマゾンとか。孤島、ミクロネシアの小さな島とか赤道近くの島々。あとは、自分なりのアドベンチャーですけれど、バックパック1個でシベリア横断鉄道でずっとヨーロッパまで行ったりとか。昔の話ですけれど。
大村正樹
リュックをしょって。でも、シベリア横断鉄道って別に電車に乗っているだけだから、冒険じゃなくて旅じゃないんですか?
  旅、旅。私にとってはアマゾンも旅だし、北極地も旅ですね。
大村正樹
じゃあ、楽しんでエンジョイしているわけですね。
  ええ。まぁ、つらいですけどね。楽しいからやります。
大村正樹
へぇ〜。ちょっと世界地図を頭に浮かべるんだけど、いろいろな所へ行ってらして冒険されて・・・。お正月はどこか冒険してたんですか?
ちょうど日本に戻りました。それまではアラスカです。
大村正樹
アラスカ帰り! 寒い所から帰ってきたんですか?
  マイナス35度ですね。今回は前に行った村を訪ねて、そこの子供たちと一緒に外で遊んだり。狩りをする人たちなので一緒について行ったりとか。
スペイン
 
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大村正樹
へぇ〜、すごい!
  ムースがいて。ムースって、牛みたいに大きな鹿ですね。ヘラジカ。大きな平たいツノで、鼻が細長くて、ボーっと長くて、どっしりしている鹿。
大村正樹
あれはトナカイじゃないんですか?
  トナカイよりもっともっと大きい。ムースに車をぶつけたら、車がメチャメチャになります。
大村正樹
へぇ〜。食べ物じゃないムースですね。
  アッハハ。でも食べるんです。
大村正樹
えっ! 食べちゃう。冒険家の方って何でも食べちゃうんですか?
  アッハハ。もちろん、もちろん。食べるために狩る。大村さんも何でも食べるんじゃないですか?
大村正樹
いや、僕はダメです。ユッケとか苦手です。いや、ユッケは美味しいやつはいいけど。センマイとか焼肉の臓物でも好き嫌いがあるんです。
美味しいのは食べる(笑)。割と細かいほうですね。私は割と大ざっぱに何でもOK。これは得ですね。世界中に行けるから。
大村正樹
例えば僻地へ行って、イヌイットの方が生の肉を切ってくれて「はい、孝子どうぞ」とか言うわけじゃないですか。
  もう「ありがとう、ありがとう!」と。美味しいですよ、生の肉。最高ですよ。
大村正樹
僕は表面上「うまい!」なんて言いながら、ティッシュにくるんじゃいそうな気がする。何でもOKですか?
  そうだな。クジラの脂身、日本でも食べますけど、それを生でスライスして口に入れるとサーッと解ける。
大村正樹
クジラの脂身って、いわゆる先進国では日本ぐらいなんですよね、喜んで食べてるのって。
  それとノルウェーとか。喜んで食べているのは今はね、ノルウェーと日本ぐらいですね。
大村正樹
美味しいですか?
  美味しいです。あとはセイウチの生肉とかアザラシとか。あっ、トナカイの肉も美味しいですね。
大村正樹
こんなトークしていいんですか?日本の偉い人が来て、「この人、こんなの食べちゃいけないよ」とか条約違反はないですか?
  現地で食べている分にはいいんです。
大村正樹
そうなんですか。今まで一番レアなもの、珍しいものは何ですか?
  いろいろなレアがあるんですけれど、強烈だったのは魚を腐らしたやつ。半地下に置いといてわざと発酵させるんです。でも、その食べ物の名前覚えてない。
アザラシ
 
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大村正樹
たぶん「シュールストレミング」とかそんな名前じゃないですか。缶詰になっているやつ。
  1位! それね、私も同意します。それはアラスカのユピックという人たちだったんですけど、「これから特別なものを食べさせてあげるから」と言われて、それで「何?」と聞いたら言わないのね。「楽しみにしとけ。その代わりくさいぞ」と。確かに姿が見える前から強烈な臭いがする。「何だろう、これ!?」って思ったら、その人が「いや、でも心配するな。フランスのチーズよりくさくない」と言うんです。でも出てきたらすごい強烈で・・・。 フランスのチーズにもくさいのがあるけれど、本当に魚が発酵して・・・。これを食べるのは勇気がいるなと思ったけれど、臭いがすごくて。でも「これは大事な自分たちのすごく美味しい食べ物だ」と言うので、思い切って口に入れたら結構イケました。イケた。
大村正樹
へぇ〜〜! 本当ですかぁ。
  また「ください」と言うものではなかったけれど、でも美味しくいただきました。あと強烈なのは――やっぱり腐らせるってすごい強烈で、海鳥の半分発酵させたようなもの。これもすごい臭い。これはグリーンランドのほう。
大村正樹
へぇ〜。いやぁ、嫌だ嫌だ! でも、クサヤが美味しいと思うのと同じなんですよね、向こうの人からしてみると。
  そうかぁ。そうかも知れないですけれど、臭いを楽しんでいるというよりも私の感覚からすると必要。
大村正樹
何でですか?
  あの寒さと気候風土の中で生きていくために必要なんです。例えば、セイウチの半分発酵させた凍っている状態のものを旅するときに持っていくんですけれど、私はそれが大好物で、普通のナイフで切れないぐらい硬い。だから削いで食べるんですが、口に入れるとマイナス30度だろうが40度だろうがポカポカしてくる。
大村正樹
へぇ〜。そういう発酵している食品を食べると体があったまってくるんですか?
  熱量があってぴったりです。体に合ってるし、ああいう物を食べないと行動できない。納豆を食べたらどうかは分かりませんけれど、たぶん、ああいう気候の中で食べなきゃいけないからカチカチに凍っていたらダメでしょ。ああいう所でチョコレートをかじっちゃうと歯がカケますからね。
大村正樹
カチカチで。へぇ〜。
  それでだいぶ歯がやられたんです。ナッツとかチョコレートとか溶かして食べればいいんですが、面倒くさがってあわてて口に入れちゃったりするとやられるんですよ。たぶん納豆も凍るから危ないと思うんですね。でも肉は大丈夫なんです。脂身がある肉だから、口の中に入れてもすぐ柔らかくなる。
大村正樹
シュワーッとなる感じなんですね。
  そうそう。思い出してきちゃった。美味しいですよ〜!。
大村正樹
よだれが出てますねぇ。
  アッハハハ!
大村正樹
何だかちょっと「アドベンチャーキッズ」どころか「グルメキッズ」というか「キワモノグルメキッズ」になっちゃった。
    アハハハハハ。失礼しました。
肉
 
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