過去の放送分
過去の放送分 過去の放送分 2008 6月7日 放送分
「水の不思議」(2)
コーチャー/水谷広さん(日本大学教授)
大村正樹&水谷広
大村正樹
今回のテーマも水の不思議ということで、今週はこのラボで『みずものがたり』という本を買ったの。これは学校の図書館にも結構あるらしいけど、ダイヤモンド社から出ているものすごく面白い本です。
みんなの体の中に水があるという話、人間は半分以上が水という話を先週サイコーの方からうかがったけれど、生まれたばかりの赤ちゃんは85パーセントが水分だって。30歳になると60パーセントが水分になる。だから10歳ぐらいのキッズだったら、どれぐらいかなぁ? 70パーセントぐらいかな? 人間80歳になると、水分は35パーセントに減るんだって。赤ちゃんから比べると50パーセントも減っちゃうんだよ。
だから年を取ると骨が折れやすくなったり、皮膚がカサカサしてきたり、やっぱり水分は大事だと思いました。今週のサイコーも水の博士で前回に引き続き、日本大学教授の水谷広先生です。こんにちは。
こんにちは。
大村正樹
先週は、海流によって海の温度が一定にうまく保たれて、世界中の人間も含めて生き物が平和に暮らしているというメカニズムをうかがって非常に勉強になりました。
水って僕たち習っているのは、水蒸気になって蒸発した水が雲を作って雨を降らして、海や山それから雪などになって水が流れて、またそれがグルグルグルグル回っている。
水の循環ということですね。
大村正樹
だけど水の沸点は100度とうかがいましたが、地球上で100度はあり得ないじゃないですか。何で水が水蒸気になって上がるんですか?
100度になると沸騰するということですよね。沸騰は水の中から蒸気になっていくということです。水の中から。100度以下だと沸騰はしませんけど、水の表面からやっぱり蒸発していくんですよ。
大村正樹
100度にならなくても水は蒸発するんですか!?
  だから、ちょっと濡れたものを置いておけば、洗濯物もそうですけど、どんどん乾いていくじゃないですか。
大村正樹
そうか。何度から水分は蒸発していくんですか?
  もう何度でも蒸発していきます。1度でも2度でも。湿度が低ければ、どんな温度でもどんどん蒸発していっちゃうんです。
大村正樹
すごく基本的なことで、日に当たっているから水は蒸発すると思ったんですが、そうではなくて曇っていても水は蒸発していくんですか?
ええ。お天気の時のほうが早く蒸発します。洗濯物を干すにもお天気の時がいいけれど、曇っていてもやっぱり乾きますよね。それこそ、部屋の中で洗濯物を干したって、ちょっと臭くなるかも知れないけれど乾く。
大村正樹
そうかぁ。じゃあ、水は自動的に時間が経てば大気の中に混じっていく性質を持っているんですか。これも不思議ですねぇ。そうだ、先生。一周する話ですが、グルグルグルグル水が回っている。そもそも水はどこから生まれてきたんですか?
もともとのことを考えると、グルグル回りはじめたのは地球ができてしばらく経ってからです。
海
 
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大村正樹
46億年前?
  太陽系ができたのは46億年ぐらい前ですが、その頃の地球はドロドロに溶けてて、すごく熱かったんですね。
大村正樹
ビッグバンの後ですね。
  もちろん、ずっと後ですけれど。ビッグバンは137億年前ですから。
大村正樹
ビッグバンはそんな昔ですか(笑)。46億年前の地球はドロドロだったんですか。
  ドロドロに溶けていた。ドロドロでものすごく熱〜いマグマの塊ですけれど、その中に水がたくさん溶けていて、それがだんだん冷えてくると水が分かれて出てくる。
大村正樹
ちょっと待ってください。マグマの塊ということは何千度もしたんですよね。太陽みたいに燃えていたわけですね。
  太陽みたいな燃え方はしていませんけれど、太陽のように熱かったと思っていいです。
大村正樹
さっきの話ではないですが、全部蒸発するんじゃないですか?
  それが熱ければ熱いほど水がたくさん溶けちゃうんです。
大村正樹
どこへ溶けていくんですか? 地球の中に溶け込んでくるんですか? 蒸発しないで? 何でですか?
  そういうマグマの性質があるんです。逆に言うと、いま海の水はどんどんマグマの中に潜り込んでいってる。その内、海がなくなっちゃうと言われているぐらいです。それは、全部マグマのほうに潜り込んで溶けていくからです。
大村正樹
日本にも一応火山帯、鹿児島からずっと南のほうの火山帯や伊豆のほうの火山帯がありますよね。海の水があの火山の海底のほうに吸収されているんですか? 海の水は蒸発するのではなく地球が吸っているんですか?
それは両方あります。僕が言っている地球が吸ってるほうは、いまの蒸発する速さよりは遅いんですけどね。だけど、そのうちなくなっちゃうんですよ、海は。
大村正樹
マグマが吸ってどうなるんですか?
  マグマが吸って、そのままそこに残って出てこない。
大村正樹
地球の中に水が入っているんですか? 海ではなく、地球の海よりも深い所に水があるんですか?
  ええ。いまのある水よりも3倍ぐらいあると言われています。
大村正樹
海の水は全部でどのぐらいの量があるんですか?
  えーと、ちょっといま分かりません。
太陽
 
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大村正樹
ものすごい量で、地球の表面の7割は海ですよね。それ相当の水があって、その3倍の水が地球の中にあるんですか。でも、地球は掘れば掘るほど地殻といって中でマントルが燃えていると習いました。どんどん熱くなってくるから、水は普通なくて蒸発する世界ではないですか?
人間が掘れる深さなんてほんのちょっとだけで、10キロ20キロは掘れない。そのぐらい掘っちゃうと、穴の周りから石がバンバン飛んできて、危なくて掘ってなんかいられない。内側というのは、本当にもっと内側のほうで熱い熱い所なんです。
大村正樹
何キロぐらい内側ですか?
  ですから、100キロ、200キロ。
大村正樹
掘り進んでいくと、そこに水分がいっぱいあるんですか。地球を断面図で示すとそういうふうになっているんですか? えっ、図鑑に書いてあります?
いや、ないかも知れないけれど。
大村正樹
ですよね。学校でも図鑑でも習ってないですよ。
  そういうことが結構分かってきているんですね。
大村正樹
へぇ〜。水は今みたいにうっとうしい季節になってくると、「やだなぁ、早く夏が来ないかなぁ」と思っちゃうけれど、僕たちの中では絶対欠かせないものですよね。先生は水を研究されて、ラジオを聴いているキッズたちに何を一番伝えたいですか?
何と言っても、僕らは水がないと生きていけません。それで、水をやっぱり大事にして欲しいなぁという気がします。水は量も必要だし、それから僕らが使う水はきれいな水じゃないといけない。だんだん水の汚れがあちこちで広がっているので気をつけないと。
特にこれから水が世界中で不足すると言われている。実際に今でも水の不足が起きている所があるし、水が汚くて飲めない。あるいは飲んだら病気になり、毎年300万人ぐらいの人がそれで亡くなっていると言われてます。300万人というと、茨城県や京都府、広島県の人口、それよりも多いぐらいなんですね。
大村正樹
世界中で水がないがために300万人が亡くなっている。大変な数ですね。
  ええ。そのうちの9割はキッズですから。
大村正樹
子どもたちが! 270万人ぐらいが子どもたち!
  そうです。そういうふうに言われています。そういう意味では水を大切にして、水を汚さないようにすることも気をつけて欲しいですね。
大村正樹
まだ日本は幸せですよね。水道の水、最近は飲む傾向は少ないけれど、飲める水が出てくるわけですものねぇ。国によっては、そういう水が飲めない国はいっぱいありますもの。
水を手に入れるのも本当に1時間、2時間歩いて水が溜まっている水場に行くという暮らしをしている人も世界には多いんです。
大村正樹
そうですねぇ。2週にわたって聞いて、水って当たり前だけど、改めて水のことを考えてもらう機会になればよかったかなと思います。
地球
 
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