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過去の放送分 過去の放送分 2008 8月9日 放送分
「ロボットの話」(1)
コーチャー/高西淳夫さん(早稲田大学教授)
大村正樹&高西淳夫
大村正樹
キッズのみんな、こんにちは。夏休みはこれからが本番。それからオリンピックも始まったよね。みんなはオリンピック派?それとも外で遊ぶ派?さぁ今日のテーマは一家に1台あったら便利なロボット。実は、日本はロボット技術がとっても発達している国なんだそうです。その辺りをサイエンスコーチャー、略してサイコーに聞いていこう!今週のサイコーは、早稲田大学教授の高西淳夫(アツオ)先生です。こんにちは。
こんにちは。
大村正樹
先生は、今日このラボに来る時に渋滞に巻き込まれたそうですね。
  そうです。カーナビで首都高を使う案内が出てきたから乗ったのはいいんですが、しばらくして全然進まなくなっちゃいました。
大村正樹
先生はロボットのご専門ですが、渋滞を避けるロボットはいないんですか?
  カーナビが進化すれば色々な予測をして、もっと早く着くルートを教えてくれるんじゃないかと期待しています。
大村正樹
車についているカーナビは、ロボットの一種と考えていいんですか?
  カーナビがルートを検索して、自分でハンドルを動かす。そうなったらロボットと言ってもいいのではないでしょうか。
大村正樹
カーナビがハンドル操作し出したらロボットかぁ。先生はロボット研究の第一人者と聞いていますが、ロボットって小さなお子さんでも分かる言葉ですよね。そもそもロボットって、何語ですか?
現在はチェコ、昔はチェコスロバキアと呼ばれていた国の劇作家でカレル・チャペックという人が、自分の作品の中でロボットという言葉を使ったんです。
大村正樹
それはどういう意味ですか?
  元々チェコ語で、労働者とか奴隷という意味の「ロボター」という言葉があって、そこから来た名前と言われています。
大村正樹
ロボットというのはチェコ語ですか。じゃあ、チャペックという人はいつ頃の人ですか?
  ロボットという言葉が最初にでてきたのは1920年です。
大村正樹
今から90年ぐらい前かぁ。ロボットという言葉が生まれてから、相当進化しているわけですよね?
  私たちはそう思いたいですけれど・・・。
メーター
 
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大村正樹
何か物足りない部分があるんですか?
  私の小さい頃、昭和30年代、40年代なんですが、『鉄腕アトム』や『鉄人28号』といったアニメで見た21世紀はすごく明るい未来で、ロボットや自動車が空を飛んでいたんですよね。そういう希望、あるいは予想を持って努力していますが、本当に役立つロボットをつくるのはなかなか大変です。
大村正樹
僕も子どもの時に描いた21世紀は、車が空を飛んでたんですよね。もし飛んでいれば今日みたいな渋滞に、はまらなくて済んだわけですよ(笑)。
いまだにタイヤ式ですね(笑)。
大村正樹
じゃあ、先生が小さい時にイメージしていたロボットまで、進化できていないということですね。ちなみに先生の中で、テレビやアニメに出てくるものも含めて最高のロボットは何ですか?
最高というのはいろんな見方があると思いますが、自分にとって本当にロボットだなと感じたのは、『宇宙家族ロビンソン』というアメリカのテレビシリーズです。
大村正樹
『宇宙家族ロビンソン』は相当昔ですね。
  ハハハハ。この中にフライデーというロボットが出てくるんですが、科学的な予測や通訳などをして、ロビンソン家族をサポートするんです。
大村正樹
家事とか手伝いを全部やってくれるんですか?
  手伝いもやるんだけど面白いのは、ただ命令されることをやるだけではなくて感情を持っているんです。ちょっとアマノジャクな人物とのやりとりもあって、人間と機械の関わりみたいな、面白い部分が描かれているんです。
大村正樹
『絶対彼氏』というドラマも、速水もこみちさんがロボットの設定なんですよね。
  私も何回か観ました。
大村正樹
ああいうの、やっぱり興味あります?
  そうですね(笑)。技術者でない人たちが、ロボットに対してどういう期待や予測をしているか、もちろんストーリーも含めて非常に興味があります。
車
 
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大村正樹
実際、専門家からみて速水もこみちさんのロボットはどうだったんですか?
  いやいや、あれはとても現在の技術では実現できません。
大村正樹
そうですか。映画でも『僕の彼女はサイボーグ』というのがありましたけれど、あの辺もかなり難しい?
  全く難しいと思いますね。サイボーグとロボットはちょっと違うんですけどね。
大村正樹
そうですか。色々なロボットがありますけど、そもそもロボットって何ですか?例えば身の回りにあるもので言うと。
  実は定義が非常に難しいんです。例えば、日本にはJIS規格というものがあるんですが、そこでは「プログラムすることができて、移動あるいは作業ができる機械」と定義されています。そう考えると自動車もロボット的だし、今は冷蔵庫もしゃべる時代。だから、私たちのまわりにロボット的なものはたくさんあります。でも人間のように動くわけではないので、みんなが考えているロボットとの間にギャップがあると思います。
大村正樹
僕はこの間、科学未来館でASIMOを観てきました。あれはロボットですよね?
  そうですね。あれぐらいになると本格的なロボットといえるでしょう。
大村正樹
じゃあこの間、羽田空港で自動的に走る車を見たんですが、あれはどうでしょう?
  それも研究者の間では、一種のロボットと考えられています。
大村正樹
では、最近通販でも売っている、床を掃除しながらクルクル回る円盤みたいなものはどうですか?
  それもロボットに近いと思います。結局ロボットは、センサーと電動モーター、コントローラーという三つの要素を持っているものだと言えます。それでいて、人の仕事をかわりにやってくれるものをロボットと言っていいかなと考えています。
大村正樹
ちなみに、世界的に見た日本のロボットのレベルはどれぐらいですか?
  総合的に考えると、私は日本が世界一だと思いますよ。
道路
 
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