過去の放送分
過去の放送分 過去の放送分
「鳥の話」(1)
コーチャー/細川博昭さん(サイエンス・ライター)
大村正樹&細川博昭
大村正樹
キッズのみんな、こんばんは。サイエンステラーの大村正樹です。3学期はあっという間だから、もう2ヶ月もしたら次の学年への準備が始まるねぇ。みんな、風邪引いてない? 元気に過ごしましょう。今日は、鳥に詳しいサイエンスコーチャー、略してサイコーがやって来ます。番組もずい分長くやってるんだけど、実は鳥だけに絞って話を聞くのは初めてなんだよね。みんなが知らないことがいっぱいあるから、じっくり聞いていきましょう。今週のサイコーはサイエンス・ライターの細川博昭さんです。こんばんは。
こんばんは。よろしく。
大村正樹
細川さんは鳥みたいな顔をしてるんですよ。今、目の前にいらっしゃるんですが。
  フフフフ。
大村正樹
そしたら鳥の専門家で、すごい!『鳥の脳力を探る』という本を出していらして。写真あり、図解ありの非常にカラフルな本で面白かったです。
ありがとうございます。
大村正樹
この番組2年以上やってるんですが、鳥だけにこだわったのは今日初めてなんです。鳥って何種類ぐらいいるんですか?
  数え方にもよるんですが一応8800種ぐらいといわれています。
大村正樹
それは多いのか少ないのか、どうなんですか?
  哺乳類が4000とか5000といわれてますので、ざっと見て哺乳類の2倍です。
大村正樹
ダチョウ以外はみんな飛べるわけですよね。
  いえ、ペンギンも飛べません。
大村正樹
ペンギンも鳥なんですか?
  ペンギンも鳥です。
大村正樹
えっ、本当に!?みんな知ってた?ペンギンが鳥って知らなかった。
  ペンギンは空を飛べないけれど、海の中を飛ぶように泳ぐ。
大村正樹
あと意外なところで飛べない鳥って何ですか?
  ダチョウ、ペンギン。あとは滅んでしまったんですが、昔ニュージーランドにモアというすごい大きな鳥がいました。
大村正樹
へぇ〜。
  もういなくなってしまったんで、ニュージーランドで『ノーモア』という童謡もあるぐらいで。
大村正樹
『ノーモア』、シャレですねぇ。
  そうですねぇ(笑)。
大村正樹
8800種類もいますが大きいのからちっちゃいのまで、全部把握されてるんですか?
  全部見たことがあるわけではないですが…。
大村正樹
一番ちっちゃい鳥はどれぐらいですか? スズメよりちっちゃい鳥はいるんですか?
  ええ、全然ちっちゃい。赤ん坊の手の平ぐらいの本当にちっちゃい鳥が。
大村正樹
マメハチドリ。それは日本人がつけた名前で、カリブ海のほうではマメハチドリと言わないですよね?
  そうですね。地元は地元で名前があります。
大村正樹
赤ちゃんの手の平ぐらいの大きさがあるということは、見た目にはそんなにちっちゃくないけれど、めちゃめちゃ軽いですね。見たことはありますか?
それはないです。
ペンギン
 
このページのトップへ
大村正樹
日本にいるんですか?
  日本では生活できないので、いませんね。
大村正樹
マメハチドリ。すぐ外敵にやられちゃいそうですが大丈夫ですか?
  結構機敏に動きますし、周りに敵の鳥がいるような所には行かない。
大村正樹
飛べるんですか?
  飛べます。
大村正樹
じゃあ、お母さんもちっちゃいわけですよね。
  はい。
大村正樹
大きい鳥はどれぐらいですか?
  大きい鳥はアホウドリの仲間で、すごく大きいワタリアホウドリというのがいるんです。翼を広げると3.7メートルぐらいなので、人間の大人よりも全然大きい。
大村正樹
車1台分ぐらいの大きさの翼を持っているワタリアホウドリは、どこで生活しているんですか?
  太平洋のほとんど海上です。
大村正樹
太平洋の海上ということは、ハワイとか行ったら見られるかも分からない。
  長い海域を飛び回る鳥なので、どこで見られるか確証はないですけれど。
大村正樹
船でアメリカまで行ったら、どこかで見つかるかも分からない?
  そうですね。
大村正樹
へぇ〜。鳥って大きいのも小さいのもいますが、いくつぐらいまで生きるんですか?
  鳥の種類によって違ったり、野生だと敵に襲われてすぐ死んでしまう鳥もいますが3年から10年ぐらい生きる鳥がほとんどです。でもインコでは、南米に住むコンゴウインコという大きな鳥がいて100年ぐらい生きたりします。
大村正樹
コンゴウインコって色鮮やかなんですか?
  そうです。
大村正樹
おばあちゃんになっても色鮮やかなまま?
  色は変わらないです。
大村正樹
そうですか。ラジオを聴いてるキッズの家でもイヌやネコは飼えないけれど、鳥なら飼おうという家庭も多いと思いますが、元々日本で鳥を飼うという文化はいつ頃から始まったんですか? やっぱり戦後ですか?
いえ、日本人はもうずーっと昔から鳥を飼ってきてまして、一般庶民が飼うようになったのは江戸時代からです。
大村正樹
じゃあ150年前とか、200年前から?
  200年ぐらい前からです。
大村正樹
へぇ〜。江戸時代から鳥カゴで飼ってたんですか?
  そうです。愛玩用で飼ってました。
大村正樹
やっぱり「おはようっ」とか言ってたんでしょうかねぇ、昔の江戸時代の人も。
  インコとかオウムは余り一般庶民は飼ってなくて、野にいる鳥をつかまえてカゴに入れて飼うのがほとんどだったので叫ぶ鳥はいない。
あほうどり
 
このページのトップへ
大村正樹
どういう種類を飼ってたんですか?
  近場にいるヒヨドリとかセキレイとかスズメを飼って、馴らして手乗りにして遊んだり、カナリアやブンチョウもその時代にはすでに入ってきてたので、飼ってた人もいます。
大村正樹
ブンチョウね。あっ、夏目漱石の『文鳥』というのもありますし、なるほどねぇ。ちょっと今日は番組のプロデューサーが細川先生に「鳥はバカかどうか?」聞けって(笑)。
ハハハハ。
大村正樹
僕らはちっちゃい頃に、脳を持っている動物の中で一番脳が小さいのは鳥だと習ったんですけど、鳥は頭いいんですか悪いんですか?
  鳥は頭がいいですよ。
大村正樹
いいんですかぁ?どれぐらいいいんですか?
  そうですね、チンパンジーに近いぐらい。
大村正樹
えっ? 本当ですかぁ。
  そういう鳥もいる。
大村正樹
へぇ〜。例えば、どんな鳥が頭がいいんですか?
  インコとかカラスの種類がかなり。
大村正樹
カラスは学習能力があるといいますね。だから、追っ払えなくて困ってますものね。街のカラスがゴミをあさったりとか、逃げたりするのもうまいし。
そうですね。
大村正樹
カラスはどんなふうに頭がいいんですか?
  よく見られるのが、テレビのコマーシャルでも使われていますが、仙台にいるカラスは車の通る所にクルミを置いてタイヤで割らせて食べるという。
大村正樹
文明の利器に堅いクルミを割らせて食べちゃう。利口なカラスですねぇ。ずるいじゃないですか(笑)。
  ハハハ。口ばしで割ろうとしても割れないので、それだったらちょっと堅いものに割ってもらって食べようということで、車に割ってもらうとか高い所に飛び上がってコンクリートや石の上に落として割って食べるとかします。
大村正樹
それは仙台にいるんですか?
  仙台のほうにいます。
大村正樹
へぇ〜。あとは、どんなふうに頭がいいんですか?
  よく人間を観察していて、自分に悪さをする人間をちゃんとチェックしたりするんです。それと同じように「のどが渇いたなぁ」と思いながら公園で人間が水を飲んでいるのを見て、コックを下げれば水が出るのを覚えたんです。人間がいなくなったスキに水道へ行って、口ばしと足でコックをきちんと下げて水を出して飲んで去るという。
大村正樹
ひねる蛇口ではなくてレバーを上下するやつを。
  ええ。
大村正樹
じゃあ最近ですね。昔の時代はひねっていたからカラスはできなかったけど、便利になって「あぁ人間がこんなものつくったな。俺もやっちゃおう」とカラスの脳ミソで考えているんですね。へぇ〜。ちょっと待ってください。もう時間が来ちゃった。この辺りの話をまた来週伺ってよろしいですか?
はい。
大村正樹
今日のサイコーはサイエンス・ライターの細川博昭さんでした。ありがとうございました。
  ありがとうございました。
大村正樹
本当に鳥を誤解してたよ。プロデューサーもこのラボの助手も「鳥はオバカさん」だと思ってたのよ。頭いいんだねぇ。考えたら、みんなの通学路とかに必ず見る動物って鳥じゃない?あっちこっちにいるもんね。これから鳥を見たら、「鳥の知能はどれぐらいかなぁ?」とか考えながら興味を持って鳥に接してあげてね。
セキレイ
 
このページのトップへ