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「国際宇宙ステーション」
コーチャー/長谷川洋一さん(有人宇宙システム)
大村正樹&長谷川洋一
大村正樹
キッズのみんな、こんばんは。みんな知ってる? あの若田光一さん、国際宇宙ステーションで3ヶ月以上も滞在するって。日本人では、初めて宇宙に長く滞在して色々なことをやるみたいで、すごい僕は興味あるの。若田光一さんが何をしようとしているのか?その辺りが明らかになっていきま〜す。今週のサイコーも前回に続きまして、有人宇宙システムの長谷川洋一さんです。こんばんは。
こんばんは。
大村正樹
長谷川さん、衛星は日本だけのためにあるわけではない、という話を伺いました。
  はい。
大村正樹
地球全体を見るために、世界各国が技術を磨きながらやっている。でも、日本ならではの研究もしたいという話があるんですよね。
  ええ、もちろん。
大村正樹
例えば、どんな研究をしようとしているんですか?
  生物学では、宇宙での細胞の変化を調べることによって、将来、人間が宇宙旅行をもっと長く、火星まで行く時にどうなるかを研究しています。あるいは非常に進んでいる分野としては流体物理といいまして。まぁ名前が難しいんですが…。
大村正樹
幽体離脱ではなくて(笑)?
  流体物理。これは、水や液体が無重力でどういうふうに動くか。
大村正樹
丸い泡になるのではないんですか?
  なかなか分かってないんです。
大村正樹
違うんですか。必ずしもそうじゃない。
  とってもとっても分かってないことが多いんですよ。この分野だったら、もう日本は世界最先端ですね。
大村正樹
へぇ〜。
  そのほか科学だけではなくて宇宙ステーションですから、もっと色々な使い方ができるだろうということで。これは私も関わっているんですが”花伝説”という文化的計画を進行中です。
大村正樹
“花伝説”?
  はい、そういうのがあります。ちょっとご紹介してよろしいですか?
大村正樹
ぜひぜひ。
  今まで宇宙は科学者や技術者といった知識人が、難しいことをやって進んできたのは確かです。でもこれからは、せっかく日本の「きぼう」という宇宙ステーションができたんですから、みんなでもっと使おうと。「みんなで参加できる宇宙の計画がないかなぁ?」と考えた時に「そうだ!」と思いつきまして。それが「みんなの代わりに、身の回りにある花の種が宇宙旅行をするよ」というものでした。
大村正樹
宇宙で花を育てるんではなくて、僕らの周りにある花の種を宇宙に持って行こうということですか?
  そうです。
大村正樹
宇宙で花が咲くんですか!?
  宇宙で花を咲かせるのはまだちょっと先にして、まずは若田さんに「宇宙を飛んでるよ〜」というメッセージを届けてもらって、種を持ち帰ってきてもらう。その後、その種をみんなの手でもう一回育てる。こうすると、一粒の花の種が本当に宇宙を旅行して、その後、力強く芽を出したんだということをみんなで勉強できる。
水
 
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大村正樹
実際、宇宙を体験した種は、特別な花になったりする可能性はあるんですか?
  十分ありますねぇ。ただ私が思っている大事なことは、特別な花が咲くことよりも、宇宙を飛んできた種そのものが特別で、その命が特別。それが、もう一度芽を出してくれるかどうかが勝負だと思うんです。
大村正樹
なるほど。そのロマンですね。宇宙を体験したこの“種ちゃん”が特別な花を咲かせるかどうかよりも、宇宙に行った種が本当に花を咲かせるんだという感動ですね。
そうですね。
大村正樹
日本から輸出された車が日本へ戻ってきて、たたき売られるのとは全然違うわけですね。
  ハハハハ。しかも、これに参加する子どもたちにとっては、自分が採ってきたサクランボの種を洗って「はいっ」と預けると、それが本当に宇宙へ行って帰ってくる。これもひとつのロマン、夢ですね。
大村正樹
それを若田さんが宇宙に持って行って、また持って帰ってきてくれるんですね。
  そうです。
大村正樹
へぇ〜。じゃあ、夏の前には地球にその種が戻ってくるんですね。宇宙に滞在した種が!
  はい。
大村正樹
持って行く種には、どんな花の種類があるんですか?
  そこが大事でしたね。まずサクラ。
大村正樹
いいですねぇ。
  日本中から集めた有名なサクラ、樹齢何千年の日本三大サクラなどです。あとはスミレ、ユリ。スミレはコスミレ、学名がヴィオラジャポニカ。そして、ユリはササユリ、リリウムジャポニカ。
大村正樹
ジャポニカが入ってるんですね。
  そうですね。そこにこだわってコスミレとササユリ、そしてサクラを集めて宇宙に飛ばしました。
大村正樹
戻ってきたらどこに植えるか、もう決まっているんですか?
  集めてくれたみなさんの所に戻します。
大村正樹
あっちこっちから集まっているんですか?
  そうですね。サクラは日本14ヶ所、ユリ、スミレは16ヶ所。まず16ヶ所のみなさんにお戻しする。そして芽が出たら、欲しい方にどんどん分けていきたいと思います。
大村正樹
このプロジェクトに長谷川さんが関わっているんですか?
  そうです。
大村正樹
えっ、すご〜い!“種おじさん”と呼ばせてください。
  せめて、“花咲かおじさん”にしてください(笑)。
大村正樹
そうそう、そうしよう。“花咲かアンクル”、すご〜い!戻ってきて種をまく時は、たぶんニュースになりますね。
  きっとそうですね。
大村正樹
分かりました。若田光一さんは、とにかく日本人として初めて国際宇宙ステーションに長期滞在する方ですよね。
  そうです!それが大事ですね。
大村正樹
若田さんは何をやるんですか?
  若田さんのおそらく一番大事な仕事は、日本の宇宙ステーション「きぼう」を完成させることです。
サクラ
 
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大村正樹
未完成ですものね。
  船外実験プラットフォームという最後のパーツがこの後上がりますが、宇宙ステーションの中でも特に大事な部品です。
大村正樹
船外実験プラットフォームは、アメリカやロシアの実験棟にはないんですよね。
  ちっちゃいのはあるんですが。
大村正樹
日本のものが一番でかいんですよね。
  全然大きさが違うんです。そして、それを取り付けるには、宇宙でロボットアームを使わないといけない。若田さんはこのロボットアームを使うのが世界一うまいんです。
大村正樹
そうなんですか。それはNASAでも有名なんですか?
  有名ですねぇ。
大村正樹
じゃあ、UFOキャッチャーもうまいんですかねぇ。
  今度、本人に聞いてみます(笑)。
大村正樹
ハハハハ。ロボットアームの使い方はやっぱり難しいんですか?
  やっぱり難しいそうですねぇ。
大村正樹
そういった作業を若田さんが3ヶ月以上の滞在で行なっているわけですね。
  それから若田さんは、みんなのために“おもしろ実験”をやってみようと考えているそうです。これは宇宙ステーションにある日常的なもの、歯ブラシとかペンチとか水のパックを使って、あっと驚く手品みたいな実験をやってくれる。
大村正樹
それはライブで中継されるんですか?
  どうでしょうねぇ。ライブじゃないでしょうけれど、うまく行ったらきっとビデオで公開されると思います。
大村正樹
興味深いですねぇ。
  しかも、何をやるかはまだ秘密だそうです。
大村正樹
そうですか。へぇ〜。長期の滞在になると日本人には日本食が恋しいのかもしれませんが、外国の方にも人気があるといいますよね。
  そうですね。大事なことを忘れてました。今、日本では日本食を宇宙食にしようということで、続々とメニューを考えているんです。シャケ飯とか雑炊とか味噌汁とか、次々に新開発した宇宙食がNASAの検査を通って、若田さんが持っていく段取りになっています。
大村正樹
じゃあ、おいしい食事を国際宇宙ステーションでふるまったら、そこでも「光一よくやった。グッジョブ!」とか言われるわけですか?
そうですね。
大村正樹
たかが食事でも、やっぱり大事ですよね。宇宙ステーションは、若田さんより前から滞在してるアメリカ人もいるわけでしょ。その方に比べると若田さんまだフレッシュだから元気だし、新しい人が来たら嬉しいでしょうね。
でしょうねぇ。
大村正樹
それでロボットアームの扱いもうまい。最高ですよねぇ。もうおしまいの時間、早いなぁ。今月は完全に宇宙の話に終始したんですが、こういうのもいいですね。
夢が実現する年ですね。
大村正樹
今年はガリレオが望遠鏡を空に向けてから400年という天文年。
  天文年、まさしく宇宙の年ですね。不況なんて言ってられません。
大村正樹
そうですね。今年辺り2、3回来てくださいね。
  お願いします。
大村正樹
今週のサイコーは、有人宇宙システムの長谷川洋一さんでした。ありがとうございました。
  どうもありがとうございました。
大村正樹
前半に話を聞いた“花伝説”、いいねぇ。最初聞いた時は、“花伝説”だから「シクラメンとかカーネーションの花言葉は?」という話かと思ったら、宇宙へ一回旅に出た種がまた日本へ戻ってきて、そこで成長する姿を楽しもうという、すごい夢がある話。“花伝説”の種を植える時、サイエンスキッズみんなで行きましょう!それは遠くへ行ってもいいのかな? 東京に限るの?――どこへでも行こう!OK、OK。その時を楽しみにしてます。
宇宙ステーション
 
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