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「天気予報をさぐる」(1)
コーチャー/天達武史さん(アマタツタケシ)(気象予報士)
大村正樹&天達武史
大村正樹

キッズのみんな、こんにちは。サイエンステラーの大村正樹です。今週も東京浜松町にある秘密の科学研究所シークレットラボからお送りします「大村正樹のサイエンスキッズ」。 さぁ、今日のテーマはお天気。ということで、みんなも天気って、けっこう気になると思うんです。今日のサイコーは、出てきたらもう顔がポッと思い浮かぶようなサイコーが登場します。最新のアンケートでは、気象予報士の好感度3位に入っている、あの人です!


大村正樹

今週のサイコーは、気象予報士の天達(アマタツ)さんです。こんばんは。

こんばんは。よろしくお願いしま〜す。


大村正樹

分かる人は分かると思うのだけれど、大村さんと天達さんは、実はちょっと関係が深いのよね。

はい。もうだいぶ深いと思います(笑)。


大村正樹

で、今日はゲストということで(笑)。すごく、くだらない話だけれど、僕の知り合いで「天達さんって、本名は何ていうの?」って。「アマリタツヤさん、を略してアマタツさん?」という人がいるんだけど(笑)。

ハハハ。よくいわれます。

大村正樹

でしょ。天達さんは、フルネームは何ていうんですか?

天達武史(タケシ)といいます。


大村正樹

ということで、天達がほんとに名字ですよね。

そうなんです。


大村正樹

この天達さんですが、幻冬舎から『知識ゼロからの天気予報学入門』という、まさにこの番組のために書いてもらったとしかいいようのない…。

ハハハハ。

大村正樹

天達さんのかわいらしいイラストつきの本が出版されてるんですけれど。

かわいいですかねぇ(笑)。


大村正樹

これは、何歳ぐらいの人をターゲットに出したんですか?

なるべく小さい子から、おじいちゃん、おばあちゃんにまで幅広く見てもらいたかったんですが…でも、だいたい小学校4年生ぐらいから、おじいちゃん、おばあちゃんまでに読んでもらえると思うんですけどね。


大村正樹

まさに、サイエンスキッズのために出したような本じゃないですか!
僕も1冊いただいたんですけれど、これはほんとに面白い!

ありがとうございます。


大村正樹

夏場にもう1回キャンペーンしたら、自由研究用に売れる、これは。

えっ、ほんとですか?

大村正樹

でも、ちょっと出すの、早すぎましたね。何で春先に出すの?

ダメですかねぇ(笑)。

大村正樹

さて、天達さんは天気の達人といわれてますが、今回、ラボの助手も含めて「天気の基本的な用語は何?」という話をして、助手も知らないことが多かったんです。例えば、「アメダスってどこにあって、どんな形をしてるの?」とか。

あぁ。

大村正樹

「『ひまわり』ってどこにいて、何を情報として送ってくれるの?」とか。あと、「降水量はどこで測ってるの?」とか。

はい、はい。

大村正樹

いろいろなことを聞きたいんですが、まず、アメダスって有名じゃないですか…。

そうですよね。これは、気象庁が全国1300ヵ所に無人の天気を測る場所を作ったんですよね。つまり、人がいないんですね。アメダスとはいいますが、雨だけじゃなくて気温や風とか、雪もそうです。あと日照時間、この4〜5つを自動的に測ることができるシステムのことなんです。

大村正樹

例えば、このラボの近くの浜松町だったら、アメダスはどこにあるんですか?

浜松町だったら一番近いのは、大手町になりますね。


 
大村正樹

気象庁がある場所? その中にアメダスがある。

そうですね。気象庁の中にも、――あっ、気象庁は有人ですね(笑)。 気象庁は人がちゃんといるところですが、その脇にアメダスといって、人がいなくて自動的に測れるところがあるんです。


大村正樹

気象庁の敷地の中に?

そうですね。横にあります。

大村正樹

それは、全国何ヵ所ぐらいにあるんですか?

だいたい、いまは1300ぐらい。

大村正樹

1300! ということは、アメダスがある場所は、“ここはアメダス”と書いてあるんですか?

あっ、書いてないですね。

大村正樹

こっそり?

こっそりあります(笑)。

大村正樹

じゃあ、町の片隅にアメダスがあるということですか?

そうですね。町の中に芝生があって、芝生の中に自動で測れる雨量計とか気温計とか、小学校に昔あったかもしれませんが、百葉箱に似たようなものがこっそり置いてあります。

大村正樹

だけど、そこは普通の人が立ち入ってはいけない場所ですか?

そうです。金網がちゃんと張ってあって。なるべく地面の摩擦などがないようにしてありますので、人があまり近づけないようになってますねぇ。

大村正樹

だけど、外から見たら「アメダス」とは書いてないんですね。

書いてないです。

大村正樹

何らかの、例えば変電所の敷地内とか、ビルの間の芝生があるような公園の一角とか?

そうですね。

大村正樹

その立入禁止の中に、アメダスがあるかもしれないということですか?

そうですね。だいたい、多くは市役所の中などが多いですかね。


大村正樹

あぁ〜、なるほど。実際、アメダスって何色ですか?

何色? まず、下の芝生が緑ですが、機械は全部、銀色です。

大村正樹

銀色。へぇ〜。たたみ何畳ぐらいのスペースにアメダスがあるんですか?

どのぐらいですかねぇ。おそらく、たたみ…20、30m四方ぐらいの大きさですね。

大村正樹

アメダスけっこう、でかい!

大きいです。25mプールより、ちょっと大きいぐらいでしょうね。

大村正樹

えっ、何だ、アメダスって百葉箱のイメージかと思ったんですけど。じゃあ、学校のプールみたいな大きさのものが、全国に1300ヵ所あるということですね。

そうですね。

大村正樹

アメダスって、“アマタツ”って名字を持ってると、自分と類義語という感じがしませんか?

ハハハハ。ちょっと勉強し始めの時に、仲間みたいな感じがしましたね(笑)。


大村正樹

やっぱり(笑)。じゃあ、そのアメダスで気温や雨量、降雪量とか降水量とか風を一緒に全部測るってこと?

そうですね。昔は人がいて手で測ったりもしていたようですが、今は人が少なくなって自動です。機械が発達してきたので、気象の世界でも、どんどんどんどん機械化が進んできてるんです。

大村正樹

へぇ〜。アメダス、見たくなってきた!

ハハハハ。

大村正樹

みんなの家の近くにもアメダスあるかもしれないよっ。気をつけて。
あと、気象衛星「ひまわり」がありますよね。あれの役割は何ですか?

あれは、北半球の空から、――空はだいたい3万5千キロぐらいの上空です。かなり高いところから…。

大村正樹

衛星の軌道ね?

はい。そこから雲を見ているんです。


大村正樹

雲を見るのが「ひまわり」の役割ですか?

そうなんです。

大村正樹

へぇ〜。だから、「気象衛星ひまわりの映像です」といって、何時間ごとの雲の動きがありますよね。じゃあ、「ひまわり」が出しているのは、雲の画像だけですか?

基本的には雲ですが、もうひとつは水蒸気の画像があって、水蒸気の多いところや少ないところが分かるものもあります。「ひまわり」で測れるんです。


大村正樹

「ひまわり」からは、雨が降ってるとか晴れてるとか、天気の様子は分からないんですね?

「ひまわり」で雲を見るんですが、より白っぽく見えるところは雲が分厚いので、雨雲の可能性が高いんですね。だから白や灰色の雲の色で、どんな雲かを判断することができます。

大村正樹

何となく降水量は分かるけれど、気温は分からないですよね?

気温は分からないです。


大村正樹

この仕事は、天達さんみたいな人を見て「僕もああなりたい!」とか、お天気お姉さんを見て「私もこうなりたい!」という人が昔から多かったと思うんですけれど、実際なってみて内側に入ってみると、何か感じたことはありますか?

いやぁ、『とくダネ!』のテレビでお天気は2、3分ぐらいですけれど、この中に音声さん、カメラさんがいて、プロデューサー、ディレクター、ADなど…、本当に何十人もの方が関わっている。2分という番組の中で、いろいろサポートしてくれ、その代表として僕がしゃべっている。そんなふうに感じますね。

大村正樹

はい。じゃあ、そもそも「気象予報士になろう」と思ったきっかけは何ですか?

実は、前職がファミリーレストランで、9年間ずっと働いていたんです。アルバイトから入ったんですが、社員が少ないのでだんだんとアルバイトの仕事が増えてくる。で、僕は食材の発注を任されていたのですが、お店が海岸の店舗だったので、お客さんの入りが、晴れてる日と雨の日だと倍以上ぐらい全然違うんです。

大村正樹

海沿いだから、観光客の方とか。

はい、そうです。そこで、毎日天気予報を気にしながら野菜とか発注していたんですね。でも、天気予報がはずれちゃう時もあるわけですよ。そうすると、やっぱり上司からも怒られるし、お客さんにも迷惑かけちゃう。そういうのがあって、だったら自分で予報をやれたら、もっとファミレスの食材の発注がうまくいくんじゃないかなと思って(笑)。それで始めたのがきっかけなんです。

大村正樹

それで、自分で勉強し始めて、気象予報士の資格を取ったんですね。

はい。

大村正樹

資格取っちゃったら、ファミレスやめちゃった。ある意味すごいけれど。

ハハハハ。


大村正樹

あっという間だったよ、天達さん。実は、天達さんからプレゼントがあります。教えてください。

はい。僕が今年の2月10日に本を出しました。『知識ゼロからの天気予報学入門』。こちらは、小学校4年生ぐらいから幅広い年齢層の方に読んでもらえると思いますので、ぜひ本屋さんで見かけたら、興味のあるページから見ていただければ幸いです。


大村正樹

天達さん、ありがとうございました。また来週もよろしくお願いします。

はい、よろしくお願いします。