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「ミツバチの話」(1)
コーチャー/越中矢住子(コシナカ ヤスコ)さん
大村正樹&越中矢住子

大村正樹

キッズのみんな、こんにちは。サイエンステラーの大村正樹です。今週も東京浜松町にある秘密の科学研究所シークレットラボからお送りします「大村正樹のサイエンスキッズ」。夏休みも残りわずかになっちゃったねぇ。みんな、自由研究とか終わったかなぁ。いい思い出いっぱいできたかなぁ?悔いのない夏休みを過ごしてください。さぁ、今回のテーマはミツバチ。今年の夏、『みつばちハッチ』の映画観た? 大村さんは子どもの時からこのハッチの映画に弱いのよ。ということで、身近な生き物だけどけっこうミツバチのこと知らないと思うんだよね。お知らせの後、サイコーの登場で〜す。


大村正樹

今週のサイコーは、フリーライターの越中矢住子(コシナカ ヤスコ)さんです。こんにちは。

こんにちは、よろしくお願いいたします。


大村正樹

お願いしま〜す。越中さんは、ソフトバンククリエイティブから『ミツバチは本当に消えたか?』という本を出されてます。ミツバチってすごく貴重だといわれてたりとか、僕、銀座のミツバチに興味があって、そこのお菓子を好んで買ってるんですね。

はい。


大村正樹

銀座産のハチミツのマドレーヌが大好きなんです。

おいしそうですね。


大村正樹

銀座にミツバチがいることが信じられなかったんですけれど、ミツバチはあちこちにいるんですか?

あちこちにというよりは、花蜜源があるところには飛んでくると思います。


大村正樹

花のあるところに飛んでくる?

蜜がある花、花粉がある花ですね。


大村正樹

例えば、どんな花ですか?

今の季節ですとヒマワリとか。ちょうど夏場は花枯れになりますが、ちょっと前ですとレンゲとか有名ですよね。


大村正樹

じゃあ、秋になると?

秋になるとまた違う花が咲くのでそれなりに飛んでは行くと思いますが、ちょうど夏場がないものですから、蜜を集める養蜂家さんたちは北海道のほうへ移動しています。


大村正樹

ハチというと、何か怖いイメージがあるわけですよ。スズメバチとか。

そうですねぇ。


大村正樹

スズメバチは刺されたら危ないじゃないですか。ミツバチは刺されても多少大丈夫ですか?

アナフィラキシーショックを受ける方は危ないと思うんですが、1箇所ぐらいだとそんなに問題ではないと思うんですが、10箇所も刺されてしまうと、やはり同じセイヨウミツバチでも危ないことはあると思います。


大村正樹

僕はハチはやっぱり苦手で…。ハチがいると、例えミツバチでも「来ないで!」と思う。やっぱり好きですか?

はい、大好きです。


大村正樹

ウソ!? かわいいと思うんですか?

かわいいと思います(笑)。


大村正樹

えぇ〜! 何がかわいいですか?

飛んでる仕草ももちろんかわいいですが、集団で人間みたいに組織立って事を起こすということは、とてもすばらしいと思うんですね。それがああいう1匹1匹知能がどれぐらいあるか分からない昆虫で成り立っているのは、やはり興味深くておもしろいものですね。


大村正樹

確かに役割分担があるんですよねぇ。

ええ。


大村正樹

ハチは女王蜂が一番えらいのは、どのハチも同じですか?

どのハチも同じだとは思いますが、いろいろな種類がいますので…。ちょっと分からない種類もあるんですが、どのハチも同じカースト制度をとっていると思います。


大村正樹

カースト制度ね、なるほど(笑)。だいたい女王蜂がいて、ミツバチの世界にも女王蜂がいるんですね。

そうですね。


大村正樹

ミツバチの暮らしはどれぐらい、何匹単位でひとつの家族ですか?

はい。強群と弱群というように群れの勢いによって分けられるんですが、弱いものは約1万匹弱から。


大村正樹

弱くて1万!?

はい。それぐらいで、強いものは4万匹以上になってます。


大村正樹

へぇ〜。何か戦国武将の勢力分布みたいな感じですね。

そうですねぇ。


大村正樹

強群が4万匹ぐらいですか。それはどれぐらいのところに4万匹いるんですか?

巣箱2箱だとか、巣箱1箱の中に4万匹がいますね。ブンブンブンブン、ワンワンほえているというか、勢いがいいのは見てすぐ分かります。


大村正樹

あの巣箱は大きさどれぐらいですか?

このぐらい(笑)、ミカン箱といっていいでしょうか。


大村正樹

ミカン箱に4万匹のミツバチがいる。

強群ではそれぐらい。


大村正樹

強いところで。その中に女王蜂は1匹しかいないんですか?

1匹しかいません。


大村正樹

どうやって選ばれるんですか、女王蜂は?

その中で一番早くできたりするものや、体が大きかったり。たまたま女王蜂が2匹いると今度は新女王蜂の決闘が起こったりしますので、王位争いができてしまいます。


大村正樹

へぇ〜。

ただ養蜂の場合は、そういうことになってしまうと女王蜂が弱くなってしまいますよね。ですので、そのようなことが起こらないように養蜂家の場合はうまく調整します。


大村正樹

養蜂というのは、ハチを飼う人たちのこと?

そうですね。ニホンミツバチで自然のものに関しては、もしかしたらケンカが起こってる状況があるかもしれませんが、セイヨウミツバチは家畜種なので、養蜂農家をしている方々はそのようなことが起こらないようにうまく調整します。


大村正樹

なるほどねぇ。女王蜂が1匹いて、子どもたちは全員女王蜂の子どもですか?

そうです。


大村正樹

えっ!

全員女王蜂の子どもですが、父親は違います。


大村正樹

はぁ〜。

父親は一緒というわけではないです。


大村正樹

1回の産卵で卵を何個産むんですか?

1日にですか?


大村正樹

わかりません(笑)。どれぐらいの頻度で産むかわからないので。

女王蜂は2年半ぐらい生きて、毎日卵を産み続ける。


大村正樹

えぇ〜!

それが何万個にもおよぶといわれてますが、数はいろいろと上下あると思います。結婚式をだいたい10回ぐらい行ない、中に遺伝子を埋め込みまして、2年半の間ずっと−越冬中は除きますが産卵を行ないます。


大村正樹

はぁ〜。すっごい体力ですねぇ。

そうですね。そのためにローヤルゼリーを摂取して…。


大村正樹

えっ、ローヤルゼリー!? ちょっと待って、ローヤルゼリーって人間が飲むものではないんですか?

もともとローヤルゼリーは、女王蜂とか女王蜂になるサナギや幼虫が飲むものですね。


大村正樹

それは働きバチが「女王様、ローヤルゼリーをどうぞ」と差し出すわけですか?

そうです。


大村正樹

え〜、すごい! ちょっと待ってください。4万匹のうち女王が1匹、あとはどんな役割のハチがいるんですか?

働きバチといわれる育児の世話とか掃除、外へ行って蜜を取ってくる働きをするハチ、メスですね。それ以外にオスの遺伝子を残すために存在するオスバチがいます。


大村正樹

オスは働かないんですか?

オスは働きません。


大村正樹

知らなかった〜、ちょっと待って(笑)。

でも、オスも必要なんです。オスの遺伝子は必要なんです。ですので、働かないから不必要かといわれるとそうでもないんですね。


大村正樹

何かイメージがわきました。4万匹の中にトップの女王蜂が1匹、働きバチと呼ばれるハチたちはみんなメス。そして、オスは遺伝子を残すために役立っている。

はい。


大村正樹

その中でまた細かい役割分担、子育てをしたり外まわったり、巣の整備をしたりということですね。

はい。


大村正樹

だから、かわいいんですね。

そうですねぇ。それだけいろいろなことを教えられたわけでもなく、みんな自分でわかって行動しているようなところですね。あの巣箱の中にその生命体が詰まっている状態を見た時に、すごく感動しました。その中で分担が起こっているわけですよね。どの巣箱の中でも起こっているので、やはりそれは感動ものでした。


大村正樹

ラジオを聴いてるキッズたちも、巣箱をず〜っと見ていれば、役割分担が目に見えてわかるものですか?

いえ、巣箱の中を開けてみないとわからないので。それでも今ハチが飛んで行ったと思うと「ハチは蜜を集めに行ったんだなぁ」とか、せわしく動いていると「この中で蜜を集めたり、育児をしたりしてるんだなぁ」ということが想像でわかってきます。


大村正樹

なるほど。

見てわかる場合もありますけれど。


大村正樹

わかりました。もう、こんな時間。ちょっと越中さん、時間あっという間だったでしょう?

あっという間でしたね。


大村正樹

僕が興味を持ったのは、「ハチが家畜だ」とさっきおっしゃった。ちょっと衝撃だったので、その話をまた来週うかがってよろしいですか?

はい。よろしくお願いいたします。


大村正樹

今週のサイコーは、フリーライターの越中矢住子さんでした。ありがとうございました。

どうもありがとうございました。


大村正樹

越中さんは、ソフトバンククリエイティブから『ミツバチは本当に消えたか?』という本を出しています。ミツバチのこと、大変詳しい方でした。いよいよ来週だねぇ。年に一度のシークレットラボ大公開。応募してくれたキッズ、会うの楽しみにしてるから、よろしくねっ! それでは来週も夕方5時半に会いましょう。ラボに来るキッズはもっと早い時間に会おうね。ということで、みんなバイバイ!