
キッズのみんな、こんばんは。サイエンステラーの大村正樹です。今週も東京浜松町にある秘密の科学研究所シークレットラボからお送りします「大村正樹のサイエンスキッズ」。今回のテーマは星空。冬って空気が澄んでるからか、星空きれいなんだよ、眺めてみて。星を眺めると何かロマンチックな気分になるじゃない。それから、どこからともなく音楽が聴こえてくるようなイメージないですか? お知らせの後、サイコーに聞いてみま〜す。

今週のサイコーは、博物館学芸員の駒井仁南子さんです。こんばんは。
こんばんは。

駒井さんは、プラネタリウムのプロなんですね。もうかれこれ20年近くプラネタリウム業務に携わっていらして、現在は各地の科学館やプラネタリウムで解説をされていらっしゃる。じゃあ、プラネタリウムの説明するお姉さんですね。
はい(笑)。

声がつややかで。
どうでしょうか(笑)。

どんな感じでやるんですか?
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フフフ。

じゃあ、子どもたちがいます。100人来ました。ピィ〜、暗くなりました。はい、どうぞ。
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「みなさん、こんばんは」。

「こんばんは〜」。
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「こんばんは。日が暮れて、たくさんの星が見えてきました」。

5時半はそんな感じなんですね。たくさんの星が見えてきて…。
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一番星が見えてきて。

一番星って、ちなみに何星のことですか?
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今の季節は金星ですね。

地球の隣の星ですね。
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はい、そうです。

そうか。じゃあ、金星が一番光っている星ですか、この時間?
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そうですね。

どっちの方角ですか?
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西のほうです。

西。じゃあ、太陽の沈んだ方角を見ると金星が見えてきていますね、5時半。
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はい、見えてきてます。

わかりました。駒井さんは誠文堂新光社から『星空がもっと好きになる』という本も出版されています。“星大好き歴”は、かれこれ何年ぐらいですか?
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え〜と、そうですね、20年以上は好きです。

20年以上ずっと。きっかけは何ですか?
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いろいろあって「これっ!」というのはなかなか難しいのですが、一番最初の印象的なできごとはプレアデス星団でした。

えっ、プレアデス星団?
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星団は星の団体さんということで、おうし座にある星の団体です。

僕、4月生まれでおうし座でございます。
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そこにあります。

おうし座っていう星座は本当にありましたっけ?
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あります。オリオンと向かい合っているので、とっても見つけやすい星座です。

そのおうし座の中にプレアデス星団というのがあって、これは肉眼でも見えるんですか?
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ええ。それを見て、探すのがきっかけで星が好きになりました。

へぇ〜。おうし座って牛の形をしてるんですか?
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はい。

だいたいねぇ、星座はあてつけみたいなもので「何だよ、これ?」って思うんですよね、けっこう(笑)。
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ハハハ。

いて座とか弓矢が見えてないのに「何を思って、いて座なんだ?」と、いつもけっこう冷めた目で見てるんですよ。こじつけじゃないかみたいな(笑)。
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わかります(笑)。

おうし座があって、その星団があって…。星団はどんなふうに見えるんですか?
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それぞれいろいろ見方があるんですけれど、おうし座には二ツ星団があってプレアデス星団はゴチャゴチャ集まった感じで見えます。

ふ〜ん。
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羽子板のように見えることから、日本では羽子板星と呼ばれたりもしています。

へぇ〜。
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あと、すばるって呼ばれています。

あっ、すばるねっ! すばる星団ですね。
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そうですかね。

それは、プラネタリウムで見たことがあります。
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ありますか?

はい、「これがすばる星団ですよ」というふうに。
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それです。

それが、プレアデス星団と同じなんですね。
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日本語では、すばるといいます。

へぇ〜。それを20年以上前に肉眼でご覧になった?
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はい。

でも今、東京じゃなかなか星が見えるようで見えないじゃないですか。
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はい。

東京で星を見るポイント、コツはありますか?
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明るい星はけっこう見えているので、明るい星からだいたいの見当をつけるのが一番いいかなと思います。

オリオン座の三ツ星は見えますよね。
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見えます。

あれをだいたい軸にして見るとか、北極星を軸にして見るとかありますけれど、その目立つ星を最初に見つけるということですか?
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そうですね。オリオン座はとてもわかりやすくていいと思います。

はい。
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ただ北極星を見つけるのは、慣れが必要かもしれない。

どうしてですか?
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北極星は2等星なんですね。三ツ星ぐらいの明るさですが、北の空にポツンと輝いているので、北がどっちかわからないと北極星がわからないかもしれないです。

まぁ、だいたい北ぐらいわかるでしょう。
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わかりますかねぇ(笑)。

北がわかって、北のところに北極星がある。北極星は2等星で、2等星よりも明るいのは1等星?
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オリオンには二つ1等星があって、三ツ星が2等星ですけど、その対角線左上と右下に1等星が二つそれぞれあります。

オリオンの肩の部分と足元の部分ですね。
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詳しいですね。

オリオン座ぐらいわかりますよ。
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ウフフ。

オリオン座のくびれ、腰のくびれは三ツ星?
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はい。

で、上半身と下半身。
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男性で、くびれですね(笑)。

イメージ的に。じゃあ、目立つ星を見つける。あとは、シチュエーションとして部屋を自分たちで工夫したらより見やすいというコツはありますか?
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電気を全部消して、窓を開けて反射がないようにして。

まだ寒い時季ですからねぇ。
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寒いですね。モコモコに着こんでベランダに出てみるといいと思います。

そうですか。せっかく出ても曇ったりしてると見えないですけれど、晴れてれば明かりを消せば東京でも見えますか?
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はい。あとは外灯を手でおおうと、その光が目に入ってこないので見やすくなると思います。

視界に入ってくる明かりを手でおおうだけでも違うんですか!?
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違います。光源を手でおおうと見やすくなります。

そうですか。東京だったら何等星ぐらいまで肉眼で見えるものですか?
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世田谷辺りだと3等星も見えたりします。

有名な星座の形取っているものは、だいたい分かるぐらい?
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そうですねぇ、渋谷とかこの浜松町も明かりがあるので1等星は絶対見えるんですけど、2等星、3等星は厳しいですかねぇ。

あぁ。
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挑戦してみたいと思います。

プラネタリウムって何百円で別世界に入れますよ。その魅力をぜひ語ってください。
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そうですね。曇っていてもどんな街中でも満天の星が楽しめることと、事前に興味がある星を予習して、今夜見える星座も予習して夜空を楽しめるということでしょうか。

何かそのシチュエーションにぴったりの曲があるかなという話で、今日は特別に何気なくBGMが入ってます。
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ふだん入らないんですか?

そうですよ。『星に願いを』をかけているんですよ、駒井さんのために。
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うれしいです! ありがとうございます。

この曲は、やっぱり星を見るのにぴったりですよね。
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はい。とってもリクエストも多いです。

そうですか。
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エピソードとかけて欲しい曲を入れてもらうボックスを必ず外に置いて、生演奏を入れることもあります。

暦の上では今日は節分で、もう春といわれてますけれど、まだまだ寒いじゃないですか。
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はい。

寒いほうが、星がよく見えますよね。
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見えます。

やっぱり。今は星が見ごろということですね。
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はい。

例えば今日2月4日にふさわしい、どこの方角にどういうふうな角度で見ると見えますよという星を最後に教えてください。
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2月4日ですよね。オリオン座がけっこう見やすいかなと思います。あとは木星が明るく見えています。

ジュピターが?木星、見えるんですか?
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はい。見えます。

木星が見えるって有名なの?−助手も誰も知らない。
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本当に?金星が西の空に見えて、2月ちょっとはかなり低くなってますね。でも、太陽が沈んで西に金星が見えて、木星が頭の高いところに。

今、木星が見えてるんですね。
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はい。太陽系最大の。

でも、肉眼で見たらそんなに大きいとわからないですよね。
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とても明るくてクリーム色に輝いているので。

肉眼でも、ですか?
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はい。

クリーム色に?
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はい。一番最初に目につくと思います。

確かに星によっては青白く光っているものもあれば、あたたかい明るさもありますよね。アンタレスとか…。
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さそり座ですね。

ですよね。さそり座のしっぽ、下。
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あと、胸のところですね。

一番でかいところだ(笑)。
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心臓のところ。

そう、心臓。あれは赤いですよね。
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はい。あとは、オリオン座のベテルギウスですね、肩のところにある星。

赤い?
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赤いです。あとはおうし座のアルデバラン、右目のところにある星もオレンジ色っぽく見えます。

星座トークが終わらないなぁ。来週もっと星座の話をうかがってよろしいですか?
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はい。

ちょっと星座の世界にどっぷりはまろう!
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はい(笑)。

星図を見て勉強しておきます。もうこんな時間だ。今週のサイコーは、博物館学芸員の駒井仁南子さんでした。来週もお願いします。
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よろしくお願いします。

ということで、「東京では肉眼で3等星までなら見えますよ」というお話でした。3等星までというと、意外にけっこうな星の数になるようですよ。有名な星座に関しては、だいたい大枠が見えてくるということです。本当に星を見るだけで何かいろんなイメージを−僕の場合は童心に帰るね。何かいろんなことを思い出して、そういう時間も必要だと思いますので、お父さんお母さんも星を見てみてはいかがでしょうか?それでは、また来週も夕方5時半ね。バイバイ!