キッズのみんな、こんにちは〜!
こんにちは〜!
サイエンステラーの大村正樹です。今回は公開録音です。たくさんのキッズがこのシークレットラボに遊びに来てくれています。キッズのみんな、大きな拍手!
パチパチパチパチ(拍手)。
はい、どうもありがとう〜!さぁ、今回のテーマは体育や運動会でヒーローになるための科学。体育が好きな人、手をあげてくださ〜い。だけど、運動会が苦手だって人いるかな?大きな声で手をあげて。−いるよね。そんな人は今日来て絶対よかったと思いま〜す。お知らせの後、サイコーが登場します。
みんな、大きな声でサイコーを呼んでみましょう。せいの!
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サイコー!
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(音楽と拍手)
はい、今日のサイコーは、東京大学大学院教授の深代千之先生です。こんにちは。
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こんにちは。
どうぞおかけください。深代先生も東大の先生です。東大へ行きたい人、ぜひ先生の顔も覚えていてください。東大というと勉強のことばっかり、理科とか国語とか英語とかばかり勉強するのかと思うかもしれない。ところが、運動。先生は、バイオメカニクスという学問を専門としています。先生、バイオメカニクスはどういうことですか?
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ちょっと難しい言葉ですよね。みなさんの学校の教科でいうと、体育を科学的にやっているということです。バイオメカニクスのバイオは人間ということで、人間はいろいろな制約があります。例えば、ひじを伸ばしてください。まっすぐ以上に伸びませんよね。
はい、伸びない。
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頭が360度回ることもありませんし…。
ホラー映画の世界だったらクルクルッと回りますけどね(笑)。
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そういう制約があります。それからメカニクスは力学のことです。人間の体を力学で見ると、「ボルトが何で速いか」とか「イチローが何でうまく打てるか」とか「何で150キロのボールが投げられるか」みたいなことの原因がわかるんですね。そういうことを研究しています。
例えば、かけっこする時にまっすぐ走るのは簡単だけれど、後ろ向きに走るといったら難しいよね。ナワトビだって前回しは簡単だけれど、後ろ回しは難しい。二重飛びできるけれど、後ろ二重飛びできるキッズはなかなかいないよね。できる人、いる?−なかなかできない。こういうのも先生の学問に含まれてるんですよね。
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そうですね。うまい下手は、みなさんが練習するかどうかですね。
さぁ、世界で一番かけっこが速い人、誰だ? はい、わかる人? せーの!
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ボルト!
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ボルトですよね。
ジャマイカのウサイン・ボルト。はい、こちらです。大きいんだよ。身長1メートル96センチ。
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2メートル近い。
世界記録を持ってます。100メートルを9秒58。
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速いでしょう。
こうやってしゃべってる間に、ボルトは100メートルをゴールしちゃってる。
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アハハ、そうですね。こういう速く走れる人も最初から、生まれた時から速く走れるってことはないんです。
はい。
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練習して、例えば今、丸と四角と三角とか練習する。走り方を練習するとうまく走れて、昨日の自分よりも速くなるということですね。
ということで、今日はもしかしたらみんな、ウサイン・ボルトになれるかもしれないという。
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えぇ〜!?
なれるんだよ、練習すれば! ボルトの記録は9秒58ですが、この記録を上回るのは相当厳しいといわれてますよね。
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そうですねぇ。
ちなみに100年前の世界記録は?
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100年前の世界記録は10秒6だったんですね。これが最初の公認記録です。
1912年のオリンピックです。
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今9秒58ですから、100年で1秒速くなったんです。1秒というと案外短いと思うかもしれませんが、走ってる時の1秒はすごく長い。ボルトがゴールした時に、100年前の世界で一番速い人は90メートル地点にいたんですね。
すごいですね。
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10メートル速くなったということですね。
この記録の伸び率はどうなんでしょうか?
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最初はどんどんどんどん伸びたんですが、最近は限界に近づいてきていて伸びが少なくなってます。
そうですよね。僕やお父さん方が中学校時代にカール・ルイスが10秒の壁を破って、それがすごく大きなニュースになって、ベン・ジョンソンという人がもっと速い記録を出したらドーピングで失格になった。これは子供心に記憶してるんですけれど。
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そうですね。
その時にベン・ジョンソンが9秒73でしたかねぇ。
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そうなんです。
それから比べるとウサイン・ボルトは0.15秒、だけど世界記録。20年で世界記録ってこれぐらいしか縮まってないんですよね。
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そうです。1メートル伸ばすのは大変なことです。
はい。ということで今日は、もしかしたらみなさんがウサイン・ボルトになれるかもしれません(笑)。速く走るためのポイントを先生に聞いてみたいと思います。チャレンジしてみたいキッズ、手をあげてください。−おっ、先生、ご指名どうぞ。いっぱい手をあげてくれた。
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さっき速かった子にしようかな。
この感じで「俺が一番速いぞ」という子いる? 50メートル7秒台?
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はい!
よし、7秒台おいで、カモン! いいよ二人とも。先生、二人ともでよろしいですか?
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はい、二人で結構です。
じゃあ、7秒台のキッズ二人に来てもらいました。女の子一人ぐらい来てもらったほうがいいですか?
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そうですね。
じゃあ、女の子で参加したい人?−じゃあ、どうぞ! 三人のキッズに来てもらいました。タカダリュウマ君とイシカワタイキ君。女の子は、クボキリナちゃん。何年生ですか?
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4年生。
4年生。リナちゃんは50メートル何秒ぐらい?
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8秒ぐらい。
女の子では速いねぇ。リュウマ君は、50メートル何秒ぐらい?
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(リュウマ君):7秒26ぐらい。
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速い!
速いねぇ。イシカワタイキ君は何秒ぐらい?
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(タイキ君):7秒9とか。
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みなさん、速いですねぇ。
俊足のキッズたちです。じゃあ、速く走るためのポイントです。こちらです!
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足をうまく前に上げて振り出すという練習をします。その時にひざと足首はリラックスしてて、ももの付け根だけでグッと上にあげると勝手にひざが曲がります。
ももを上げるという、もも上げのポイントです。
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続けてちょっとやってみよう! そうすると足首が円のようになります。こういうところにつかまってみようか。つかまっていいですよ。
横につかまっていいよ。
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そうそうそう。ひざを曲げようとしないで、ももの付け根だけで上げると勝手にひざが曲がります。
分かる?付け根だけでシュッと上げる。
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逆足をやってみましょう。
ひざに力を入れなくても勝手にひざが曲がってくるということですね。
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はい。
ももを上げるイメージね。
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みなさん、座ってますよね。自分のひざに手を当てて、自分のひざを上にあげようとして手は上げないようにおさえる。そうすると、ももの付け根のあたりが痛いはずです。
ひざ小僧を手でおさえて、そのひざを上にあげようとする。そうすると足の付け根が痛いでしょ。そこの筋肉を使う。
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この筋肉を使ってギュンと上げると足が勝手にまかれて、外から見てるとムチみたいに動くというふうになるんですね。
はい。リュウマ君、わかったイメージ?
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(リュウマ君):わかりました。
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動きはいいですね。なかなかいい!
リュウマ君、先生にほめられてる。
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(リュウマ君):ありがとうございます!
6秒台出るかもしれない。
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(リュウマ君):それが夢ですね。
そうだねぇ。
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このコツをつかむと、必ず昨日の自分よりも速くなります。
はい。
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ももを高く上げろといわれてたんですが高くじゃなく速く上げると、前にムチみたいに出ます。
もも上げって昔トレーニングがあったけど、高く上げるんではなくてキュッキュッと速く上げる。
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メリハリをつけて。特に遅い子に効果があります。ボルトになるのはなかなか難しいけど、コツをつかむと去年の自分よりも必ず速くなります。
はい。三人、どうもありがとうね。
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ありがとう!
イメージしてください。ありがとうね(拍手)。
お名前は?
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モリタソラです。
ソラ君、どうだった?
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(ソラ君):楽しかった!
はい、お名前は?
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フジモトリョウガです。
リョウガ君は何が一番すごかった? 何か勉強になった? 来年、運動会何位になりそう?
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(リョウガ君):分かんない。
分かんないか。ソラ君は何位になりそう?
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(ソラ君):う〜ん、2位から1位ぐらい。
はい、自信をつけてください。みんな、楽しかったですか?
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は〜い!
どうもありがとう!会場には100人のキッズや親御さんが集まってくれて、とても楽しい録音になりました。来週もこの模様をお届けしたいと思います。それでは、来週も夕方5時半に会いましょう。キッズのみんなも楽しい週末を。では最後にみんなでバイバイだ。せいの〜!
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バイバ〜イ!