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「歯の科学」(1)
コーチャー/古城祐子(こじょうゆうこ)さん(歯医者・「fdクリニック バーニッシュ」院長)
「fdクリニック バーニッシュ」のHPはコチラ>>http://www.ginza-varnish.com/
大村正樹&古城祐子

大村正樹

キッズのみんな、こんばんは。サイエンステラーの大村正樹です。今週も東京浜松町にある秘密の科学研究所シークレットラボからお送りします「大村正樹のサイエンスキッズ」。さぁ男子、バレンタインデーも終わりましたが、チョコはもらったかな?今ごろ食べているかな?おいしかった?ただその後、歯はみがいた?歯は大事よ。今回のテーマは、歯の科学。とっても身近で僕らの体の一部だけれど、歯に関して知らないことはけっこうあるよね。お知らせの後、サイコーが登場しま〜す。


大村正樹

今週のサイコーは、歯医者さんでいらっしゃいますね。古城祐子先生、こんばんは。

こんばんは。


大村正樹

美しい先生が僕の目の前にいます。

フフフ、ありがとうございます。


大村正樹

銀座で「fdクリニック バーニッシュ」という歯医者さんを開業していらっしゃる。

はい、院長をしています。


大村正樹

院長さん、へぇ〜。銀座で?すごいですねぇ!基本的なことですけれど、子どもの歯は20本、大人になると32本というじゃないですか。

はい。


大村正樹

最近、永久歯の中で親知らずが生えない子がいるんですよ。

あっ、多いです!


大村正樹

多いですか?

はい。親知らずだけじゃなくて、ほかの永久歯も生えない子が多いです。


大村正樹

へぇ〜。20本乳歯があって、32本が永久歯…。

32本は親知らずを入れて32本なので、通常28本。


大村正樹

28本の子もいるということですよね。

はい。


大村正樹

僕は32本、きっちり生え揃いましたよ。

逆に珍しいです、今。


大村正樹

4本抜きました。

あぁ、すごい! 今はその28本もない子がいます。


大村正樹

それは何でですか?

原因不明ですが、いわれているのは「日本人も顔がどんどん小さくなってきてるので必要がなくなってきた」。まぁ「進化のひとつじゃないか」とも。


大村正樹

だって、アゴがちっちゃい子が多いですよね。

多いですね。


大村正樹

先生はお見受けしたところ、アゴはしっかりあるようで32本派ですか?

いえ、28本です(笑)。


大村正樹

進化した方ですね。

ハハハハハ。でも、もぐっています、親知らずが。


大村正樹

基本的にはどこかにもぐっている可能性をはらんでいて、芽を出すか出さないかの差ですか?

そうです。ただそもそも、もぐってもいない、歯自体が存在してない人も今は多いです。


大村正樹

あぁ、そうですか。やっぱり進化しているんですね。

進化してますねぇ。


大村正樹

親知らずがなくても、実際生きていけるわけじゃないですか。

全然生きていけます。


大村正樹

もともと不必要だったわけですか?

親知らずは前の成長から数えて8番目ですが、9番目の歯も全部生え揃っていた時代もあるので。


大村正樹

36本時代があったんですか?

はい。


大村正樹

それは何時代ですか?

えぇ〜、どれぐらいだろう? でも、昔のがい骨さんとか見ると9番目の歯があります。


大村正樹

そうなんですか!

はい。ただその9番目がもぐり始めてきて、なくなって、8番目ももぐり始めてきているので。


大村正樹

はぁ〜。じゃあ最終的には人間が、子どもの歯の20本に戻ることはないですか?

永久歯28本ない子がかなり多いので…。


大村正樹

えっ、最小何本くらいですか?

だいたい2本ないのは当たり前になってきていて。


大村正樹

へぇ〜。

4本ぐらい平気でないんです。だから乳歯のままなんですよ。


大村正樹

じゃあ、24本とか。

そうです、そうです。実際、私がクリニックでみている患者さんの中でも、4本ぐらい乳歯のままの人たちがけっこういるんです。


大村正樹

へぇ〜。

だから、持つところまで持たせるみたいな…。


大村正樹

最後はアゴがちっちゃくなって、ムンクの『叫び』みたいな顔になっちゃうんじゃないですか?

そうですよねぇ。だから、ほんとに進化すると歯が必要なくなってくるんでしょうね。食べ物も柔らかくなるし。


大村正樹

硬いものを噛む機会が減っているわけですね、現代人は。

そうです、はい。


大村正樹

でも、歯はとても硬いですよね。

歯は硬いです。体の中で一番硬いので。


大村正樹

骨よりも歯が硬い?

はい、骨よりも。


大村正樹

じゃあ、骨を噛めば、噛み砕くこともできるわけですよね。

そういう言い方をすると、そうですよね。


大村正樹

そうですか。僕、この年になっていうのも変ですが、小学校の時に長野県の歯の生え方の「生え揃った永久歯」というサンプルで載ったんですよ。

すご〜い!


大村正樹

歯並びがきれいで。

すごい。いいですよねぇ。


大村正樹

そうなんです。あまり見ないでください。

フフフ。


大村正樹

小学校6年生の時に載ったんです。理想的な生え方の永久歯という。

すごい!確かにちょっとでもずれている子がほとんどなので、それだけきちっと揃っている方は少ないですよねぇ。


大村正樹

ありがとうございます。よくちっちゃい時に「これをやっちゃいけない」とか「こういうの飲むといけない」とか歯並びが悪くなるといいますけれど、小さい頃の食生活と歯並びは影響があるんですか?

永久歯になってからの話ですが、前歯でいろんなものを噛む癖がある子は、前歯が開いてきちゃうんですよね。


大村正樹

はぁ。

だから指しゃぶりの癖がずっと抜けない子は、けっこう出っ歯になってきたりとか。


大村正樹

じゃあ、たぶん明石家さんまさんとかは、ずっと指をしゃぶって大人になっちゃった。

そうですよねぇ。たぶんそうだと思います(笑)。


大村正樹

たぶんそうですか(笑)。わかりました。

あれだけ出ているということは(笑)。


大村正樹

なるほど。「指しゃぶりとか前歯で物を噛む癖がある子は、ちょっと出っ歯注意!」ということですね。

そうです。


大村正樹

だから、リスとか出っ歯なんですね。

そうですね(笑)。前歯で物を噛みますからね。


大村正樹

でも、そんな硬い歯が虫歯になっちゃうわけですよね。

そうですね。


大村正樹

歯科健診があるじゃないですか、歯医者さんが学校へ来て。それで暗号みたいなことをいいますよね。

はい、はい。


大村正樹

あれをちょっとひも解くヒントをぜひキッズに教えてあげてください。

なるほど。「CO」とかですか?


大村正樹

「右へ行ってCいくつ」とか。

「CO」「C1」とかいいますよね。あれは虫歯の進行を1とか0とか2であらわしているんですね。


大村正樹

0、1、2?

はい。そうするとC0はまだ完全な虫歯ではなくて、「虫歯になり始めていますよ」みたいな。


大村正樹

「あやしいぞ」という?

そうですね。まだ治療する必要はないです。


大村正樹

はい。

1回とけちゃった虫歯になりかけているような歯が元に戻るという可能性もあるので、まだ治療しなくても大丈夫という。


大村正樹

はぁ〜。で、C1は?

C1は、初期の虫歯になっている。


大村正樹

見た目にどんな感じですか?

ちょっと黒くなってきます。


大村正樹

ほぉ〜。初期虫歯はC1。C2は?

C2は完全に虫歯ですよね。歯がもう茶色くなってきて、こする−歯医者さんでよくある、とがっている器械でこするとボソボソ取れてくるという…。


大村正樹

はぁ〜。そんな骨よりも硬い歯が何で虫歯になるかという基本的なメカニズムですが、何でですか?

よく虫歯菌、虫歯菌といいますよね。


大村正樹

はい。

歯の表面をこすると、白いカスみたいなものがついてきます。


大村正樹

ある、ある。

あれは食べ物のカスではなくて、プラークといわれる虫歯菌の集まりなんですよ。あの中には顕微鏡で見ると恐ろしいほどの虫歯菌がひそんでいて、虫歯菌だけじゃなく虫歯菌が出す排泄物…。


大村正樹

排泄物?

虫歯菌が出すちょっと…でしょう。


大村正樹

ウンチしてる?

そうです! それいっていいんですか(笑)?


大村正樹

いや、先生の口からいってもらいましょう。

それがいっぱい集まっているんです。


大村正樹

口の中でウンチしてるんですか!?

そうなんです。


大村正樹

えぇ〜っ!!

だから、そういうのが固まって集合体でプラークになっているので。


大村正樹

虫歯菌というのは食べ物から生まれるのか、人間の体液から生まれるのかどちらですか?

体液というよりも、もともと私たちは生まれた時、赤ちゃんにはほとんど菌はいないんですよね。だいたいお父さんお母さん、それからおじいちゃんおばあちゃんたちがうつしちゃうんですね。


大村正樹

あっ、僕らが犯人ですか?

そうなんです。


大村正樹

子どもたちに菌を与えている?

昔はけっこう自分の口移しで物をあげたりしてたけれど、今お母さんの教育として「子どもとお箸はわける」、「ディープキスはしない」という。


大村正樹

へぇ〜。

おばあちゃんたちが可愛くてベロベロッとやっちゃうのも止めてもらう。


大村正樹

それが理由で体内に菌が入ってくるんですか?

菌がたくさん増えるということです。子どもは抵抗力があまりないんです。出てきた時はきれいだし、そういう菌はほとんどいないのですが、結局は大人の社会からうつされてしまう。


大村正樹

ほぉ〜。

でも、ある程度気をつけていれば菌に打ち勝つ抵抗力も出てくるので、多少菌が入ってもやっつけられるんですけれど。


大村正樹

その菌は一回体内に入ると、プラークはゼロにはならないわけですよね。

そうです。だからゼロにすることはできないし、常に私たちは虫歯菌と一緒に生きているので、それが悪化しないようにコントロールするということですね。


大村正樹

もう時間になっちゃった。そのためには歯みがきが必要ということですが、また詳しい話を来週もうかがっていいですか?

はい、よろしくお願いします。


大村正樹

あっという間でしたね、先生。

すみません(笑)。


大村正樹

いえいえ。それでは、また来週うかがいます。今週のサイコーは歯医者さんでいらっしゃる古城祐子先生でした。どうもありがとうございました。

ありがとうございました。


大村正樹

大人の歯は32本から親知らずを抜いて28本という。いったん32本生えるのかと思ってたら、最近はもう28本で止まる人、あるいは24本で止まる人。さぁラジオの前のキッズは、何本まで行くでしょうか?それでは、来週も夕方5時半に会いましょう。キッズのみんなも楽しい週末を。じゃあね!