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「DNAと性格の関係」(1)
コーチャー/中原英臣(なかはらひでおみ)さん(新渡戸文化短期大学学長、医学博士)
大村正樹&中原英臣

大村正樹

キッズのみんな、こんにちは。サイエンステラーの大村正樹です。今週も東京浜松町にある秘密の科学研究所シークレットラボからお送りします「大村正樹のサイエンスキッズ」。さぁみんな、DNAって知ってる?聞いたことあるでしょ。「お父さんのDNAを持ってるんだ」とかね。誰もが持っているものだけれど、実はDNAは人の性格もつかさどるということです。元気なキッズもいれば、すごくおとなしいキッズもいるし、照れ屋さんなキッズもいる。細かいことを気にする人もいれば、全く気にしない人もいるだろうし…。これらの性格はDNAで決まっているという、ちょっとびっくりするようなお話をお知らせの後、サイコーから聞きたいと思います。


大村正樹

今週のサイコーは、医学博士で新渡戸文化短期大学学長の中原英臣先生です。テレビでおなじみの先生なんです。こんにちは。

こんにちは、よろしくお願いいたします。


大村正樹

先生は、『人の性格はDNAで決まっている』という本を講談社プラスアルファ新書から出されています。これは、かなり説得力がありますねっ!血液型はあまり性格とは関係ないというじゃないですか。

みなさん、血液型と性格は関係あると思っている方が多いですね。それを信じているのは、たぶん日本人とごく一部の国ですよ。科学的な根拠は全くありません。


大村正樹

以前お見えになったサイコーもそうおっしゃっていて、僕も「なるほど」と思ってたんです。DNA、これは誰もが持っているわけですね。

はい。


大村正樹

具体的にDNA、どういうことか教えてください。

基本的に遺伝子はDNAで構成されている、と思っていただければいいと思います。


大村正樹

お父さんお母さんから受け継いだものは、DNAによって構成される。

はい。ただしDNAはたくさんありまして、全部が遺伝子じゃないんですよ。


大村正樹

はい。

実は人間の場合、実際に使っている遺伝子の部分は5パーセントぐらいです。残りの95パーセントのDNAは、アメリカではジャンクと呼んでいます。


大村正樹

ゴミですか?

はい。ガラクタ遺伝子といいまして、全く意味がない遺伝子です。


大村正樹

ええ。

それを使うのがDNA鑑定です。


不思議な話があって、チンパンジーと人間のDNAは非常によく似ていて、97パーセントぐらい一緒だという話があります。これはよく耳にしますよね。それと同時に、大村さんと私とDNAが違うわけでしょ。


大村正樹

はい。

変でしょ?人間とサルはちょっとしか違わないというけれど、一方で人間は地球上に70億ぐらいいて一人一人全部違うわけでしょ。


大村正樹

はい。

変だと思いません?


大村正樹

思います。DNAというのは両親から僕らが受けて、僕から子どもへ受け継ぐようなものですよね。

はい。


大村正樹

そのDNAは例えば性格とか運動能力とか頭の働きとか、そういうものにも影響してくるんですか?

いくつか影響がありまして、実は今回の話は性格ですね。


大村正樹

性格。

じゃあ、今度は「性格は一体どこで決まっているんでしょうか?」ということです。実は脳なんです。脳の中に脳内物質あるいは脳内の伝達物質、いろんなものがつくられていまして、それが性格をある程度左右している。決めているものがどんどん見つかってきているんです。


大村正樹

例えば、どういうことですか?

例えば、ドーパミンという物質があります。これは人間の遺伝子DNAが脳の中でつくっているんですが、こういう実験があるんです。ネズミのドーパミンをつくる遺伝子をこわしてしまう。ドーパミンを全くつくれないネズミをつくると、全く動かなくなるんです。一日中、ジーッとしているんです。


大村正樹

ええ。

それに逆にドーパミンを薬で与えると、普通のネズミと同じように行動し出す。要するにドーパミンは、いろいろな行動をする積極的なところをコントロールしている物質です。それがDNAで決められている。


大村正樹

ほぉ〜。

私のDNAを調べてドーパミンをたくさんつくっているか、ちょっとしかつくらないかがわかると性格が違うことがはっきりするわけですね。


大村正樹

いわゆる行動的か、そうでないかという。

はい。


大村正樹

先生の著書で、DNAが決める日本人の性格は4種類に分類されるということですよね。

ひとつはドーパミン−いわばアクセルと、もうひとつ極めて慎重なブレーキをかける遺伝子があるんですね。これがセロトニンというんです。


大村正樹

はい。

こちらもたくさんつくる人と、そうじゃない人に分けるんですね。そうすると簡単にいうと大きく4つに分かれます。


大村正樹

はい。

何が起きるかというと、自分たちで心理テストを併用してやったのですが、楽観的で新奇型−非常に新しいことに興味を持つ。


大村正樹

楽観的で新奇型?新奇とはどういうことですか?

新しいことに興味を持つ。


大村正樹

チャレンジ精神?

はい。


大村正樹

あと楽観的というのは、明るいとか?

そうです。


大村正樹

明るくてチャレンジ精神にあふれているタイプ。

はい。柔軟な挑戦者という感じで、のんきで気楽で攻撃性があるということですね。どちらかというとアメリカ人タイプですよね。


大村正樹

ほぉ〜。

それから2つめが、慎重で新奇型。


大村正樹

慎重なんだけどいろいろチャレンジする人?

そうです。神経質で注意深い反面、自信過剰で自分を過大評価しやすい方みたいなタイプですね。


大村正樹

はぁ〜。でも慎重タイプは、日本人にありがちなパターンですよね。

この新奇型というのは、だいたい4割。


大村正樹

一番多いんですか?

はい。


大村正樹

日本人の4割は慎重で新奇型、けっこうチャレンジャーということ。

先ほどの楽観的で新奇型は2割です。


大村正樹

ほぉ〜。アメリカ人タイプ。

それから3つめは楽観的で地道、極めて地道なタイプですね。


大村正樹

けっこう表向きは明るいんだけれど、実は根がまじめで地道。

これは1割しかいないんですが。わりと陽気で楽観的ですが、意外に心配性でもないし神経質でもないというタイプの方です。


大村正樹

でも地道にコツコツ努力する人、明るいまじめなやつということですかねぇ。これ1割?

はい。それから4つめが慎重で地道なタイプ。これ組み合わせですからね。不満が少なくて、割とコツコツコツコツ仕事をしていく。これがだいたい日本人の3分の1、3割ですね。


大村正樹

じゃあ、慎重で新奇型という人が一番多くて、慎重で地道な人が二番目に多い。楽観的で新奇型の人が三番目に多くて、一番少ないのは楽観的で地道な人。

そうなんです。


大村正樹

あぁ、みんな当てはまる。これ、わかる。芸能人で分析すると誰ですかねぇ。

それは調べてないので(笑)。


大村正樹

アハハハハ。

分析するには心理テストをやれば、ある程度わかりますけれど。


大村正樹

ええ。

今まで心理テストを使ってたんですよ。ただ心理テストは弱点がありましてね。本人がウソを書くことも可能でしょ。


大村正樹

はい。

心理テストって受けたことありますか?


大村正樹

何かやったことありますね。

いろいろなこと聞かれるでしょ。それに対してイエスとかノーとか、どちらでもないと選ぶんだけれどウソを書けるでしょ。


大村正樹

はい。

テストとしては、あまりいいものじゃないんですよ。そこが弱点なんですよね。


大村正樹

ええ。

その分をDNAでやってしまえば、いいも悪いもなく科学的にわかるという…。


大村正樹

あっ、今のタイプ分類はアンケートやテストでやるんじゃなくて、DNAを抽出して機械にかけたらパッと出るんですか?

出ますよ。


大村正樹

いやぁ、やってみたいなぁ。もう時間ですね。先生、また来週もお願いしますね。

よろしくお願いいたします。


大村正樹

今週のサイコーは、医学博士で新渡戸文化短期大学学長の中原英臣先生でした。ありがとうございました。


大村正樹

紙とペンがあったら「プラス」という文字を書いて、プラスの一番上には「楽観」という文字、プラスの縦棒の一番下は「慎重」、それから横棒は「地道」タイプと「新奇」タイプ−新しくて奇妙なタイプということなんだけれど、2つの軸をつくってみんながどこに当てはまるかという。これを調べて、あとはDNAを調べてもらって、「君はこういう性格だよ」と。真反対の可能性もあるということだよねぇ。いやぁ、僕は何だろうなぁ?人間の性格は、血液型よりもDNAの鑑定結果で調べるほうがとてもよくわかるということなんですね。科学の進歩はここまで進んでるんだ!それでは、来週も夕方5時半に会いましょう。キッズのみんなも楽しい週末を。バイバ〜イ!