浜美枝のいつかあなたと

毎週日曜日
 9時30分~10時00分
Mr Naomasa Terashima Today Picture Diary

寺島尚正 今日の絵日記

2008年10月14日  宝物2008

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宝物2008

およそこれまで芸術とは無縁だった私が、美術館のパスポートを持った。それも1年間フリーパス。この連休いつもの散策コースを歩いていた。八王子駅から高尾方向、甲州街道沿い高層ビル前に八王子市八日市場宿跡の碑が在る。江戸の名残を感じる場所だ。その高層ビルの二階に夢美術館という何とも素敵な名前のスペースがあるのは知っていた。ただいつもは早朝通過することが多く、立ち入れないでいた。時計に目をやると10時8分前。入り口の雰囲気でもと自動ドアを通った。1階に多少スペースがあり、オブジェが並んでいる。それがなければハイテクビルとしか思えないモノトーンな雰囲気。階段で2階に上がる。企業のショールームを彷彿とさせる佇まいが現れた。そこが八王子市夢美術館。そしてまた自動ドア。今は日本陶磁の精華が開かれている。たまにはみてもいいかなあ、そう思いつつ入ろうかどうしようかうろうろしていたらそのドアが開いた。正確には開いてしまったのだ。と同時に来客を知らせる賑やかなピンポン!係の女性が笑顔で、いらっしゃいませ!

さらに逃れづらい一言。お客様、あと3分お待ちください!10時開館でございます。えーっ!?自分は開館前に来る熱心な陶磁大好きヤジか?ありゃーなどと動揺。すると、お待たせいたしました!お客様!何だか秋葉原かテレビショッピングの呼び掛け。係は私を見据えて逃さない。すっかり観念し受付に吸い寄せられるが如く近づいた。神田うのタイプの女性が笑顔で迎える。観覧料600円。財布からお金を出そうとして1200円という金額が視界に入った。よくみると大好きなパスポートの文字もある。なんと年間パスポートがその金額なのだ。弾みでうのちゃんに、パスポートください!と発した。ありがとうございます!うれしそうなうのちゃん。決してうのちゃんだからパスポートにしたのではなく、2回来れば元がとれるという誰もがやりがちな、向こうの思うつぼにはまっただけである。展示は桃山時代の唐津・美濃焼から江戸時代の有田・京焼までが堪能できた。あとでわかったことだが、美術館の料金は展示によって変わり、一番安いのは200円。おいおい!陶磁ならあと一回で元とれるけど、安いのだとあと三回か!?って。そんな私に芸術を語る資格はない!改めて感じた。ただパスポートを手に入れて後悔はしていない。秘密基地がまた一つ増えたそんな気分だ。この世に偶然はない。そう思えば夢美術館には私が必要とする何かがあるはずだから。あなたのまわりにもこんな場所あるはずですよ!

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秘密基地

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お出迎え

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