8月8日、東京オリンピックは17日間の熱戦に幕が下ろされた。
コロナ禍でほとんどの会場が無観客となる一方で、
世界中から集まったアスリートや地元開催となった日本選手たちは
目覚ましいパフォーマンスを見せた。
主役である選手たちは、感染の急拡大とさまざまな問題の中
それでも自らのベストを尽くそうとしていた。
特に感動したのは、今大会から採用されたスケートボード女子パーク。
金メダル候補は世界ランキング1位の岡本碧優（みすぐ）選手。
プライドにかけて難度の高い技に挑み続けた。
しかしメダルには届かなかった。
岡本選手が最後のチャレンジで尻もちをつき、戻った時、
日本や海外の選手が駆け寄って、チャレンジ精神をたたえ、
岡本選手の体を御輿のように持ち上げた。
泣き顔だった碧優選手は笑顔に変わった。
「挑んだことは間違っていなかった」と。
順位を競うだけでなく、様々な違いを乗り越えてお互いを尊重し、自分のベストを追求する姿勢。
オリンピックやスポーツの意義、
そして、「いがみ合う」より「たたえ合う」ことの大切さを、思い出させてくれた。
選手の頑張りや喜び、涙、ことばやストーリーに触れると心が揺さぶられた。
今大会は、大会関係者に加えボランティアの活躍無くしては成り立たなかった。
大会期間中のある夜、地下鉄の車内にボランティアの格好をした若者が乗っていた。
かなり疲れた様子だった。
それでも、翌日の予定を確かめているのだろう、メモ帳を真剣な眼差しで見ていた。
世の中にはそれぞれ役割分担がある。
自分がベストを尽くせるには、誰の力を借りているのか。
改めて感謝の気持ちが沸き上がって来た。
東京オリンピックは、様々なことを教えてくれた。
さあ、24日からは東京パラリンピック。
出場する選手たちを感染から守る態勢が何より大切で、オリンピック
でわかった課題を解決すべく、しっかり対策を取ってもらいたい。
そして、1年延期となった中でパラアスリートたちがどのような思いで仕上げてきたのか、
表情や声、今までの道のりを含め、選手を応援したい。

頑張った人に