浜美枝のいつかあなたと

毎週日曜日
 9時30分~10時00分
Mr Naomasa Terashima Today Picture Diary

寺島尚正 今日の絵日記

2022年9月20日 彼岸の入りに間に合った

秋の彼岸の入りを迎えた20日、関東は台風14号が最接近した。
18日の夜、鹿児島市に上陸した台風14号は、20日朝にかけて西日本から東北を縦断したあと、午前9時に三陸沖で温帯低気圧に変わった。
西日本の各地では台風の影響で記録的な大雨となり、宮崎県美郷町では今月15日の降り始めからの雨量が985ミリと、約1000ミリに達した。
これは、この地域の9月1ヶ月に降る雨量の2倍だという。
宮崎県では、土砂崩れに巻き込まれた男性と、乗用車が屋根の高さまで水に沈み、車内にいた男性の死亡が確認されている。
また、広島県では1人が行方不明となっている。
被害に遭われた方々にお見舞い申し上げる。

台風14号が鹿児島に上陸する前日、気象庁は、国土交通省と合同の会見を開催。
台風14号は「経験したことのないような暴風、高波、高潮、記録的な大雨のおそれ」と警告していた。
気象庁は、鹿児島に上陸する台風14号の中心気圧を910hPa、最大風速は55m/s、最大瞬間風速75m/sという猛烈な勢力と推定。
「この風速55m/sの風というのは、台風統計を取り始めてからという範囲で見ても、本州では類似する台風はない、というほど危険。最大級の警戒をお願いしたい」と発表していた。
警報の発表基準をはるかに超える気象状況が予想され、災害級の警戒が必要な場合にはさらに一段警戒が必要な「特別警報」が発表される。
その基準の1つが中心気圧930hPa、風速50m/sだが、台風14号はそれを軽く超える猛烈な台風だとの最悪の事態も考えていた。
実際は、九州上陸後の19日朝に、九州北部で中心気圧930hPa、最大風速45m/sと、やや勢力を下げたが、それでも非常に強い台風だった。

今回の台風は、特に暴風が警戒されたが、やはり風の影響は大きかった。
台風14号による停電が、九州電力の管内では、午前7時の時点で合わせて12万戸余り。
また、九州と四国、中国地方など一部の地域では携帯電話がつながらないか、つながりにくい状況となっている。
これは、伝送路の故障や停電などが原因だという。
暴風による送電線等が切れるなどの事態が起きたと推察される。
各社は復旧や確認作業を急ぐとともに、災害用伝言板の活用などを呼びかけている。
また、宅配やコンビニなど物流にも影響が出た。
これは暴風を警戒し、安全確保のために輸送量を絞ったためと推察できる。
暴風は陸上輸送に大きな影響を与える。
走行中のトラックは平均風速30~35m/sで横転するとされる。
感覚的には約140km/hに相当し、およその瞬間風速では50m/s。
建物の外装材がはがれ、飛ばされる状況だ。

気象庁は、事前にこう指摘している。
「暴風が吹き始めると避難ができなくなります。今回のような台風では逃げられないことも考えられます。暴風が吹き始める時間をチェックし、避難をいつまでに完了させなければならないか確認していただきたい。」
まだまだ続く台風シーズン。
私達1人1人が、台風から身を守る準備を考えておかねばならない。
周りの草たちと強風に耐えた「彼岸花」がひっそり、しっかり咲いていた。

彼岸の入りに間に合った
彼岸の入りに間に合った

一人ではない
一人ではない

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