浜美枝のいつかあなたと

毎週日曜日
 9時30分~10時00分
Mr Naomasa Terashima Today Picture Diary

寺島尚正 今日の絵日記

2022年11月14日 秋らしい佇まい

東京・港区・浜松町界隈の街路樹が、少しずつ色づき始めている。
イチョウもご多分に漏れず、緑から黄色へと葉の色が変化し始めた。
切れ目の入った扇形、独特の形をした葉は、秋に綺麗な黄色に染まる。
また、水鳥の足に似ているその形からか「鴨脚樹」とも言われていた。
神社やお寺の境内をはじめ、街路樹にイチョウが多く植えられているのは何故なのだろう。
調べてみると、イチョウは生命力が強く大きく成長するが、樹皮が厚いため火にも強い特性も持っている。
そうした特性に着目し、大火の多かった江戸時代に、火事による延焼を防ぐため火避地にも植えられたほどだという。

イチョウと言えば、東京都の木である。
なんと言っても、都営地下鉄などで目に入る東京都のシンボルマーク。
色も緑で形がイチョウの葉のようなことから、てっきりイチョウのマークだと思いきや、あちらは、アルファベットの「T」のデザインなのだそうだ。
街路樹には、カエデ、プラタナス、ポプラ等など。
そんな街路樹の伐採を進めている自治体がある。
大阪市だ。
季節の移ろいを感じるきっかけにもなる街路樹だが、3年後までにおよそ3000本が伐採される予定である。
なぜ、伐採が必要なのか。

大阪市では、昭和39年に「緑化百年宣言」が行われ、以降、積極的に樹木が植えられてきた。
当時は、できるだけ早く緑を増やすために、ポプラやプラタナスなど成長が早くて大きくなりやすい木が選ばれたという。
ところが、植樹から50年以上が経過すると、老木となって倒れるおそれがある木や、大きくなりすぎて信号や道路標識が見えにくくなり道路交通に影響が出る木も増えていたということである。
また、2018年の台風21号では市が管理するおよそ1650本の街路樹が倒れるなど災害のリスクも顕在化した。
加えて、大きく張った根で舗装が持ち上げられて路面が悪くなる「根上がり」という現象も目立つという。
車いすやベビーカーが通りにくくなるケースなど交通に影響が出る可能性があるからだ。
気になるのは、伐採、撤去後は、どうするのか。
大阪市によると、若木や生長の緩やかな低木に植え替えるという。
戦後必要に駆られて植えた木が、弱る時期にさしかかっている。
街路樹にも永遠はないのだ。

秋らしい佇まい<br />
秋らしい佇まい

鮮やかな変化
鮮やかな変化

秋の活動
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