浜美枝のいつかあなたと

毎週日曜日
 9時30分~10時00分
Mr Naomasa Terashima Today Picture Diary

寺島尚正 今日の絵日記

2023年5月1日 便利なものにもルールがあります

4月29日土曜日、新宿西口イベントコーナーで東京都や警視庁などが主催した「自転車安全利用YOKYOキャンペーン」が行われ、自転車について多くのことを学んだ。
4月1日から改正道路交通法が施行され、全ての自転車利用者は「ヘルメットをかぶる」ことが努力義務となったのはご存じだろう。
努力義務には法的拘束力がなく、違反しても罰則が科されることはない。
長距離のサイクリングならともかく、近所に行くのにヘルメットをかぶらなければならないことを不思議に思う人もいると思う。
ではなぜ、罰則がない義務が課せられたのか。

それは、自転車事故が起きたとき、頭部損傷により、死亡や重傷事故に至るおそれが大きいからである。
日本での交通事故の件数や死亡者数は減少傾向にあるが、自転車が関連する事故件数はその減少率が低く、状況が良くなっていないことがわかる。
警察庁の事故統計によると、現在、全交通事故件数の2割以上が自転車関連事故であり、自転車事故は大きな課題である。
また自転車交通事故による死者の約7割は、頭部損傷が致命傷となっていて、そのためヘルメットを着用し頭部を守ることは大変重要なのである。
日常的に利用されているシティサイクルは重心が後輪側にあり、急ブレーキをかけても前方に飛び出るような事故は起きづらいが、道路の凹凸、マンホールや舗装、落ち葉などでスリップしたり、踏切の線路の窪み等でハンドルを取られたり、速度が落ちたときにふらついたりする場合が多い。
自転車がふらついたとき、とっさに足を地面に付けられれば転倒することはないが、荷物を載せている、子供用のいすがあるなど、重心が上にあるほど勢いよく転倒してしまう。
自転車は構造的に転倒しやすい乗り物であり、そのような自転車が万が一転倒してしまったとしても利用者の命が守られるために、ヘルメットが必要なのだ。
ただ、ヘルメットを着用すると髪が乱れる、頭が蒸れる、といった意見や、置き場所に困るという意見もある。
しかし自身の命に代えることはできない。
そのため、ヘルメットを着用するよう自身で努力する義務が課せられているのである。
さらに、ただヘルメットを着用すればいいわけではなく、自転車で安全に移動するための方法を考えなくてはならない。
忘れがちなのは、自転車は「軽車両」だと言うこと。車の仲間である。
被害者にも加害者にもなり得る乗り物なのだ。
歩道と車道の区別のあるところでは原則、車道通行が原則。
では例外はというと・・。

この辺りの知識について、大きく役立つものが 「輪トレ」という無料アプリ。
自転車安全利用教育を推進するため、事故事例やルール・マナーの学習に加えて、発進や停止、障害物を避けるなどの自転車走行の体験学習が可能なスマートフォン・タブレット向けアプリである。
また自転車走行シミュレーションでは、正しい場所の走行や適切な一時停止等、自転車ルールやマナーを正しく守れるかどうかのバーチャル体験が可能。
様々なシチュエーションを用意していて、スマートフォンで走行体験することができる。
私もダウンロードし、チャレンジしてみた。
自転車のルールで忘れかけていたものや、バーチャル体験では何度もアクシデントに遭遇し身の引き締まる思いだった。
自転車に乗る人もそうでない人も、このゴールデンウイークに是非「輪トレ」を体験して貰いたい。


便利なものにもルールがあります
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路面注意
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