浜美枝のいつかあなたと

毎週日曜日
 9時30分~10時00分
Mr Naomasa Terashima Today Picture Diary

寺島尚正 今日の絵日記

2023年10月30日 朝の朗報

29日、日曜の朝、虹を見た。
「朝から雨か・・」と憂鬱な気分で暫くいたが10分後、ふと窓の外を見ると、ビルの一部が光っている。
「これは」と思い、急いで外に出ると、虹が出ていた。
久しぶりに見る虹は、暫く私の目を引きつけた。
現代で恐らく虹を見て「不吉」と思う人は少ないだろう。
流れ星ほどではないが、私の気持ちが軽やかになった。

「虹」という現象は、気象庁によると太陽光が空気中の水滴で、屈折(折れ曲がる)・反射(はね返る)して起きる現象のこと。
太陽光が反射して起こる現象だから、虹は必ず太陽を背にした方向に現れる。
虹は鮮やかに見える場合とぼんやりしか見えない場合がある。
それは、空気中の水滴の大きさに関係している。
水滴が大きいほど、色がくっきりみえる。
普通の虹は、外側が赤、内側がむらさきと決まっている。
虹の外から内側にかけて、赤、橙、黄、緑、青、紫。
虹ができるには太陽光が空気中の水滴(雨)に当たることが条件となる。
雪は固形物だから水滴のように、太陽光が屈折や反射することができないため雪が降っている時や雪が降った後では、虹はできない、などとある。

ところで、見ると幸せな気持ちになる虹は、気づいた時には消えてしまっている。
実際、どのくらいの時間で消えてしまうものなのか。
調べると、おおよそ、30分位と言われている。
短いと数分で消えてしまい、30分持たないこともしばしばである。逆に長いと1時間ほど出ていることもあるという。

虹はスピリチュアルの世界では「幸運の前触れ」などの意味を持ち、虹を見るのは良いことが起こる前兆だといわれている。
一方で、古、日本での言い伝えでは、虹は蛇と同類のものだという。
「虹」という漢字は虫偏であることから、「蛇」や「龍」などと連想されていたと思われ、虹は池や沼にいる主の語源と一緒だと言わ、虹は昔「ヌジ」と呼ばれていた。ヌジとは蛇類のことだ。
特に沖縄では、虹はアミヌミヤー(赤マダラの蛇)と呼ばれており、干ばつの兆候とされ、とても恐れられていた。
日本では「虹=蛇」という概念があるようだ。

昔、科学がまだあまり発展していないころ、人々から虹は怪奇現象だと言われていたのである。
科学の進歩は、現象の価値観や印象を変化させる意味をもっている。
結びに、西洋の「虹」に関する名言をご紹介しておく。
それぞれ含蓄のあるものばかりだ。

「虹を楽しみたいのなら、嵐に耐える準備をしなさい」
  アメリカの牧師、ワーレン・W・ヴィアースベ
「今日の誰かの人生における虹になりなさい」
  作家、アンソニー・T・ヒンクス。
「私たち一人ひとりは、雲の中の虹になる力と責任を持っている」
  アメリカの詩人、マヤ・アンジェロウ。
「あなたの夢を信じなさい。そうすれば、いつの日かあなたの虹が輝いてくるだろう」
  イギリスの作家、ギルバート・K・チェスタトン。
「最も暗い雲と激しい風の後でさえ美しさがまだ残っているということを、虹は思い出させてくれる」
  アメリカの作家、カトリーナ・メイヤー。
「時には最大の嵐が最高の美しさをもたらす。人生は嵐になるかもしれないが、あなたの希望は虹で、あなたの友人や家族は黄金である」
  アメリカの作家、スティーブ・マラボリの名言。
そして

人の世も 斯く美しと 虹の立つ    高浜虚子

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