
寺島尚正 今日の絵日記
2024年12月16日 中央線2階建グリーン車
今年も年末年始の新幹線予約状況が発表された。
JR各社によると、12月27日から1月5日までの10日間での新幹線の指定席の予約状況は、12月10日の時点でおよそ364万席と前年より16%増えている。
予約のピークは、
《下り》12月28日~30日 《上り》1月3日と4日である。
また「のぞみ」号は「全席指定席(自由席設定なし)」として運行される。 2024年度の年末年始期間は、2024年12月27日(金)~2025年1月5日(日)に全席指定席として運行される。全車指定席化は、年末年始と4~5月の大型連休、お盆期間中が対象。年末年始、特に自由席は始発駅で埋まりやすく、ホームに人が溢れる行列を減らすという目的もある。また指定席を増やすことで、途中駅からの乗車でも座りやすくするという狙いもあるようだ。
ところで、先日JR東海とJR西日本が、来年2025年春のダイヤ改正で東京駅から博多駅間を走る東海道・山陽新幹線「のぞみ」の自由席車両を現行の3両から2両へと削減すると発表した。先述の通り、ゴールデンウィークや年末年始に運行するのぞみ全車を指定席にするなどの対応を取ってきたが、そうした繁忙期以外にも自由席車を削減するという。のぞみは基本的に16両編成あわせて約1320席で運行しており、このうち3両が自由席。その3両目の85席を指定席に転換する。自由席は250席から165席となる。指定席は9割近くに増える。自由席の運賃は通常期の東京―新大阪間で1万3870円となっており、指定席より850円安い。のぞみは1992年に運行を始めた当時は全車指定席だったが、2003年に自由席が設定された経緯がある。当初はビジネスマンにターゲットを絞っていたが、比較的時間に余裕のある旅行客用に自由席を設けたと聞く。しかし時代は変化し、スマートフォンなどから指定席をネットで予約するニーズの高まりなどに対応するのがねらいだという。
通常期でも指定席を増やすことで、利用者が座って移動できるという快適性を確保するとしている。東北・北陸新幹線は立席特急券を販売することもあるが、基本的に指定席は座席の数しか乗車できないので、自由席のように混雑時に立ったまま乗車する乗客はいない。長時間にわたって移動する新幹線では、混雑はトラブルを引き起こす一因にもなるという。自分が座るすぐ横の通路に、
ずっと立ったままの乗客がいたら、どうしても落ち着かない。お互いに見られている気がして、些細なことから一悶着が起きることもあると聞いた。
こうした混雑によって引き起こされる問題は、全車を指定席にすることで最小限に抑えることができると考えられる。しかしいきなり自由席を全廃すれば、これまで自由席に慣れ親しんできた利用者から不満が出るだろう。そこでJR各社は在来線を走る特急列車から自由席を段階的に削減してきたのだという。そして、いよいよ東海道・山陽新幹線でも行われるときが来たのである。
同時に自由席は役割を終えつつあるとも言われている。自由席には大きな荷物を座席に置くなどして席を占領するように使用している利用者もいるようだ。そうした事情から指定席よりも自由席の方が空席率は高くなっているとの指摘がある。こうした時代を取り巻く環境の変化が自由席削減へとつながったのだ。
自由席の削減は実質的な値上げに当たるのでは、との声もあるようだが、いまや東京―大阪間の移動は東海道・山陽新幹線での移動が一般的。航空機や高速バスなどでも代替は出来るが、速達性や快適性を考えれば、東海道・山陽新幹線の優位は揺るがない。そのため、いや応なしに指定席増・自由席減を受け入れざるを得ない。専門家は「自由席の削減は利用者にとって列車の選択肢を狭めることにもつながり、不自由も生じる。それでも、現在の趨勢を鑑みれば、今後は段階的に自由席を縮小し、最終的には廃止の方向に向かっていくことになるだろう」と語る。忘れていけないのは、IT技術の発達やスマホの普及によって現在はネットでの新幹線チケット予約・購入が普及している。いまや新幹線チケットの予約・購入で駅窓口に並ぶ必要はなくなったため、JR東日本は各駅に開設されていたみどりの窓口を2020年前後から一気に縮小・廃止させた。しかし、拙速な施策が利用者の混乱を招き、今年夏に社会問題化したのも記憶にある。「のぞみ」から自由席が削減されるというニュースは、その技術開発の成果でもあるのだ。
閑話休題、先日、中央線の2階建てグリーン車を利用した。正確には、来年からグリーン車として使用される客車を現在普通料金で利用できるのであるが。これまでと車窓から眺める風景が違い、旅をしているようで大変新鮮だった。もっとも何度か利用すれば、そんな気分も薄れていくのだろうが。
中央線2階建グリーン車
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