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2020.04.14

顧客満足度を上げるメリットとその方法!『浜松町Innovation Culture Cafe』


企業を安定的に成長させるには、顧客満足度の向上は不可欠と言っても過言ではありません。顧客満足度を上げることは様々なメリットがあるからです。


本日は顧客満足度を上げることのメリット、並びに顧客満足度を上げるための5つのポイントをお伝えしたいと思います。


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顧客満足度を上げることで得られるメリット

メリット①リピーターが増える

顧客満足度があがると、商品の購入などリピーターが増えます。皆様もお気に入りのお店やサービスがあるかと思いますが、そういった経験をすると、やはり何度も利用したいと思うのが人の常でしょう。


リピート回数が増えた結果、1人の顧客が生涯もたらす利益額が変っていきます。この利益額をLTV(Life Time Value)と呼びます。

新規顧客の創出は広告費などのコストがかかってしまう一方、リピート顧客は広告なしでも来店、購入してくれるのでリピート顧客の創出は非常に大事になってきます。


メリット②新規顧客が増える

リピーターはいいサービス、いい商品を自分だけではなく自分の知人友人にも伝えたいと思うので、必然的に「口コミ」が生まれてきます。


昨今ではインスタグラムやTwitter、Facebookなどの台頭によりSNSでの拡散が非常にしやすくなりました。飲食店などにいく際はネットでまず口コミなどをチェックする方も少なくないでしょう。

広告宣伝費がかからずにリピート顧客主体で宣伝してくれるので企業にとっては非常にありがたいことです。ただその反面、口コミが悪くなってしまうと一気に売上が下がってしまうこともあるということです。


顧客満足度を上げるための3つのポイント

① 顧客の期待値を超える

顧客は、自分の期待していたサービスの期待値を超えた時に初めて感動を覚えます。

ここで1つの事例を紹介します。

とある顧客満足度の高いホテルで、ビーチ係が砂浜にあったビーチチェアを片付けていた時に、宿泊客の1人の男性が、プロポーズをしたいのでビーチチェアを1つ残して欲しいとスタッフに依頼しました。


当然顧客満足度の高いホテルであればその申し出を無下に断らずに喜んでビーチチェアを残すことが期待されます。

当然この男性スタッフも残してくれることを想定して打診をしているので、まだ期待値の範囲内であることが予想されます。


しかしこのスタッフは、ビーチチェアのみならずビーチテーブルも1つ残し、そのテーブルに真っ白なテーブルクロスにお花とシャンパン飾り、さらには自分もタキシードに着替えて、準備を整えてカップルが来るのを待っていました。

明らかに普通の期待値を超えた、感動を生むサービスと言っても過言ではないでしょう。


常に顧客が何を求めているのかを追求、提供を徹底することで顧客満足度は上がります。


② 顧客の求めているレベルを把握する

顧客の期待値を超えるにはまず顧客の現状のニーズを把握することが大前提に必要になります。

現状ハイクオリティーのサービスを提供していると思っていても、顧客の要望との乖離が生まれている可能性が0ではありません。

そのため現状のサービスに満足しているのかどうかアンケート調査をとるなどして、実際に顧客が抱いている小さな不満やクレームを潰していくことで顧客満足度は必然的に上がっていきます。


③ 従業員の満足度を高める

なぜ従業員と思われた方もいるかと思いますが、従業員の満足度をあげることは顧客満足度の向上に直結します。



2020年3月3日のラジオ『浜松町Innovation Culture Cafe』では、スカイマークをV字回復させ佐山会長をお招きして、顧客満足度についてお話ししました。


入山 顧客満足度のために、まずやることは社員満足度をあげることだとおっしゃっていました。どういうことですか。

佐山 経営者が目指すべきものは、社員満足度をあげることなんですよ。社員満足度が高ければ、会社が示した方向に向かって頑張るんです。でも、満足してなかったら何を言ったって頑張らない。結局は毎日が楽しいかどうかなんです。業種は違っても、専門的なことを知らなくても従業員が楽しく生き生き働ける場を作れるかどうかなんですよね。

入山 基本方針はまず、社員満足度をあげるということなんですね。

佐山 そうです。社員満足度で一番大事なのは、日常業務です。日常業務がおもしろくなかったら、毎日がおもしろくないんですよ。日常業務のほとんどはやらなくていいことをやらされていたりするんですよね。なので、その日常業務をどんどん面白くしようと、社員が考えたことをきちんと吸収できる上司がいる会社っていうのは強いんです。

入山 たとえば、スカイマークだとどういったことをしてるんですか。

佐山 毎週、「佐山だより」っていうのを出してるんですよ。何を伝えたいかというと、私がいつも何をやって、何を考えているかを伝えています。1週間何かをしてたら、伝えたいことってでてくるんです。それを写真を付けて伝えているのですが、作るのに3時間くらいかかるんですよ。写真をトリミングしたり、明るさを調整したりしています。

入山 社長って現場からすると、やっぱり遠い存在じゃないですか。でも、佐山さんが3時間かけて「佐山だより」を作成することで、こういうことをやってるんだ、こういう思いなんだってわかるっていいですね。

佐山 これをやってからは、派遣社員の人にまで覚えてもらえるようになりましたね。

砂山 話は変わりますが、スカイマークのサイパン直行便が出来ましたね。年間45万人の時もありましたけど、今は年間4万人と渡航者が激減する中で、どうしてサイパン直行便を運航スタートさせたのでしょうか。

佐山 日本人が何人行っているのか÷便の数なんですよ。香港とか韓国とか色々行ってますけど、サイパンはデルタ航空が直行便を辞めてから、直行便が無くなったんですよ。その時に、それなりに搭乗者数がいたので、去年の11月29日に始めました。弁当もでるんですけど、美味しいんですよ。

入山 それらは佐山さんのアイデアですか。

佐山 みんなのアイデアです。ただ、スカイマーク楽しいというのを100としたらまだ15なんです。

入山 たとえば、これからやっていきたいことってありますか。

佐山 昨年の11月13日にTwitterで天皇杯ベスト4があって、もし元日に決勝戦があったとしたらヴィッセルジェットの臨時便で行けたら嬉しいなという声があったんです。そして、12月21日に清水エスパルスにヴィッセル神戸が勝ったんですよ。12月24日経営戦略会議があって、ヴィッセルジェットを飛ばすことに関して議論が出ました。そこで、その夜に、Twitterで元日にヴィッセルジェットを飛ばしたら乗りたいかをアンケート取ったら、4900人がイエスと答えてくれたんです。90%がイエス、10%がノーだとわかって、「これならいける」って思って、27日の午前11時にチケットを売ることができたんです。2分で入場券付100席が完売、15分で航空券のみが売れたんです。その感覚で色々できるのがスカイマークなんです。

入山 面白いな。スカイマークの意思決定のスピードだからこそなんだ。佐山さんは杓子定規というよりは、人間くささがあっていいですよね。

佐山 一番大切なのは、多くの人が投資家だというけど、我々は投資先を一番大事に思っています。こうすることで、会社の価値が上がるんです。

入山 事業再生って聞くと、昔のハゲタカファンドみたいなイメージだけど、佐山さんは全然違うんですね。


浜松町Innovation Culture Cafe

放送日:土曜 18:00~18:57

出演者:入山章栄

メール:innovation@joqr.net

過去回:Podcast


毎週土曜日、午後6時から放送している『浜松町Innovation Culture Cafe』。パーソナリティは早稲田大学ビジネススクール教授の入山章栄さんが担当します。

当番組はさまざまなジャンルのクリエーターや専門家・起業家たちが社会問題や未来予想図などをテーマに話す番組です。自身の経験や考え、意見をぶつけて、問題解決や未来へのヒントを探ります。

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