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2020.04.23

SDGsとは何か『浜松町Innovation Culture Cafe』


持続可能な開発目標(SDGs)とは、2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)の後継として、2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載された2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標です。


17のゴール・169のターゲットから構成され、地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」ことを誓っています。


SDGsは発展途上国のみならず、先進国自身が取り組むユニバーサル(普遍的)なものであり、日本としても積極的に取り組んでいます。


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具体的に、持続可能な開発目標とは?

17の目標は以下のものです。


1. 貧困をなくそう

2. 飢餓をゼロに

3. すべての人に健康と福祉を

4. 質の高い教育をみんなに

5. ジェンダー平等を実現しよう

6. 安全な水とトイレを世界中に

7. エネルギーをみんなにそしてクリーンに

8. 働きがいも経済成長も

9. 産業と技術革新の基盤をつくろう

10. 人や国の不平等をなくそう

11. 住み続けられるまちづくりを

12. つくる責任 つかう責任

13. 気候変動に具体的な対策を

14. 海の豊かさを守ろう

15. 陸の豊さも守ろう

16. 平和と公正をすべての人に

17. パートナーシップで目標を達成しよう


そして上記の目標を、より具体的にしたものが「169のターゲット」と言われ、詳細に決まっている内容となります。


SDGsを掲げていくことでの意味

SDGsは、普遍的な目標として「誰も置き去りにしない」という約束を掲げています。


途上国、そして企業と私たち個人がともに手を取って目標達成のために努力をしていくことが根幹として必要です。


私たち一人一人ができることは数多くあり、「自分のことである」と認識し、それぞれが活動、生活の中に浸透させていくことで、日々の業務への取り組み方や生活の仕方というものが変わっていくことが考えられます。


そういった変化が企業から個人へ、個人から企業へと浸透していくことが、現在の競争社会でも生き抜くための力に変わっていくと考えられています。




2020年3月17日に放送されたラジオ『浜松町Innovation Culture Cafe』では、SDGsをどのように活かしていくか、孫子兵法家の長尾一洋さんと、起業家でビジネス・デザイナーの菊池紳さんにお越しいただき、熱いトークを交わしていただきました。


長尾一洋さんは大学卒業後、経営コンサルティング会社を経て1991年に株式会社NIコンサルティングを設立。代表取締役に就任されました。これまでに6400社以上の実績をあげる一方、兵法家として兵法書・孫子の知恵をビジネスに応用し説いています。2019年10月からは毎週月曜日夜8時より文化放送で放送中の「長尾一洋・孫子であきない話」のパーソナリティも担当中です。


入山 お客さんにSDGsをどうやって説明していますか。

長尾 大切でやっていかなきゃいけないことなんだけど、本気でやるのかどうなのかっていう話になるんです。ちょっと取り組んでみて、バッジをつけるみたいなのってありますよね。やるなら本気でやらないといけないし、かなり大変ですと伝えます。

菊池 PRとかCSRとかで話すのをやめていて、「これから資源の取り合いですよ」と話しています。SDGsという言葉で泳がされるのではなくて、本質的な競争の世界にはいっているのでやらないとやばいということを伝えてます。なので、やるのであればご一緒しますというスタンスです。

入山 やっぱりお二人とも同じですね。今、SDGsという言葉が先行して、とりあえずまわりから言われてるからやらないという雰囲気があって、やってる証明として、バッジをつけている大手企業がありますよね。

長尾 余剰利益還元理論と勝手に名乗って、一定の利益水準を越えたら社会に還元するというポリシーを持って、事業に取り組む経営をしています。値下げをするとか、新機能を追加するとかして商品価値を上げ、さらに利益を生んでまた余った部分を還元していくという循環サイクルをつくっていかないといけないと思っています。

入山 そういう仕組みにしてしまう方がいいということですね。

長尾 利益を最大化しようという資本主義の権化みたいなことをすると、格差を生んでしまう。世界の誰一人として取り残さないと言っているので、自社だけが儲かってあとは知らないということはいけないんです。

入山 特に上場企業になると、株主の声もあるし、戦略投資をしてくれといった声もありますよね。そういう時はどういった説明をしていますか。

長尾 さっきも言いましたけど、本気でSDGsに取り組んでいるのかどうかを聞きます。大手は手広くやっていて、収益もあげなきゃいけないので、そのあたりについて聞きますよ。

入山 菊池さんは食のスタートアップなので、SDGsなどの問題に直面しやすいと思うけど、銀行とか保険会社とかと付き合う時に、どうやって社会問題の意識を持ってもらうようにしていますか。

菊池 僕は「戦略投資です」と最初にハッキリ伝えます。これから各国の規制があり、ルールも変わるので、それに備えていないというのはあり得ないことなんです。ビジネスリスクを負うよりも、比較的安価で持続的な資源に切り替えるのはどうですかと伝えますね。

長尾 資源の取り合いみたいなものはあると思います。ITを使うので、ソフトウェア投資をビジネスモデルに取り込んでいます。

菊池 大企業さんも社会に負荷をかけているのかがわかっていないことが多いんです。そういったことがよくわかるのはITなんです。

入山 こういう企業はSGDsをばっちりやっているとは言えないまでも、注目出来る会社があれば教えてください。

菊池 アップル社のサイトを見たらビックリしました。「アップル、これからは地球から何もとらない」って書いてあって、どうやって物を作るのと思って調べました。鉱山から資源を取るのではなくて、都市鉱山、つまり中古のパソコンの山から資源を取って循環させて使えばいいじゃないかということだったんです。初年度で年間40億分ぐらいの貴金属を既に取っています。本業の商品作りそのものなんですよね。

入山 そういう意味でアップルはかなり進んでいるんですね。

長尾 産廃の仕事をやっている会社があるんですが、今ある産廃の中から資源を発掘するという考え方に変えているところがあります。職場の雰囲気も変えて、クリーンな感じでいかに法的にもクリアされて、資源を活用するのかを考えていますね。

入山 3Kとか、今まで光が当たらなかった業界こそ、これからのSDGsには向いてるかもしれないんですね。それこそ、若い世代の人が興味を持つのかもしれないですね。

田ケ原 たしかに、今は年収よりやりがいとかビジョンを見るというのはありますね。これからどうやっていけば、SDGsの取り組みがいいものになっていくのかは知りたいです。

長尾 やっぱり、いかに費用をさげるのかを考えないと世界中に広がらないと思うんです。入山先生の講義を受けようと思ったら結構お金がかかるかもしれないけど、それが本になったら数千円で買えるというように、手軽に身近なものにいかにして持っていくかが大切だと思います。

入山 記録媒体として、残すことが大切だということですね。

菊池 経営陣にやれと言われているうちは楽しそうにやることは無理だと思っていて、逆に会社側がオープンになると変わると思います。情報を世の中に開くことで、自分の会社で持っている資産やできることが再発見できると思います。外からの声を聞くことで可能性が広がると思いますよ。


浜松町Innovation Culture Cafe

放送日:土曜 18:00~18:57

出演者:入山章栄

メール:innovation@joqr.net

過去回:Podcast


毎週土曜日、午後6時から放送している『浜松町Innovation Culture Cafe』。パーソナリティは早稲田大学ビジネススクール教授の入山章栄さんが担当します。

当番組はさまざまなジャンルのクリエーターや専門家・起業家たちが社会問題や未来予想図などをテーマに話す番組です。自身の経験や考え、意見をぶつけて、問題解決や未来へのヒントを探ります。

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