第104回&105回 「題材は半径3メートル以内にある」...FIVE NEW OLD2019/10/21 16:47

当番組ディレクターがデビュー当時から音源を買い続けていた4人組のバンド・FIVE NEW OLDが番組初登場でした!

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ボーカル&ギターのHIROSHIさん(真ん中)&ギターのWATARUさんは小学1年生からの同級生で同じクラス。遊戯王カードで遊んでいた少年たちがこうしてバンドを組んで、そして約10年の時が経つ。2人並んでスタジオでおしゃべりをする雰囲気には家族をお迎えしているかのような安心感が漂っていました。

'one more dripな音楽'をコンセプトに、聞いてくれる方の日常に一滴の鮮やかさとか彩りを与えられるような音楽を。普段の何気ない日常にふわっと花が咲くような音楽を届けられたら、と。
2010年に神戸で結成した時にはパンクの音を鳴らしていた彼らは、2015年頃からはHIROSHIさんが子供の頃に聞かされていたというモータウンやジャズを自分たちなりに混ぜ込んだ音楽へとシフトしていく。
「10年間バンドをやってきて、このアルバムを出すタイミングで自分たちが何をやって来たか振り返ろう、と。パンクからスタートして、今みたいなグルーブを大事にする音楽をやっているということで一見、相反したこと・矛盾したことをやっている。でも、その相反するものを共存する術みたいなものを音楽で探求していたのではないか?と。そんな話をしていたら、'それって、乳化じゃない?'って」

9月にリリースになった2枚目のアルバムのタイトルは『Emulsification』。訳すと'乳化'。
耳慣れない単語でも、彼らの中では「メンバーが家に来た時、パスタをよく作るんですよね。今日、乳化うまくいったな!みたいに言ったりしていて」とHIROSHIさん...そう、彼らの中ではしょっちゅう使っている単語ではあったんです(し、彼らと会って以降レシピ本を見ていたらこの単語がよく出てくる出てくる!)。
彼らの普段の生活に根ざしていること、生きていること、が。音楽に繋がっているのがよく分かるお話をこれでもかというくらいたくさん聞かせてもらいました。

オンエアで今とにかくライブを見たいバンドの一つとわたしが申し上げていますが、なんとも照明を美しく綺麗に使っているお写真を何枚か資料として拝見したんですね。ちょっとこれまでに見たことがない感じでした。それでググッと興味を持ってしまったのです。
そんな彼らはもう日本を飛び越えてアジアへ、どんどん飛んでいる。そのアジアツアーで感じたことや刺激も盛り込んだ今回のアルバムは、彼らのお話を聞いた後に改めて聞き直すととても趣深いものになりました。特に10/7にオンエアしている曲は、英詞で歌う彼らには珍しく日本語の歌詞が一瞬登場します。それは「(アジアツアーで)ちょっとした日本語の単語にすごくときめいてくれる海外のお客さんの反応を見たことで、逆に日本語は自分たちの武器としてもっと日本語を使っていきたいし日本のお客さんにとってもより深くメッセージが残る。このバランスをもっと自分たちも両立していきたい」と。

音声でこうしてインタビューを届けられる幸せを感じた今回の出会いでした。本当に彼らの日常、普段通りのまんまでお話をしてくださっている感じがちゃんと伝わって何とも好感が持てるもので、かつ、すごくしっかりと日々に向き合って生きているのを感じました。
「世界に行っても、これからも文化放送には遊びに来てね」と最後に言ったら「もちろんです!」と今ドキ男子の笑顔。また、応援していくバンドが増えてしまいました♪



【10/7 On Air楽曲】
Keep On Marching/FIVE NEW OLD
*「パンクロックの要素と、今のグルーブの要素がいちばん分かる1曲かと」と、HIROSHIさんが曲紹介した1曲です。

【10/14 On Air楽曲】
Pinball/FIVE NEW OLD
*WATARUさんギターの師匠・是永巧一さん(レベッカ)を迎えて一緒にギターを鳴らしています。「度肝を抜かれるカッティング、それではご静聴ください」のWATARUさん曲紹介も◎!

【ポッドキャストQR】
放送後記のタイトル「題材は〜」のお話はまさにこのポッドキャストでお話ししています。そんなわけで彼らのお話にはずーっと腕組みをさせられて聞き入ってしまいました。ぜひご一聴ください→コチラから

【10/21&10/28のゲスト】
THE CHERRY COKE$が番組2回目のご登場!
今月リリースになったアルバムは、個人的にチェリコ史上最強の「名盤」と思います。ご紹介できるのが嬉しいです、おたのしみに!

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