戦後70年特別企画 アーサー・ビナード『探しています』

毎週土曜日 早朝5:00〜5:10
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高畑勲監督が紡ぐ熱い反戦のメッセージ

14年ぶりの新作『かぐや姫の物語』がアカデミー賞の長編アニメーション部門にノミネートされ、世界に健在ぶりを示した高畑勲監督。

監督作品の「火垂るの墓」「おもひでぽろぽろ」「平成狸合戦ぽんぽこ」やプロデュース作品「風の谷のナウシカ」「天空の城ラピュタ」など、日本のアニメーションの歴史を刻んできた巨匠は、今の社会の風潮や、空気を読んで流されていく日本人に強い危惧を抱いています。

物腰柔らかな高畑監督が静かな口調で、しかし厳しくも熱いメッセージを紡いでくれました。

 

高畑さん1.JPG

 

吉永小百合さんの朗読会の後、津田塾大学の会議室をお借りしてお話を伺いました。関係者の皆様ありがとうございます。高畑監督はアーサーさんがもっとも尊敬する表現者のひとりです。

 

アーサーのインタビュー日記

何度もお目にかかっている高畑監督ですが、今回もその嗅覚の鋭さに強い刺激を受けました。高畑さんは、戦争に乗っていく人物が出てこない巷の戦争ドラマの中に強い矛盾を感じています。そこには加害者としての側面が抜け落ちていると。その指摘は時に自身の作品にも向けられます。乗っかっていったあの時代の流れと今どう向き合うのかが高畑さんの基本姿勢なのではないでしょうか。日本国憲法が歯止めになっているから少しは筋が通った日本社会が築かれてきた。しかしその歯止めが外された時には、1945年を境に起きた変化がいつでも逆の方向に起きる可能性があると高畑さんは感じています。70年前の自身の戦争体験と今の日本は高畑さんの中で鮮やかにつながっています。

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