戦後70年特別企画 アーサー・ビナード『探しています』

毎週土曜日 早朝5:00〜5:10
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戦時中の落語界を知る唯一の噺家、三遊亭金馬師匠

今回お話を伺ったのは、落語界の大御所、四代目三遊亭金馬さん。1941年に12歳で三代目に弟子入りし、太平洋戦争の開戦前に落語の世界に入った最後の噺家です。86歳の今も現役バリバリの師匠が繰り出すマシンガントークにアーサーさんもたじたじ。

師匠の語り技で、当時の東京の風景や監視の目をかいくぐり自由闊達に演じた噺家達の姿が生き生きと浮かんできました。

 金馬さん2.jpg

「この鬼畜米英め〜」と叫びながらアーサーさんに襲いかかる金馬師匠と、嬉しそうなアーサーさん。すっかり意気投合していました。

image.jpgのサムネール画像


 

アーサーのインタビュー日記

戦争という悲惨な体験をも最高級のユーモアに作り替える金馬師匠の技は、まるでこうじ菌がご飯を豊かな甘酒に作り替えるようでした。ずっと笑いながら噺、いえ話を聴いてしまいました。でも途中で気づいたのは、日本の落語でもアメリカのマーク・トウェインの短編でも、ユーモアが湧いてくる源は悲しみや不条理なんだということです。金馬師匠は反戦を唱えるような事はしません。でも柔軟に社会に迎合しながら実は戦争に非協力的だったり、戦争ではない方向に社会を引っ張ろうとしたとも言えると思います。落語には戦争のばかばかしさを笑い飛ばす力があって、市民が政治家の嘘を真に受けない大事な技術もあると感じました。

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